TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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「はぁ・・・・はっ・・・くそ・・・っ」
森の中、息を切らして走るユーリ。
思うようにいかない事態に悪態をつき、もしもの時にと決めていたジュディスとの落ち合い場所に向かう。
裏をかけない自分が悪いのか、こういうときだけ勘の鋭い友が悪いのか。
自分が悪いとはわかってはいるが、邪魔されるのが2度目ともなると、フレンを呪いたくなってくる。
そして、いやなことはもうひとつ。
「・・・またおっさんに借り作っちまった・・・!」
あのおっさん・・・もとい、裏にいる悪徳団長殿に借りを作るとろくなことがない。
いやというほどそれを体験させられたユーリは、後々のことを考えてため息をつく。
だが、過ぎてしまったことを悔やんでも仕方がない。
今はそれよりも逃げたキュモールを追うほうが先決だ。
「ジュディ!」
「あら、ユーリ。どうしたの?そんなに慌てて」
「どうしたもこうしたも・・・」
走って乱れた髪をいらだたしげにかきあげ、ジュディスを見る。
すると、彼女の様子がいつもと違うことに気づいた。
「そっちこそ、どうした?なにかあったのか?」
「え?」
「泣きそうな顔してるぜ?」
ユーリの言葉にジュディスは驚いた表情で返す。
そして、自分を落ち着かせるように息をついた。
「別にそんなつもりはないのだけれど・・・」
「無理するなよ。で、どうした?」
「バウルが・・・」
「バウルがどうした?」
ジュディスの視線の先を追うと、薄暗い森の中隠れるようにして地面に横たわるバウルの姿があった。
呼吸が荒く、普段は生気にあふれているその瞳はけだるげに細められている。
ユーリはバウルに駆け寄ると彼のそばに膝をついた。
「病気か?」
「いいえ・・・病気ではないのだけれど・・・。進化が始ってしまったの。」
「進化?」
ジュディスによると、バウルはまだまだ子どもの始祖の隷長であり、進化を経てエアルの調整を担うベリウスらのような始祖の隷長となるのだという。
それには少なからず痛みを伴う。
今は進化が始まったばかりであるから、まだ苦痛は少ないようだが、このままここにいることはバウルにとって危険でしかない。
何といってもここはすべての魔物を憎む魔狩りの剣の本拠地・・・ダングレストのそばだ。
見つかってしまう可能性は少なくない。
「まずいな・・・バウル・・・飛べそうか?」
「どう?バウル」
バウルは気だるそうにだが、一声鳴くとゆっくりとその身を起こした。
「なんとかいけそうだって。・・・でも、どこへ行く気?」
「ベリウスのとこだ」
「確かに、彼女のとこなら安全だけど・・・ここからじゃずいぶん遠いわ」
顔を曇らせるジュディスの肩を、ユーリは軽くたたく。
「けど、いくしかない」
「・・・そうね。そうするしかないわね」
「今のバウルに俺とジュディ二人乗るのは無理だな。ジュディは用心棒がてらバウルと一緒に行ってくれ。おれは船乗り継いでいく。」
「わかったわ」
決断してしまえば、あとは行動派の二人。
闇にまぎれることができるよう、バウルは夜を待ってからとびたち、ユーリもまたノードポリカへと急いだ。
逃してしまったキュモールが気にならないでもないが、あの状態のバウルとジュディスを放っておけはしない。
ユーリは思うようにならないいらだちを抑え、道のりを急いだ。
森の中、息を切らして走るユーリ。
思うようにいかない事態に悪態をつき、もしもの時にと決めていたジュディスとの落ち合い場所に向かう。
裏をかけない自分が悪いのか、こういうときだけ勘の鋭い友が悪いのか。
自分が悪いとはわかってはいるが、邪魔されるのが2度目ともなると、フレンを呪いたくなってくる。
そして、いやなことはもうひとつ。
「・・・またおっさんに借り作っちまった・・・!」
あのおっさん・・・もとい、裏にいる悪徳団長殿に借りを作るとろくなことがない。
いやというほどそれを体験させられたユーリは、後々のことを考えてため息をつく。
だが、過ぎてしまったことを悔やんでも仕方がない。
今はそれよりも逃げたキュモールを追うほうが先決だ。
「ジュディ!」
「あら、ユーリ。どうしたの?そんなに慌てて」
「どうしたもこうしたも・・・」
走って乱れた髪をいらだたしげにかきあげ、ジュディスを見る。
すると、彼女の様子がいつもと違うことに気づいた。
「そっちこそ、どうした?なにかあったのか?」
「え?」
「泣きそうな顔してるぜ?」
ユーリの言葉にジュディスは驚いた表情で返す。
そして、自分を落ち着かせるように息をついた。
「別にそんなつもりはないのだけれど・・・」
「無理するなよ。で、どうした?」
「バウルが・・・」
「バウルがどうした?」
ジュディスの視線の先を追うと、薄暗い森の中隠れるようにして地面に横たわるバウルの姿があった。
呼吸が荒く、普段は生気にあふれているその瞳はけだるげに細められている。
ユーリはバウルに駆け寄ると彼のそばに膝をついた。
「病気か?」
「いいえ・・・病気ではないのだけれど・・・。進化が始ってしまったの。」
「進化?」
ジュディスによると、バウルはまだまだ子どもの始祖の隷長であり、進化を経てエアルの調整を担うベリウスらのような始祖の隷長となるのだという。
それには少なからず痛みを伴う。
今は進化が始まったばかりであるから、まだ苦痛は少ないようだが、このままここにいることはバウルにとって危険でしかない。
何といってもここはすべての魔物を憎む魔狩りの剣の本拠地・・・ダングレストのそばだ。
見つかってしまう可能性は少なくない。
「まずいな・・・バウル・・・飛べそうか?」
「どう?バウル」
バウルは気だるそうにだが、一声鳴くとゆっくりとその身を起こした。
「なんとかいけそうだって。・・・でも、どこへ行く気?」
「ベリウスのとこだ」
「確かに、彼女のとこなら安全だけど・・・ここからじゃずいぶん遠いわ」
顔を曇らせるジュディスの肩を、ユーリは軽くたたく。
「けど、いくしかない」
「・・・そうね。そうするしかないわね」
「今のバウルに俺とジュディ二人乗るのは無理だな。ジュディは用心棒がてらバウルと一緒に行ってくれ。おれは船乗り継いでいく。」
「わかったわ」
決断してしまえば、あとは行動派の二人。
闇にまぎれることができるよう、バウルは夜を待ってからとびたち、ユーリもまたノードポリカへと急いだ。
逃してしまったキュモールが気にならないでもないが、あの状態のバウルとジュディスを放っておけはしない。
ユーリは思うようにならないいらだちを抑え、道のりを急いだ。
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