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TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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「で、次はラジエイトゲートだよな?」
「・・・なんで、テメェがそんなこと知ってやがる」

ダアトから出てきて早々、次の目的地を口にしたルークにアッシュは疑いの目を向ける。

「だって、エルドラントの障壁崩すんなら、ゲート閉じなきゃいけねぇだろ?」
「・・・てめぇ、一体どこまで知ってる」
「内緒。てか、アッシュ。あんまり考えすぎると禿げるぜ?」
「うるせぇ!!」

にやりとからかうような視線を向けたルークに、アッシュの雷が落ちる。それをルークことエルは平然と受け流し、『ルーク』が慌てた様子でアッシュを宥めている。

「・・・まぁともかく、ラジエイトゲートへ向かいましょう。ヴァンが復活した以上、妨害が入らないとも限りません。早く動くに越したことはないでしょう」
「そうですね。いいわね、『ルーク』、アッシュ」
「あ、うん」
「・・・チッ」

しぶしぶといった感じではあるが、一行はアルビオールに乗ってラジエイトゲートに向かって飛び立った。




「なぁ、この辺で一度休憩を取らないか?」

長距離の飛行は運転士であるノエルに多大な負担がかかる。
時折、休ませてあげなくてはならない。
日が沈み始めた頃、ガイはそう言って皆に提案をした。
幸いにも、下は野宿でも過しやすそうな平野が続いている。

「そうですね、一度着陸して休みましょうか」
「やったー。アニスちゃんおなかペコペコー!!」
「そうですわね。しばらく何も食べてませんもの」
「食事も作りましょう。今日の当番は・・・『ルーク』ね」
「えー・・・疲れたときに『ルーク』の料理~?」
「悪かったな」
「・・・俺が作ろうか?」

エルが声をかけると、途端ににぎわっていた会話が止まる。
信用されてないという事実に、エルは苦笑いを浮かべる。
まぁ、自分が彼らの立場であってもそうだろうから、別に怒る気はしないが、少し悲しくなってしまうのは、自分がやはり彼らを知っているからであろう。
・・・たとえ、エルの知っている彼らが今ここにいる彼らとは真の意味で同じではないとしても・・・。

「あー・・・わりぃ。いきなり出てきた奴に料理なんて、食べた奴の命に関わるもん作らせるわけにはいかねぇよな」
「いや、そんなことを心配してるんじゃなくて・・・」
「あー、きにすんなって。俺はなんか適当に捕ってくるから、料理当番頑張れよ、『ルーク』」
「あ、ちょ・・・!」

『ルーク』が引き止める間もなく、エルは手を振りながらどこかへ歩いていく。
それを彼らは見送ることしか出来なかった。

夜もふけ、皆が食事を済ませた頃、エルは戻ってきた。
といっても、第七音素の集合体・・・ローレライと近しい存在となっているエルにとって、食事など必要としないため、ふらふらとそのあたりを回ってきただけなのだが。
得るの姿を見つけると、『ルーク』が慌てた様子で近づいてきた。
エルは首をかしげる。何かあったのだろうか。

「遅い。心配してたんだぞ。」
「俺を?」
「他に誰がいるんだよ」

少し拗ねたように頬を膨らませる『ルーク』にエルは苦笑いを浮かべる。
他の仲間たちも、口にはださないがどこかばつの悪そうな顔を浮かべている。
アッシュはこちらに背を向けていて、表情はわからないが、いつもと同じように眉間に皺を寄せているのだろう。
エルと視線の会ったジェイドはやれやれというように肩をすくめて見せる。
それらをみて、エルは思わず噴出した。
『ルーク』が突然笑い出したエルに驚いた顔をしたが、笑いを止められない。


やっぱり、自分の知っている彼らと、この彼らは違うのだろうが、本質は変わらない。

なんて愛しい



そんなあなたたちだから、俺は俺の存在をかけることができたんだ

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