TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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「ドンー、言われたことやってきたけどー?」
形式だけのノックをして、酒場の奥に足を踏み入れた瞬間、レイヴンの動きが止まった。
何であんたがここに…!
叫びだしたいのをぐっとこらえ、平静を装う…が、できた自信はない。
ここへの出入りをしている天を射る矢の人間も今来客中とは言わなかった。
言ってくれたら…と恨み事を言わずに居れないが、ぐっとこらえる。
「あら、来客中?出直すわ」
「まぁ、待てレイヴン。こいつは気にしなくていい」
「おいおい、オレは気にしなくていい程度の扱いか?」
酒を片手に笑う人物。それは紛れもなく、今は式典に参加しているだろうはずのユーリ・ローウェルだった。
ユーリとドン。レイヴンにとっての監視対象者である二人がこうして並んでいるのだ。レイヴンに驚くなと言う方が無理だろう。
本当ならばすぐにでもこの場から離れたかったレイヴンであるが、ドンに呼び止められてしぶしぶこの場にとどまる。
「てめぇは俺の息子だ。気にする必要があるか」
「ははぁ。まったくありがたいねぇ、親父」
……なんだか、すごいことを聞いた気がする。
だが、自らの保身のためレイヴンはそれを聞かなかったことにした。
「じゃ、報告していいわけ?」
「さっさとしやがれ」
待たせたのは自分のくせに…とこぼしつつ、レイヴンは口を開いた。
「いつから始まったか…ってのは分からなかったけど、シゾンタニアの周辺で魔物の凶暴化・異常繁殖が怒ってるのは確かだったわ。原因はおそらく、魔導器の暴走によるエアルの異常。エアルが濃すぎて魔導器が爆発するっていることまでおこってるみたいね」
「ほぉ」
ちらりと横目でユーリを見る。
彼はただにやにやしながら自分の報告をドンの横で聞いていた。
調子狂うわね…
ユーリのことをできるだけ頭の隅に追いやりながら、報告を続ける。
「で、ここが一番重要よ。なんと、シゾンタニアの軍師殿のところに親衛隊が来てたのよ。もーびっくり」
「なんのためにだ?」
「さぁ?ども、遺跡に魔導器が設置されてるぽいって話だから、それの調査にじゃない?」
「肝心なところが曖昧じゃねぇか。役立たずが」
「ちょっとー!!なによそれー!!」
ぎゃあぎゃあとわめくレイヴン。それを見て、ユーリは声をあげて笑う。
ドンはまぁいい、と会話を区切ると、犬猫でも追い払うようにレイヴンに手を振った。
「てめぇは帰れ」
「はいはい。いーですよ。帰りますよー。勝手に親子団らんでもなんでもして頂戴」
ふてくされつつ、レイヴンが部屋から出ていく。
それを見送って、ようやく笑いをおさめたらしいユーリが口を開いた。
「大した道化っぷりだな」
「まぁ、あれで仕事は確かだ」
「あいつのこと買ってるんだな」
「じゃなきゃ虫なんか飼うか」
ユーリは手に持っていた杯を呷り、一気に空にするとよっこいせ、と立ち上がった。
「行くのか?」
「あぁ、またな」
別れを惜しむ様子もなく、ひらひらと手を振ると、ユーリはそのまま部屋の奥へ消えた。
ダングレストの地下水道から外へ出るのだ。
ドンは自分の酒を飲みつつ、わらう。
「てめぇもあいつのこと気に入ってんじゃねぇか」
一足先に酒場をでたレイヴンは頭を抱えていた。
「あーもう、どうなってんのよー」
まさか、ここに横のつながりがあったとは。
アレクセイもこんなこと気が付いていないに違いない。
かといって、こんなことをアレクセイに報告すれば、ユニオンい対する強硬策にでてもおかしくはない。
もともと、自分がおさめる治世にはギルドは必要ないと思っている男だ。
だが、それを望んでない自分がいる。
自分は道具のはずなのに。
もんもんとするレイヴンの頭に突然衝撃が訪れる。
「いったぁ!!」
後ろを振り返ると、そこにはドンの姿。
隣にユーリの姿はない。
「あれ?息子さんは?」
痛みを忘れてドンに問いかけるが、ドンは答えずにやりと笑うだけ。
その様子を見て、レイヴンは慌てて立ち上がった。
「もう厄介事は頼まれないわよ!」
周りにはドンの命令から逃げているように見せかけ、レイヴンは走り出した。
おそらく、ユーリは地下から外にでたのだろう。
複雑に張り巡らされた地下水道。どこかが外につながっていてもおかしくない。
おそらく目的地はシゾンタニア。
今からなら、道の分からない地下水道を通って後を追うよりも、目的地に走った方が早い。
レイヴンはユーリを追って走った。
それがドンとユーリの思惑の内だと言うことを知らずに。
形式だけのノックをして、酒場の奥に足を踏み入れた瞬間、レイヴンの動きが止まった。
何であんたがここに…!
叫びだしたいのをぐっとこらえ、平静を装う…が、できた自信はない。
ここへの出入りをしている天を射る矢の人間も今来客中とは言わなかった。
言ってくれたら…と恨み事を言わずに居れないが、ぐっとこらえる。
「あら、来客中?出直すわ」
「まぁ、待てレイヴン。こいつは気にしなくていい」
「おいおい、オレは気にしなくていい程度の扱いか?」
酒を片手に笑う人物。それは紛れもなく、今は式典に参加しているだろうはずのユーリ・ローウェルだった。
ユーリとドン。レイヴンにとっての監視対象者である二人がこうして並んでいるのだ。レイヴンに驚くなと言う方が無理だろう。
本当ならばすぐにでもこの場から離れたかったレイヴンであるが、ドンに呼び止められてしぶしぶこの場にとどまる。
「てめぇは俺の息子だ。気にする必要があるか」
「ははぁ。まったくありがたいねぇ、親父」
……なんだか、すごいことを聞いた気がする。
だが、自らの保身のためレイヴンはそれを聞かなかったことにした。
「じゃ、報告していいわけ?」
「さっさとしやがれ」
待たせたのは自分のくせに…とこぼしつつ、レイヴンは口を開いた。
「いつから始まったか…ってのは分からなかったけど、シゾンタニアの周辺で魔物の凶暴化・異常繁殖が怒ってるのは確かだったわ。原因はおそらく、魔導器の暴走によるエアルの異常。エアルが濃すぎて魔導器が爆発するっていることまでおこってるみたいね」
「ほぉ」
ちらりと横目でユーリを見る。
彼はただにやにやしながら自分の報告をドンの横で聞いていた。
調子狂うわね…
ユーリのことをできるだけ頭の隅に追いやりながら、報告を続ける。
「で、ここが一番重要よ。なんと、シゾンタニアの軍師殿のところに親衛隊が来てたのよ。もーびっくり」
「なんのためにだ?」
「さぁ?ども、遺跡に魔導器が設置されてるぽいって話だから、それの調査にじゃない?」
「肝心なところが曖昧じゃねぇか。役立たずが」
「ちょっとー!!なによそれー!!」
ぎゃあぎゃあとわめくレイヴン。それを見て、ユーリは声をあげて笑う。
ドンはまぁいい、と会話を区切ると、犬猫でも追い払うようにレイヴンに手を振った。
「てめぇは帰れ」
「はいはい。いーですよ。帰りますよー。勝手に親子団らんでもなんでもして頂戴」
ふてくされつつ、レイヴンが部屋から出ていく。
それを見送って、ようやく笑いをおさめたらしいユーリが口を開いた。
「大した道化っぷりだな」
「まぁ、あれで仕事は確かだ」
「あいつのこと買ってるんだな」
「じゃなきゃ虫なんか飼うか」
ユーリは手に持っていた杯を呷り、一気に空にするとよっこいせ、と立ち上がった。
「行くのか?」
「あぁ、またな」
別れを惜しむ様子もなく、ひらひらと手を振ると、ユーリはそのまま部屋の奥へ消えた。
ダングレストの地下水道から外へ出るのだ。
ドンは自分の酒を飲みつつ、わらう。
「てめぇもあいつのこと気に入ってんじゃねぇか」
一足先に酒場をでたレイヴンは頭を抱えていた。
「あーもう、どうなってんのよー」
まさか、ここに横のつながりがあったとは。
アレクセイもこんなこと気が付いていないに違いない。
かといって、こんなことをアレクセイに報告すれば、ユニオンい対する強硬策にでてもおかしくはない。
もともと、自分がおさめる治世にはギルドは必要ないと思っている男だ。
だが、それを望んでない自分がいる。
自分は道具のはずなのに。
もんもんとするレイヴンの頭に突然衝撃が訪れる。
「いったぁ!!」
後ろを振り返ると、そこにはドンの姿。
隣にユーリの姿はない。
「あれ?息子さんは?」
痛みを忘れてドンに問いかけるが、ドンは答えずにやりと笑うだけ。
その様子を見て、レイヴンは慌てて立ち上がった。
「もう厄介事は頼まれないわよ!」
周りにはドンの命令から逃げているように見せかけ、レイヴンは走り出した。
おそらく、ユーリは地下から外にでたのだろう。
複雑に張り巡らされた地下水道。どこかが外につながっていてもおかしくない。
おそらく目的地はシゾンタニア。
今からなら、道の分からない地下水道を通って後を追うよりも、目的地に走った方が早い。
レイヴンはユーリを追って走った。
それがドンとユーリの思惑の内だと言うことを知らずに。
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