TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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「シンク!」
されない
自分にかけられた言葉も、伸ばされた手も振り切って、タルタロスから地核へと身を投げた。
落ちているはずなのに、心地よく体を包む浮遊感。
全てに絶望し憎んでいたが、こうして落ちていくうちに、どこか安らかな心地になるのが不思議だ。
自分の体を構成する第七音素が、還っていくことを懐かしんでいるのか。
そんなことを考えて、シンクは自嘲の笑みを浮かべる。
今更、そんなことはどうでもよいことではないか。
自分はもうすぐ死ぬのだから。
でも・・・
もし許されるのであれば・・・
誰にも必要とされない、不必要なものとされた人生ではなく
誰かに必要とされる生を生きてみたかった
『そんなの、じっと待ってて得られるものじゃないだろ?自分の手でつかみとってみなよ』
・・・誰さ?
突如として聞こえてきた声に、シンクは閉じていた目を開いた。
目の前にあるのは緑色の光。
『餞別に僕の加護をあげるよ。ま、いらないことかもしれないけどね。せっかくなんだから、あがいてみなよ』
・・・な!?
心地よい浮遊感が一転。激しい嵐のような渦に巻き込まれる。
あんた、誰だよ!?
『誰って言われてもね。気が向いたら教えてあげるよ』
待て!
思わず光に向かって手を伸ばす。
しかし、その手が掴んだのは緑の光ではなく、布の感触。
しかも、自分の体ではないと思うほどに、動かすのが億劫だった。
シンクがいぶかしげに思っていると、頭の上から声が聞こえた。
「ほぉ・・・面白い」
聞き覚えのある声。
見あげると、予想していたとおりの人物。
・・・ヴァン
「何の刷り込みもしていないのに、自ら動くとは・・・レプリカでも生への執着というものがあるのか」
「まさか。偶然でしょう。生まれたばかりのレプリカにそんなものがあるはずがありません」
「だが、こいつは使えそうだ」
自分を見て、にやりと笑うヴァン。
むせ返るほどの熱気、火山。
見たことのある光景。
「ディスト、こいつを教育しろ。駒として使えるだろう」
「どうして、この私が!」
「お前意外にいまい。任せたぞ」
「きー!!」
ああ、そうか。
これは・・・
自分が作られたときの光景だ。
ならば、自分は舞い戻ってきたのか。
『そんなの、じっと待ってて得られるものじゃないだろ?自分の手でつかみとってみなよ』
あの声の主は、もう一度やり直してみろと、あがけというのか
この何もない、くだらない世界で。
シンクは、ぎりっと奥歯を噛み締めた。
口の中を切ったせいで血の味が口腔内に広がるが、今のシンクにはそんなことはどうでもよかった。
今のシンクにあるのは戸惑いと憎しみ。
そして、耐え難いほどの虚脱感だった。
されない
自分にかけられた言葉も、伸ばされた手も振り切って、タルタロスから地核へと身を投げた。
落ちているはずなのに、心地よく体を包む浮遊感。
全てに絶望し憎んでいたが、こうして落ちていくうちに、どこか安らかな心地になるのが不思議だ。
自分の体を構成する第七音素が、還っていくことを懐かしんでいるのか。
そんなことを考えて、シンクは自嘲の笑みを浮かべる。
今更、そんなことはどうでもよいことではないか。
自分はもうすぐ死ぬのだから。
でも・・・
もし許されるのであれば・・・
誰にも必要とされない、不必要なものとされた人生ではなく
誰かに必要とされる生を生きてみたかった
『そんなの、じっと待ってて得られるものじゃないだろ?自分の手でつかみとってみなよ』
・・・誰さ?
突如として聞こえてきた声に、シンクは閉じていた目を開いた。
目の前にあるのは緑色の光。
『餞別に僕の加護をあげるよ。ま、いらないことかもしれないけどね。せっかくなんだから、あがいてみなよ』
・・・な!?
心地よい浮遊感が一転。激しい嵐のような渦に巻き込まれる。
あんた、誰だよ!?
『誰って言われてもね。気が向いたら教えてあげるよ』
待て!
思わず光に向かって手を伸ばす。
しかし、その手が掴んだのは緑の光ではなく、布の感触。
しかも、自分の体ではないと思うほどに、動かすのが億劫だった。
シンクがいぶかしげに思っていると、頭の上から声が聞こえた。
「ほぉ・・・面白い」
聞き覚えのある声。
見あげると、予想していたとおりの人物。
・・・ヴァン
「何の刷り込みもしていないのに、自ら動くとは・・・レプリカでも生への執着というものがあるのか」
「まさか。偶然でしょう。生まれたばかりのレプリカにそんなものがあるはずがありません」
「だが、こいつは使えそうだ」
自分を見て、にやりと笑うヴァン。
むせ返るほどの熱気、火山。
見たことのある光景。
「ディスト、こいつを教育しろ。駒として使えるだろう」
「どうして、この私が!」
「お前意外にいまい。任せたぞ」
「きー!!」
ああ、そうか。
これは・・・
自分が作られたときの光景だ。
ならば、自分は舞い戻ってきたのか。
『そんなの、じっと待ってて得られるものじゃないだろ?自分の手でつかみとってみなよ』
あの声の主は、もう一度やり直してみろと、あがけというのか
この何もない、くだらない世界で。
シンクは、ぎりっと奥歯を噛み締めた。
口の中を切ったせいで血の味が口腔内に広がるが、今のシンクにはそんなことはどうでもよかった。
今のシンクにあるのは戸惑いと憎しみ。
そして、耐え難いほどの虚脱感だった。
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