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TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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目が覚めると、まだ流れの中に在った。

「えっと…」

いまいち状況がつかめず、ルークはあたりを見回す。
自分の周りには何もなく、ただ一定方向に流れがあるだけ。

「これって・・・記憶粒子か?ってことは、どっかのセフィロトかな」

なんとなくだが、この場所がつかめたところで、今度は自分の姿を見下ろしてみた。
別になんら変わりはない様に見える。
しかし・・・

「げ、俺透けてる・・・?」

自分の目の前に手をかざしてみると、手の向こうに記憶粒子の流れが見える。
一瞬慌てたルークだったが、そういえば意識体だけを過去に送るとローレライが言っていたことを思い出し、落ち着いてもう一度辺りを見回した。
すると、記憶粒子の流れに乗って何かが落ちてくるのが見えた。
それが近づいてくるにつれ、人の形をしているのが見て取れた。

「あ・・・ヴァン・・・師匠」

戦いによってだろう。乱れた服装で傷ついたヴァンは瞳を閉じたままルークとすれ違って、更に地核の奥深くへと落ちていく。
その様子で、今が過去のどの辺なのか知ることができた。
徐々に遠ざかっていくヴァンの姿を、ルークは複雑な思いで見送った。

これから師匠はローレライを取り込み、やがて再び地上に戻るのだろう。
そして、利用されたモースが多くのレプリカを作り、被験者が死ぬ。
預言を読まされたイオンが死ぬ。
瘴気の中和のために多くのレプリカも死ぬ。
でも・・・

ルークは流されていく思考を振り払うように頭を振ると、無理やりにヴァンから視線を逸らした。

自分はこのときを変えるために戻ってきたわけではない。
たった一つの望み・・・あの瞬間を変えるためだけにここにいるのだ。

ルークは決意した瞳でヴァンが落ちていった方向と、逆の方向に目を向ける。
そして、記憶粒子の流れに逆らって地上へと向かった。




セフィロト部分に到達すると、過去の自分と仲間たちが出て行くところだった。
それを少し浮いたところから、不思議な面持ちで見つめた。
するとそのとき、一瞬ジェイドがこちらを振り返った。
あの赤い瞳で見つめられ、どきりとする。
そういえば、自分は今意識体だということは知っているが、他の人間に見えるのかまではわからない。
体が透けていたからてっきり見えないものだと思っていたが、まさか・・・見えるのだろうか。
そうなると、非常にまずい。
ルークは、内心冷汗をかきながら、ジェイドの動向を見守った。
目が合っている気がするが、怖くて逸らすことができない。

「…旦那、何やってるんだ?」
「…いえ、何でもありませんよ」

どうしようかとパニックになりかけたところで、天の助けとも思えるガイの一言。
そのおかげで、見つめあいの硬直状態が解消され、ジェイドがガイたちとともに去っていく。
その様子から、やはり自分は見えていなかったのだと、ほっと息をついた。

しかし、ここで新たな問題に気づく。

「・・・見えてねぇってことは、俺どうやってアッシュを助けりゃいいんだ?」

突き当たった一つの壁。
しかし、答えはおろか、助言をくれるものすらいない。

ルークは思わず頭を抱えた。

・・・旅はまだ始まったばかり。





☆未来ルークが飛ばされたのは、崩落編の終わりです。
 その後だとローレライはヴァンに捕まるから無理かなぁと。
 てか、最初からするのが面倒・・・
 ・・・ま、こんな感じですすめます。
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