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TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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地核への降下位置までは少ない人数でのタルタロスの操縦。
もう少しで地核の降下が始まろうかというとき、タルタロスの警報がなった。

「チッ…乗り込んでやがったか」
「どうするんですか、大佐ぁ!」
「もうすぐ降下ポイントです。今相手にしている暇はありません。降下後に撃退しますよ」

そういうと、タルタロスは譜術障壁を発動して降下を始めた。
皆、その間だけは緊張した面持ちで、ただ振動が落ち着くのを待った。

やがて、静かにタルタロスの降下が止まり、一同はようやく座っていた席から離れる。

「…ついたようですね。ゆっくりしている暇はありません。いきますよ」

無駄な時間は一秒もない。
脱出が遅れれば、自分たちは地核に飲み込まれ、外には帰れなくなる。
脱出のためにまず必要なのは、侵入者の排除。
おそらく、六神将のうちの誰かだろう…。
そう思って、戦闘準備を整えた一同の目に映ったのは、想像していなかった現実だった。

「兄さん!?」
「ルーク!!」
「それにシンクも…。なに…どうなってるの?」

目の前で繰り広げられているのは、傷を負いながらもヴァンと闘うルークとシンクの姿だった。



神託の盾兵の襲撃直前。
ぎりぎりのところで港にもぐりこんだシンクとルークは、一般人を装って声を上げた。
神託の盾がタルタロスを奪いにきた、と。
その声に目を覚ました人々は次々と建物から出てきて、入り口を封鎖していく。
その人々の働きを見届けると、ルークたちは一足先にタルタロスへと乗り込んだ。

「大丈夫かな…シェリダンの人たち…」
「相手は民間人だ。無理に抵抗しなければ酷いことにはならないさ」
「…抵抗したら…?」
「ヴァンなら斬るね」
「…ッ」
「レンティス。今僕らが行っても無駄だ。わかってるね?」
「わかってる…だけど…!」

苦しげに顔をゆがめ、拳を握るルークの肩を、シンクは軽く叩く。
今は、耐えるしかないのだ。

実際にはそんなに長くはないのだろうが、随分長い間そうしているかのように感じた。
慌しい足音が聞こえ、船が動き出す感覚。
やっとかとシンクは呟き、ゆっくりと立ち上がった。

「行くのか?」
「ちょっと見てくるだけだよ。地核降下前にあいつらに見つかると面倒だからね」
「…俺も行っていい?」
「いいけど、すぐに戻るよ?」
「いい。一緒に行く」

扉の隙間から辺りをうかがい、慎重に進む。
そして、外の様子を伺うために甲板へでたときだった。

「やはりお前たちも乗っていたか。なにをする気か知らんが、無駄なことを…」
「ヴァン!!」

とっさに身構える二人を尻目に、ヴァンは悠然とそこに立つ。
剣に手をおくことすらしない。
その様子は自分の優位を疑っていないように見えて、シンクをいらだたせた。

「アンタこそ、何しにきたのさ。アンタが帰れなくなったら、計画も何もおしまいでしょ?」
「ふ…そんなことはありえない。もし万が一私が帰らなくとも、私の意志はリグレットが引き継ぐだろう。何も変わらぬ」
「随分な自信だね。ここにこうして、アンタの計画を狂わせた奴がいるのに?」

シンクが示したのが誰かわかったのか、ヴァンの瞳がようやくルークを捉える。

「…師匠…」
「誰かと思えば…レプリカか。シンク。お前は勘違いをしているようだな。これが生き残ったのはこれの力ではない。アッシュがメシュティアリカを連れてきたためだ。これが生き残ったのは譜歌があればこそ。そいつは生き残ったとて何の役にも立たぬ」

ヴァンの言葉にルークの顔が泣き出しそうに歪むが、それを堪え必死に前を向く。
それを目にしたシンクはルークを庇うように、ヴァンに向かって一歩踏み出した。

「本当に役立たずかどうか、試してみなよ」
「シンク…お前はもう少し利口だと思っていたが…残念だ」

ヴァンの手がようやく腰の剣にかかり、すらりとその刀身を見せた。

「そう簡単にはやられないさ!」
「シンク!!」

ヴァンが剣を構える前に、シンクがその俊敏な動きで間合いを詰める。
その一見無謀とも見える行動に、ルークが叫んだ。

「…愚かな…そう簡単にやれるものか!」

ヴァンの剣が動き、その衝撃波があたりを薙ぎ払う。
シンクは間一髪のところで中空に身を躍らせ、それをかわしていた。

「空では身動きが取れまい」
「ちっ」

剣が振り下ろされようとするとき、ヴァンの懐に、ルークが飛び込んだ。
ヴァンはシンクへの攻撃を中断し、地面を蹴って後退する。

「…師匠。あなたが何を思って俺を作って、捨てたか…俺はわからない。もうあなたに必要とされなくてもいい。ただ、シンクを傷つけるのは許さない」
「ふ…随分と手懐けたものだな。やはり、レプリカはレプリカ同士、群れるのがいいか」
「ふん。いつまでその余裕が続くか…試してあげるよ!」

二人同時に、ヴァンに斬りかかる。
しかし、ヴァンは冷静にそれを見極め、攻撃をかわし時には攻めに転じる。
シンクとルークも、片方がヴァンを真っ向から迎え撃ち、もう片方が奇襲をかけるといったことも行うが、ヴァンに致命傷になるような傷は負わすことができなかった。

双方ともに決定的な一撃は与えられぬまま、彼らを乗せたタルタロスは地核へと到達した。

肩で息をしながらも、ルークはヴァンをきっと睨むようにして見つめる。
予想以上に長く続く攻防は、体力を奪っていた。
それはシンクも同じようで、つけていた仮面もどこかへ行ってしまっている。
しかし、ヴァンのほうは汗は滲み、わずかに息も乱れているものの、まだまだ余裕の表情は崩していなかった。
膠着状態となったその場に、新たな風が吹き込んだのはその時だった。

「兄さん!?」



☆戦闘って苦手です。
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