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『あー・・・退屈。』
ふわふわと空中に浮いたまま、ルークはひとつ大きなあくびをした。
ルークが今いるのは、アブソーブゲートである。
と、いっても、ルーク一人のみで、他の仲間たちやヴァンらがいるわけではない。
ただ、以前ならばアッシュがヴァンらの足止めをしていたが、そのアッシュが『ルーク』らと行動し始めたために、下手をすると、アッシュらがここに到着する前に、ヴァンらは目的を達して帰ってしまうかもしれない・・・と考えたルークが、先回りしておくことにしたのだ。
だが、待てどもモースとかラルゴとかリグレットとか・・・は来ない。
アッシュらが来るときに困らないように、魔物を掃討しようかとも考えたが、それでは先に来る六神将に不信感を持たせてしまうため、それも出来ない。
・・・まぁ、少しは数を減らしておいたが。
よって、今のルークは完全なる暇人なのであった。
あまりの暇さに、ローレライに話しかけてみたものの、現在のローレライはヴァンの中。
会話なんて出来ない。
過去(未来?)のローレライは音信不通。
だいたい、ルークはローレライとの連絡の取り方すら知らない。
いっそ、不謹慎ながら、さっさとモースどもが来ればいいのに・・・と考え始める。
「あーーーー!!ひまだってのーーーー!!」
やけくそで大きな声で叫んだ後、ルークは不貞寝をするように、寝転がった。
どれくらいたっただろうか。
軽く眠っていたルークは、こちらに向かってくるであろう、いくつもの足音で目を覚ました。
ふわりと空中に浮かび、入り口のほうを伺う。
現われたのは、六神将とモース。それに、半ば引きずられるようにつれてこられる、イオンレプリカ・・・フローリアン。
「リグレット。本当にヴァンは第七譜石の欠片をもちかえるのであろうな?」
「はい」
「・・・嘘であったら、どうなるか分かっているだろうな?」
「どうぞ御自由に」
「・・・ふんっ」
利害の一致から手を組んでいるに過ぎないモースと六神将。
その関係に、信頼などという文字はないようだ。
・・・だが、だからこそルークにとっては好都合。
ルークは、最下層へ向かおうとしているモースらの背後に静かに降り立つと、実体化して剣を突きつけた。
「待てよ。そこから先は行かせない」
振り向いたリグレットらの目には驚愕の色が浮かぶ。
ルークは、それを見て満足そうに微笑んだ。
後は、時間稼ぎをするだけだ。
「くそ・・・リグレット・・・先に来てやがるな」
「アッシュ・・・間に合うのかな?」
「わからん。つべこべ言わずに走れ、屑!」
『ルーク』とアッシュは互いに肩を並べながら坂道を駆け下り、最下層へと向かう。
その後を、仲間たちが続いていた。
幸いにも、敵はそんなに出てきてはいない。
既に先に中に入った者が、魔物たちを倒して行ったのだろう。
おかげで、アッシュたちはそれほど時間をかけずに最下層近くまでたどり着くことが出来た。
しかし、最下層に足を踏み入れようとしたときに聞こえてきたのは、激しく斬撃が繰り出される音。
硬質な鋼がこすれ、悲鳴を上げている。
「誰か闘っているみたいだな・・・でも、一体誰が?」
「ガイ、詮索は後にしましょう。行きますよ」
自分たちのほかに、リグレットらと一戦やりあうような奴がいたかと、首をかしげるガイをよそに、ジェイドは悠々と進んでいく。
その足取りに、迷いは一切ない。
ジェイドに釣られるような形で、下層に足を踏み入れたアッシュらが見たのは、目を疑う光景だった。
「な・・・ッ!?」
「嘘だろ!?あれは・・・!」
赤い髪。
翡翠色の瞳。
そして、その体から繰り出される剣技。
ラルゴの鎌を易々と避け、舞うように剣を振るうその姿は、そこにいるメンバーには見慣れた・・・だが、もっとも信じられない人物の姿、そのままだった。
「『ルーク』が・・・もう一人・・・?」
それは誰が発した言葉だったか。
その言葉で、アッシュらが到着したことを悟ったルークは、ラルゴの鎌をかわしながらゆるく微笑んだ。
ここからが正念場だ。
俺は、絶対に・・・もう喪ったりはしない。
あとがき
・・・意味不明?はい。わたしもわかりません(ぇ)
まだまだ、ちんたら更新になるかと思いますが、気長にまってやってください