TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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「まずは、ローレライ教団の導師として、世界を救ってくださったあなた方にお礼を言わせてください。ありがとうございました」
「そんなもの、必要ないね。僕らはやりたいことをやっただけだ。世界ともお前らとも何の関係もない」
イオンの謝礼を一蹴するシンクに、イオンは苦笑する。
「でも、この世界で生きていられるのはあなた方がヴァンを止めてくれたからです。あなた方の目的はどうであれ、それは事実。それに、僕があなた方に感謝しているのも事実です。だからやはり、言わせてもらいます。ありがとうございました」
再び深々と頭を下げるイオンに、ルークは少し照れくさそうに頭をかき、シンクは不機嫌そうに視線を逸らした。
対照的な様子の二人を見比べ、イオンは笑う。
そして、柔らかな笑みを浮かべたまま二人に近づく。
そして、ルークの目の前で足を止めると、おもむろに手を差し出した。
ルークはわけがわからず、首をかしげる。
「・・・今更、と思われるかもしれませんが・・・あなたの名前を教えていただけませんか?」
「え?」
「僕はもう一度、あなたと友達になりたい。・・・だめ・・・ですか?」
どこか悲しげな表情で言う、イオンをみて、始めは面食らっていたルークだったが、照れくさそうに笑ってイオンの手をとった。
「レンティス・・・だよ。よろしくな、イオン」
「はい。こちらこそよろしくおねがいします、レンティス」
ほんわかとしたムードを流す二人を
父親のような気持ちで眺めるものが一人。
なんか面白くなさそうに見ているものが一人。
面白がっているものが一人。
親離れされたような複雑な胸中のものが一人。
かわいい・・・と思い、頬を染めているものが一人
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「おい。貴様らこれからどうする気だ」
ほんわかムードを打ち破ったのは、ローレライ教団の服は脱ぎ捨てたものの、あいかわらず髪は上げたまま、眉間に皺寄せたままのアッシュだった。
誰かから問われるだろうとは思っていたが、意外にも、アッシュからその話が振られたことに、ルークは目を丸くした。
どうする?と目でシンクに問いかけると、シンクは肩をすくめて見せるだけ。
どうやら、アッシュの問いは無視する方向らしい。
しかし、そのシンクの反応に怒らないアッシュではない。
「シンク!」
と叫び、掴みかかりそうな勢いのアッシュを、隣にいたナタリアが慌てて止める。
幼少の頃からの刷り込みか、ナタリアには逆らえないアッシュは、立ち止まったが、視線はシンクから離そうとしない。
そこへ更なる爆弾を落としたのは、いままで面白そうに成り行きを見守っていたピオニーだった。
「あ、そいつらは俺が雇うからな。かってにとるんじゃねーぞ」
「なんだと?」
「・・・陛下・・・あいつらまだ了承してないですよ、それ」
「あ?了承してなくても、話持ちかけたのは俺が先だから、優先順位はうちが一番だろ?」
「えー!そんなのなしですよう。教団だって今、人員不足してるんですからぁ。ね、イオン様」
「・・・僕も、彼らが手伝ってくれると嬉しいのですが・・・」
「ほら!イオン様もこういってますし!まだ了承のない約束なんて無効ですぅ!」
「でも・・・彼らの意見も聞くべきじゃないかしら」
「・・・そいつらに決めさせればいいじゃねぇか」
「ええ!それがいいですわ!」
「・・・だ、そうです。どうしますか、陛下?」
「俺は、俺が雇うって決めてるからな」
シンクとルーク、そしておそらくラルゴの意思をも無視して繰り広げられる話し合い。
しかし、世界を左右する話し合いはあっさり決まったのに、この話し合いは終結する様子を全く見せない。
ティアやガイといった苦労性の面々が呆れ始めた頃、ガラスの割れる音が響き渡った。
その犯人は言わずと知れた三人組。
計画:シンク、実行:ラルゴ、補佐:ルークである。
人々が話し合っている(もめている)間に、影でシンクが合図し、ラルゴに窓を割らせたのだ。
皆が音がした方向を見たときには、ラルゴは既に階下へ飛び降りたあと。
ルークとシンクは、今まさに飛び降りようとしているところだった。
「あー!!」
「待て、貴様ら!」
「悪いけど、もうあんたたちに関わる気なんてないから」
「ごめんな、イオン。俺もうちょっと、シンクと一緒に旅したいからさ」
「ほら、余計なこと言ってないで行くよ」
「わかってるって。じゃあな」
二人は身軽に窓から飛び降りる。
イオンが窓から階下を見下ろしたときには、既に三人の背は小さくなっていた。
それを見て、イオンは笑う。
「やっぱり、彼らにはああいうのが似合いますね」
「いいんですか?逃げられちゃいましたよぉ」
「いいんですよ。また、会えますし」
「・・・かわいかったなぁ」
「ティア?」
「え?な、なんでもないわ」
「・・・ジェイド。逃がしたな?」
「いえいえ、滅相もない。年をとるととっさの反応が出来なくなりましてねぇ。・・・ま、陛下。簡単に手に入っても面白くないでしょう?」
「たしかにな。じっくり捕まえるとするか」
「・・・頑張って逃げろよ」
「にげやがったな・・・」
「残念ですわね・・・でも、元気そうでよかったですわ。あなたも安心したんではなくて?」
「ふん、だれがあんな屑・・・」
「あら、だれもレンティスのことだなんて言っていませんわ」
「・・・・・・」
後に残された人々が様々な反応をしている頃、逃げた三人は町を出る船に飛び乗っていた。
「なんか、案外あっさりにげれたな」
「他はどうだか知らんが、死霊使いは明らかに見逃したな。あの男があれだけ時間のある中で、譜術を使えなかったとは思えん」
「でもさ、逃げられたんだからいいじゃん。な、シンク」
「・・・お気らくだね。」
「なんだよ・・・また旅できるんだからいいじゃん」
「追っ手がかかるかもしれないから、しばらくは大人しくして歩いたほうがいいかもね」
「え~」
「ならば二人とも、俺についてくるか?」
「あんたに?」
「俺は今、漆黒の翼のところに厄介になっている」
「へ~・・・じゃ、あいつらの隠れ家みたいなトコにいくの?」
「ああ」
「面白そうじゃん!シンク、行こう!」
「はいはい、わかったよ」
「やった」
「ならば、行くか」
「また三人で旅だな。すっげぇ楽しみ」
「・・・腐れ縁だね」
「まぁ、そういうな」
「いいじゃん、楽しいし」
「・・・ま、悪くないね」
潮風を浴びながら、三人は笑う。
二度と集まることはないと思っていた三人が再び集まって、また旅をする。
行き先は気ままに。
今度の旅の時間は、まだたっぷりあるのだから・・・
END
あとがき
え?終わり微妙?
まぁ、でも、とりあえず全員の台詞が出せて私は満足です。
でも、あんまりべたべたしたシンルクかけてないな・・・もうちょっと甘くてもよかったような・・・。
まぁ、また今度考えます。
「そんなもの、必要ないね。僕らはやりたいことをやっただけだ。世界ともお前らとも何の関係もない」
イオンの謝礼を一蹴するシンクに、イオンは苦笑する。
「でも、この世界で生きていられるのはあなた方がヴァンを止めてくれたからです。あなた方の目的はどうであれ、それは事実。それに、僕があなた方に感謝しているのも事実です。だからやはり、言わせてもらいます。ありがとうございました」
再び深々と頭を下げるイオンに、ルークは少し照れくさそうに頭をかき、シンクは不機嫌そうに視線を逸らした。
対照的な様子の二人を見比べ、イオンは笑う。
そして、柔らかな笑みを浮かべたまま二人に近づく。
そして、ルークの目の前で足を止めると、おもむろに手を差し出した。
ルークはわけがわからず、首をかしげる。
「・・・今更、と思われるかもしれませんが・・・あなたの名前を教えていただけませんか?」
「え?」
「僕はもう一度、あなたと友達になりたい。・・・だめ・・・ですか?」
どこか悲しげな表情で言う、イオンをみて、始めは面食らっていたルークだったが、照れくさそうに笑ってイオンの手をとった。
「レンティス・・・だよ。よろしくな、イオン」
「はい。こちらこそよろしくおねがいします、レンティス」
ほんわかとしたムードを流す二人を
父親のような気持ちで眺めるものが一人。
なんか面白くなさそうに見ているものが一人。
面白がっているものが一人。
親離れされたような複雑な胸中のものが一人。
かわいい・・・と思い、頬を染めているものが一人
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「おい。貴様らこれからどうする気だ」
ほんわかムードを打ち破ったのは、ローレライ教団の服は脱ぎ捨てたものの、あいかわらず髪は上げたまま、眉間に皺寄せたままのアッシュだった。
誰かから問われるだろうとは思っていたが、意外にも、アッシュからその話が振られたことに、ルークは目を丸くした。
どうする?と目でシンクに問いかけると、シンクは肩をすくめて見せるだけ。
どうやら、アッシュの問いは無視する方向らしい。
しかし、そのシンクの反応に怒らないアッシュではない。
「シンク!」
と叫び、掴みかかりそうな勢いのアッシュを、隣にいたナタリアが慌てて止める。
幼少の頃からの刷り込みか、ナタリアには逆らえないアッシュは、立ち止まったが、視線はシンクから離そうとしない。
そこへ更なる爆弾を落としたのは、いままで面白そうに成り行きを見守っていたピオニーだった。
「あ、そいつらは俺が雇うからな。かってにとるんじゃねーぞ」
「なんだと?」
「・・・陛下・・・あいつらまだ了承してないですよ、それ」
「あ?了承してなくても、話持ちかけたのは俺が先だから、優先順位はうちが一番だろ?」
「えー!そんなのなしですよう。教団だって今、人員不足してるんですからぁ。ね、イオン様」
「・・・僕も、彼らが手伝ってくれると嬉しいのですが・・・」
「ほら!イオン様もこういってますし!まだ了承のない約束なんて無効ですぅ!」
「でも・・・彼らの意見も聞くべきじゃないかしら」
「・・・そいつらに決めさせればいいじゃねぇか」
「ええ!それがいいですわ!」
「・・・だ、そうです。どうしますか、陛下?」
「俺は、俺が雇うって決めてるからな」
シンクとルーク、そしておそらくラルゴの意思をも無視して繰り広げられる話し合い。
しかし、世界を左右する話し合いはあっさり決まったのに、この話し合いは終結する様子を全く見せない。
ティアやガイといった苦労性の面々が呆れ始めた頃、ガラスの割れる音が響き渡った。
その犯人は言わずと知れた三人組。
計画:シンク、実行:ラルゴ、補佐:ルークである。
人々が話し合っている(もめている)間に、影でシンクが合図し、ラルゴに窓を割らせたのだ。
皆が音がした方向を見たときには、ラルゴは既に階下へ飛び降りたあと。
ルークとシンクは、今まさに飛び降りようとしているところだった。
「あー!!」
「待て、貴様ら!」
「悪いけど、もうあんたたちに関わる気なんてないから」
「ごめんな、イオン。俺もうちょっと、シンクと一緒に旅したいからさ」
「ほら、余計なこと言ってないで行くよ」
「わかってるって。じゃあな」
二人は身軽に窓から飛び降りる。
イオンが窓から階下を見下ろしたときには、既に三人の背は小さくなっていた。
それを見て、イオンは笑う。
「やっぱり、彼らにはああいうのが似合いますね」
「いいんですか?逃げられちゃいましたよぉ」
「いいんですよ。また、会えますし」
「・・・かわいかったなぁ」
「ティア?」
「え?な、なんでもないわ」
「・・・ジェイド。逃がしたな?」
「いえいえ、滅相もない。年をとるととっさの反応が出来なくなりましてねぇ。・・・ま、陛下。簡単に手に入っても面白くないでしょう?」
「たしかにな。じっくり捕まえるとするか」
「・・・頑張って逃げろよ」
「にげやがったな・・・」
「残念ですわね・・・でも、元気そうでよかったですわ。あなたも安心したんではなくて?」
「ふん、だれがあんな屑・・・」
「あら、だれもレンティスのことだなんて言っていませんわ」
「・・・・・・」
後に残された人々が様々な反応をしている頃、逃げた三人は町を出る船に飛び乗っていた。
「なんか、案外あっさりにげれたな」
「他はどうだか知らんが、死霊使いは明らかに見逃したな。あの男があれだけ時間のある中で、譜術を使えなかったとは思えん」
「でもさ、逃げられたんだからいいじゃん。な、シンク」
「・・・お気らくだね。」
「なんだよ・・・また旅できるんだからいいじゃん」
「追っ手がかかるかもしれないから、しばらくは大人しくして歩いたほうがいいかもね」
「え~」
「ならば二人とも、俺についてくるか?」
「あんたに?」
「俺は今、漆黒の翼のところに厄介になっている」
「へ~・・・じゃ、あいつらの隠れ家みたいなトコにいくの?」
「ああ」
「面白そうじゃん!シンク、行こう!」
「はいはい、わかったよ」
「やった」
「ならば、行くか」
「また三人で旅だな。すっげぇ楽しみ」
「・・・腐れ縁だね」
「まぁ、そういうな」
「いいじゃん、楽しいし」
「・・・ま、悪くないね」
潮風を浴びながら、三人は笑う。
二度と集まることはないと思っていた三人が再び集まって、また旅をする。
行き先は気ままに。
今度の旅の時間は、まだたっぷりあるのだから・・・
END
あとがき
え?終わり微妙?
まぁ、でも、とりあえず全員の台詞が出せて私は満足です。
でも、あんまりべたべたしたシンルクかけてないな・・・もうちょっと甘くてもよかったような・・・。
まぁ、また今度考えます。
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この記事にコメントする
遂に完結ですねっ!!
終わり方良いですよっ なんか・・・こう、余韻を残してくれると言うか・・・(///)
最後に皆と再会+お父さんなラルゴとまた冒険(?)ですよっ もうファンにはたまりません~っ ありがとうございますっ そして完結おめでとうございますっ♪
最後に皆と再会+お父さんなラルゴとまた冒険(?)ですよっ もうファンにはたまりません~っ ありがとうございますっ そして完結おめでとうございますっ♪
Re:遂に完結ですねっ!!
コメントありがとうございます!
ながらく返信できなくて申し訳ございません。
独断と偏見&趣味丸出しの連載を気に入っていただいてありがとうございます。
ぷちっと完結させるのでなく、もやっとさせてみましたが、気に入っていただけたみたいでよかったです。
これから書くとしたら、1話完結で書いていきたいな~と考えてますので、こっそり増えてたらまたよろしくおねがいします(笑)
では、コメントありがとうございました。
ながらく返信できなくて申し訳ございません。
独断と偏見&趣味丸出しの連載を気に入っていただいてありがとうございます。
ぷちっと完結させるのでなく、もやっとさせてみましたが、気に入っていただけたみたいでよかったです。
これから書くとしたら、1話完結で書いていきたいな~と考えてますので、こっそり増えてたらまたよろしくおねがいします(笑)
では、コメントありがとうございました。