TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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以前友人に送って、笑い死ぬかと思ったと怒られた、私のアビスゲーム画面。
そして、別友人からはアビスマンでストーリーをすすめていることが信じられないと言われました。
・・・だって、二周目だし。
二周目のメインはレプリカンティスとアビスマンですよね!?
と、いうわけで、画像はアビスマン+アッシュです。
アビスシルバーでなく、アッシュ。
結構自分で気に入ったので、まだ携帯データにとってあったので、せっかく(?)だしのせてみることにしました。
やっぱりアビスマンは良いですよ。
アレに慣れると、他の衣装が物足りなくなる(笑)
アビスマンの前はルークだとベルセルクとかタクティカルリーダー。
ガイはどれも好きだけど、スマートスタイルだったかな。
ジェイド・ティア・アニスはたいがい初期のままだったかも。
ナタリアは愛国姫。
アッシュは・・・シルバーで話を進めてみたりとかしてないですよ?(笑)
普通にアッシュです。
欲を言えば、オリジナルルークとかって衣装があったらよかったですよね・・・(腐)
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フェレス島。
廃墟と化したこの島を、ルークたちは歩いていた。
ユリアシティにて教えられた、大量に第七音素を消費するモノの正体を突き止めるためにここまできたのだが。
「あー、もう!!こんなごちゃごちゃしててわかるかってーの!!!」
…迷った。
かつての自分がイラだって叫ぶのを、ルークは懐かしい思いで見つめた。
ここの道は一回着たからわかるかと言われたら、答えは否。
こんなところ、わかるはずもない。
ジェイドがちらりとこちらを見るたび、さりげなく案内してあげたいのは山々だが、わからないのだからどうにもならない。
ルークは軽く肩をすくめて、ジェイドの後ろをついていくほかなかった。
「あー!!根暗ッタ!」
ようやく奥までたどり着いた時、目の前に現われたのは六神将の一人の少女。
それを険しい顔つきで睨むアニス。
険悪な雰囲気が流れる中、ルークは複雑な思いでそれを見つめた。
二人ともイオンのために闘おうとしている。
どちらが悪いと言うわけではないのに…。
むしろ悪いのは・・・二度もイオンを見殺しにした自分だ。
「あとで立会人から連絡が行く・・・です。アニスとの決着はそこでつける。アリエッタは、ここでは闘わない・・・です。」
「逃げる気!?」
「…ここでの相手はアリエッタじゃない・・・です」
アリエッタが魔物とともにこの場を立ち去る。
そのとき、自分たちの背後の大きな建物の扉が開いた。
何事かと目を向けると、そこには数十人はいるかというレプリカの神託の盾。
この出来事に、かつての自分たちはおろか、ルークも目をむいた。
なんだよ、これ…!?
溢れんばかりに出てきた神託の盾は、あっという間にルークたちを取り囲む。
知らない。
こんなことは知らない。
迷いなく向かってくる神託の盾に、戦闘体勢をとる仲間たち。
しかし、数に勝る神託の盾が徐々に包囲の輪を狭めていった。
取り囲むように迫られては逃げ場もなく、内に囲まれた者が圧倒的に不利。
ルークは戸惑い、仲間たちとレプリカたちとを見た。
しかし、状況は好転する様子もない。
ルークは決意したように視線を上げると、レプリカたちの包囲の輪を飛び越え、まずは建物の中を覗く。
もう、中に神託の盾はいないようだ。
それを確認して、ルークは地に降り立った。
手始めに目の前の神託の盾を殴って、剣を手に入れる。
そして、それを落ち着いた動作で構えた。
自分の体がかつてと違っていても
意識は変わらない。
剣を握る手も
地についた足も
空気の波も
感じるのはかつてと同じ。
戸惑うことなどない
ルークは軽く地を蹴ると、神託の盾に斬りかかった。
自分たちを取り囲む神託の盾の後ろのほうから、悲鳴やうめき声が聞こえ始め、『ルーク』は闘う手は止めないものの、意識をそちらに向けた。
他の仲間もそれに気づいたようで、また何か来るのかと、表情を険しくする。
しかし、それが何かわかっているジェイドは眉を寄せてため息をついた。
「こっちだ!」
神託の盾の包囲網が薄くなった箇所を、その声に導かれるようにして、集中攻撃し、ようやく建物の中に逃れた。
外に締め出された形になった神託の盾が扉を叩く音が聞こえていたが、幸いにも頑丈な扉はびくともしない。
ほっと息を吐いたところで、『ルーク』たちは助けてくれた人物を見た。
目に付いたのは長く赤い髪。
黒のパンツに白の上着。黒の外套をまとったその人物は、誰かに似ていた。
しかし、助けてくれたからといって安心はできない。
ここは敵の本拠地なのだから。
ガイは、警戒を怠らないながらも、その人物に話しかけた。
「とりあえず、助けてくれたことには礼を言う。だけど・・・あんたは何者だ?」
「……」
「……おーい、聞いてるのか?」
不信な目を向けられていると言うことはわかっていても、ルークは振り向けない。
とっさに手を貸してしまったけれど、ここからどうするかは考えてなかった。
建物内に入った瞬間に、精神体になってしまえばごまかすこともできたかもしれないが、しっかり姿も晒してしまっている。
ルークは内心、冷汗をかきながら、言葉を捜した。
「わ・・・悪いけど、ちょっと用があるから」
「ではせめて、お顔をみてお礼を言わせてくださいませんか?」
「いや、そんなのいいから」
「ですが・・・」
押し問答ばかりで進まない会話。
焦れたルークは突然脱兎のごとく駆け出した。
しかし、逃げれば追いたくなるのが心理と言うもの。
それが怪しい人物ならなおさら。
「いけ、ミュウ!」
「はいですの!」
その掛け声に、まずいと感じたが既に遅い。
強烈なミュウアタックを受け、ルークはその場に昏倒した。
意識を失ったルークを囲む仲間たちに、ジェイドだけが深々とため息をついたのだった。
*ちなみに、過去のルークが『ルーク』で、未来ルークがるーくです。
わかりにくくてすみません
廃墟と化したこの島を、ルークたちは歩いていた。
ユリアシティにて教えられた、大量に第七音素を消費するモノの正体を突き止めるためにここまできたのだが。
「あー、もう!!こんなごちゃごちゃしててわかるかってーの!!!」
…迷った。
かつての自分がイラだって叫ぶのを、ルークは懐かしい思いで見つめた。
ここの道は一回着たからわかるかと言われたら、答えは否。
こんなところ、わかるはずもない。
ジェイドがちらりとこちらを見るたび、さりげなく案内してあげたいのは山々だが、わからないのだからどうにもならない。
ルークは軽く肩をすくめて、ジェイドの後ろをついていくほかなかった。
「あー!!根暗ッタ!」
ようやく奥までたどり着いた時、目の前に現われたのは六神将の一人の少女。
それを険しい顔つきで睨むアニス。
険悪な雰囲気が流れる中、ルークは複雑な思いでそれを見つめた。
二人ともイオンのために闘おうとしている。
どちらが悪いと言うわけではないのに…。
むしろ悪いのは・・・二度もイオンを見殺しにした自分だ。
「あとで立会人から連絡が行く・・・です。アニスとの決着はそこでつける。アリエッタは、ここでは闘わない・・・です。」
「逃げる気!?」
「…ここでの相手はアリエッタじゃない・・・です」
アリエッタが魔物とともにこの場を立ち去る。
そのとき、自分たちの背後の大きな建物の扉が開いた。
何事かと目を向けると、そこには数十人はいるかというレプリカの神託の盾。
この出来事に、かつての自分たちはおろか、ルークも目をむいた。
なんだよ、これ…!?
溢れんばかりに出てきた神託の盾は、あっという間にルークたちを取り囲む。
知らない。
こんなことは知らない。
迷いなく向かってくる神託の盾に、戦闘体勢をとる仲間たち。
しかし、数に勝る神託の盾が徐々に包囲の輪を狭めていった。
取り囲むように迫られては逃げ場もなく、内に囲まれた者が圧倒的に不利。
ルークは戸惑い、仲間たちとレプリカたちとを見た。
しかし、状況は好転する様子もない。
ルークは決意したように視線を上げると、レプリカたちの包囲の輪を飛び越え、まずは建物の中を覗く。
もう、中に神託の盾はいないようだ。
それを確認して、ルークは地に降り立った。
手始めに目の前の神託の盾を殴って、剣を手に入れる。
そして、それを落ち着いた動作で構えた。
自分の体がかつてと違っていても
意識は変わらない。
剣を握る手も
地についた足も
空気の波も
感じるのはかつてと同じ。
戸惑うことなどない
ルークは軽く地を蹴ると、神託の盾に斬りかかった。
自分たちを取り囲む神託の盾の後ろのほうから、悲鳴やうめき声が聞こえ始め、『ルーク』は闘う手は止めないものの、意識をそちらに向けた。
他の仲間もそれに気づいたようで、また何か来るのかと、表情を険しくする。
しかし、それが何かわかっているジェイドは眉を寄せてため息をついた。
「こっちだ!」
神託の盾の包囲網が薄くなった箇所を、その声に導かれるようにして、集中攻撃し、ようやく建物の中に逃れた。
外に締め出された形になった神託の盾が扉を叩く音が聞こえていたが、幸いにも頑丈な扉はびくともしない。
ほっと息を吐いたところで、『ルーク』たちは助けてくれた人物を見た。
目に付いたのは長く赤い髪。
黒のパンツに白の上着。黒の外套をまとったその人物は、誰かに似ていた。
しかし、助けてくれたからといって安心はできない。
ここは敵の本拠地なのだから。
ガイは、警戒を怠らないながらも、その人物に話しかけた。
「とりあえず、助けてくれたことには礼を言う。だけど・・・あんたは何者だ?」
「……」
「……おーい、聞いてるのか?」
不信な目を向けられていると言うことはわかっていても、ルークは振り向けない。
とっさに手を貸してしまったけれど、ここからどうするかは考えてなかった。
建物内に入った瞬間に、精神体になってしまえばごまかすこともできたかもしれないが、しっかり姿も晒してしまっている。
ルークは内心、冷汗をかきながら、言葉を捜した。
「わ・・・悪いけど、ちょっと用があるから」
「ではせめて、お顔をみてお礼を言わせてくださいませんか?」
「いや、そんなのいいから」
「ですが・・・」
押し問答ばかりで進まない会話。
焦れたルークは突然脱兎のごとく駆け出した。
しかし、逃げれば追いたくなるのが心理と言うもの。
それが怪しい人物ならなおさら。
「いけ、ミュウ!」
「はいですの!」
その掛け声に、まずいと感じたが既に遅い。
強烈なミュウアタックを受け、ルークはその場に昏倒した。
意識を失ったルークを囲む仲間たちに、ジェイドだけが深々とため息をついたのだった。
*ちなみに、過去のルークが『ルーク』で、未来ルークがるーくです。
わかりにくくてすみません
「なぁ、シンク」
「何?」
「はいっても大丈夫かなぁ」
「…いつまでもここにいるわけにはいかないし。いいんじゃない?」
物陰に身を潜めてシンクとルークは門の内を伺っていた。
二人がいるのはマルクト首都、グランコクマの門の外。
あの出来事から既に一年。
二人は町で時折食材などを買いながら、旅をしてまわっていた。
人目を避けるように、小さな村で補給をし、大きな街には近寄らないようにはしていたのだが、なんとも間の悪いことにグランコクマ付近で水と食材がきれた。
徒歩での移動のため、ほかの街に行くには日数がかかりすぎるので、グランコクマで補給をするしかない。
しかし、ここはあの男…ジェイドがいる場所である。
できれば行きたくないのだが、こればかりは仕方ない。
せめて、日が傾くのを待って二人はグランコクマへと足を踏み入れた。
旅人の風除けマントに、目元をバイザーで隠したシンクと、マントは同じだが、この一年の間に長くのびた髪で目元を隠したルーク。
顔は隠れてはいても、彼らの色はとても人目をひいた。
すぐに補給をして、今日は野宿をしよう。
そう言って、走ったはずなのに・・・
人生はそう上手くはいかない。
それは、食材を揃えて店を出た、まさにその時だった。
目の前を走り抜けていく金髪に浅黒い肌の男。
その表情は妙に真剣で、男はルークと目が合った途端、食いつくように迫りよった。
「ネフリーを見なかったか!?」
「ね・・・ねふりー?」
「目がくりっとしてて、さわり心地がよくて、すごく愛らしい奴だ!」
「えっと・・・」
真剣な男には悪いが、はっきり言って知るわけがない。
「今までご飯も食べずに、どこかに行くことなんてなかったのに・・・。どこいったんだー俺のネフリー!」
「えっと・・・」
すぐにでもここを離れたいのは山々だが、目の前でこうも騒がれては離れることもできない。
ルークは助けを求めるようにシンクを見た。
しかし、シンクも呆れているばかりで何も言わない。
「えっとさ・・・とりあえず、一回家に帰ってみれば?もしかして帰ってきてるかもしれないし」
「そうか」
「そうそう」
ルークにしては上手いきり返し。
これでこの男が家に帰ってくれれば、自分たちはここを離れることができる。
しかし、ルークの願いとは裏腹に、男はしっかりとルークの腕をつかんで言った。
「じゃぁ、お前らも付き合え」
「はぁ!?」
「自分の言ったことには、責任を持つんだな。もし帰ってなかったら、お前らもネフリー捜索につきあえ」
「なにそれ!?」
「心配するな。礼ははずむぞ」
「そんな問題じゃ・・・」
そんな言い争いをしている間にも、ルークの手は男に引かれていく。
シンクも止めようとするが、これ以上人目についても困る。
シンクは忌々しげに舌打ちをすると、大人しく男のあとに続いた。
「まさか・・・」
「アンタの家って・・・」
「家かって言われると違うが、すんでるのはここだな」
呆然と見上げるシンクとルークに、男はあっけらかんとして言う。
「あ、お互い名乗ってもなかったな。俺は・・・」
「陛下!!」
「「・・・陛下?」」
「お、ガイラルディア」
思考回路が追いつかず、ぽかんとするルークをよそに、陛下と呼ばれた男は、声をかけてきた人物に目を向けた。
それにつられるようにして、ルークとシンクもそちらに目を向けたが、見た瞬間に激しい後悔に襲われた。
・・・やっぱりこんなところに来るんじゃなかった。
「どこ行ってたんですか。ネフリーはちゃんと戻ってきましたよ」
「お、流石は俺のネフリー」
「で、陛下。その二人は?」
「あ、こいつらは・・・」
そろそろと逃げる準備を進めていた二人に、男たちの目が向く。
薄暗い中でもわかる、鮮やかな赤と緑。
その色に、嫌というほど見覚えがあった。
「おまえら、まさか・・・」
「行くよ!」
「わかってる!」
シンクの言葉を合図に、二人は走り出す。
追おうにも、その速さは一瞬でも出遅れたらついていけるものではない。
逃げられる・・・!!
「“雷雲よ我が刃となりて敵を貫け…サンダー・ブレード”」
「なっ・・・」
「チッ」
目の前に打ちつけられた雷の刃に、二人は足を止めることを余儀なくされる。
そして、背後に近づいた気配に動きすらも奪われた。
「はい、お疲れ様です。大人しく御同行願いましょうか」
「おーい、ジェイド。乱暴はするなよ。俺の客だ」
「・・・はいはい。わかってますよ、陛下」
周りを取り囲むマルクト兵。
後ろにはジェイドに、なぜここにいるかはわからないが、ガイ。
そして・・・
「で、さっきの続きだが、俺はピオニー。望んだわけじゃねぇが、一応ここの皇帝だ」
・・・人は見かけによらない。
ルークはシンクと目を見合わせて、深々とため息をついた。
ちまっとあとがき
「何?」
「はいっても大丈夫かなぁ」
「…いつまでもここにいるわけにはいかないし。いいんじゃない?」
物陰に身を潜めてシンクとルークは門の内を伺っていた。
二人がいるのはマルクト首都、グランコクマの門の外。
あの出来事から既に一年。
二人は町で時折食材などを買いながら、旅をしてまわっていた。
人目を避けるように、小さな村で補給をし、大きな街には近寄らないようにはしていたのだが、なんとも間の悪いことにグランコクマ付近で水と食材がきれた。
徒歩での移動のため、ほかの街に行くには日数がかかりすぎるので、グランコクマで補給をするしかない。
しかし、ここはあの男…ジェイドがいる場所である。
できれば行きたくないのだが、こればかりは仕方ない。
せめて、日が傾くのを待って二人はグランコクマへと足を踏み入れた。
旅人の風除けマントに、目元をバイザーで隠したシンクと、マントは同じだが、この一年の間に長くのびた髪で目元を隠したルーク。
顔は隠れてはいても、彼らの色はとても人目をひいた。
すぐに補給をして、今日は野宿をしよう。
そう言って、走ったはずなのに・・・
人生はそう上手くはいかない。
それは、食材を揃えて店を出た、まさにその時だった。
目の前を走り抜けていく金髪に浅黒い肌の男。
その表情は妙に真剣で、男はルークと目が合った途端、食いつくように迫りよった。
「ネフリーを見なかったか!?」
「ね・・・ねふりー?」
「目がくりっとしてて、さわり心地がよくて、すごく愛らしい奴だ!」
「えっと・・・」
真剣な男には悪いが、はっきり言って知るわけがない。
「今までご飯も食べずに、どこかに行くことなんてなかったのに・・・。どこいったんだー俺のネフリー!」
「えっと・・・」
すぐにでもここを離れたいのは山々だが、目の前でこうも騒がれては離れることもできない。
ルークは助けを求めるようにシンクを見た。
しかし、シンクも呆れているばかりで何も言わない。
「えっとさ・・・とりあえず、一回家に帰ってみれば?もしかして帰ってきてるかもしれないし」
「そうか」
「そうそう」
ルークにしては上手いきり返し。
これでこの男が家に帰ってくれれば、自分たちはここを離れることができる。
しかし、ルークの願いとは裏腹に、男はしっかりとルークの腕をつかんで言った。
「じゃぁ、お前らも付き合え」
「はぁ!?」
「自分の言ったことには、責任を持つんだな。もし帰ってなかったら、お前らもネフリー捜索につきあえ」
「なにそれ!?」
「心配するな。礼ははずむぞ」
「そんな問題じゃ・・・」
そんな言い争いをしている間にも、ルークの手は男に引かれていく。
シンクも止めようとするが、これ以上人目についても困る。
シンクは忌々しげに舌打ちをすると、大人しく男のあとに続いた。
「まさか・・・」
「アンタの家って・・・」
「家かって言われると違うが、すんでるのはここだな」
呆然と見上げるシンクとルークに、男はあっけらかんとして言う。
「あ、お互い名乗ってもなかったな。俺は・・・」
「陛下!!」
「「・・・陛下?」」
「お、ガイラルディア」
思考回路が追いつかず、ぽかんとするルークをよそに、陛下と呼ばれた男は、声をかけてきた人物に目を向けた。
それにつられるようにして、ルークとシンクもそちらに目を向けたが、見た瞬間に激しい後悔に襲われた。
・・・やっぱりこんなところに来るんじゃなかった。
「どこ行ってたんですか。ネフリーはちゃんと戻ってきましたよ」
「お、流石は俺のネフリー」
「で、陛下。その二人は?」
「あ、こいつらは・・・」
そろそろと逃げる準備を進めていた二人に、男たちの目が向く。
薄暗い中でもわかる、鮮やかな赤と緑。
その色に、嫌というほど見覚えがあった。
「おまえら、まさか・・・」
「行くよ!」
「わかってる!」
シンクの言葉を合図に、二人は走り出す。
追おうにも、その速さは一瞬でも出遅れたらついていけるものではない。
逃げられる・・・!!
「“雷雲よ我が刃となりて敵を貫け…サンダー・ブレード”」
「なっ・・・」
「チッ」
目の前に打ちつけられた雷の刃に、二人は足を止めることを余儀なくされる。
そして、背後に近づいた気配に動きすらも奪われた。
「はい、お疲れ様です。大人しく御同行願いましょうか」
「おーい、ジェイド。乱暴はするなよ。俺の客だ」
「・・・はいはい。わかってますよ、陛下」
周りを取り囲むマルクト兵。
後ろにはジェイドに、なぜここにいるかはわからないが、ガイ。
そして・・・
「で、さっきの続きだが、俺はピオニー。望んだわけじゃねぇが、一応ここの皇帝だ」
・・・人は見かけによらない。
ルークはシンクと目を見合わせて、深々とため息をついた。
ちまっとあとがき
ケテルブルグでの朝。
さわやかな朝の日差しを感じ、ルークは瞳を開けた。
しかし、真っ先に目に映ったのは明るい日差しでもなく、ただの天井でもなく、赤い目。
思わず叫びそうになったルークの口を、大きな手がふさいだ。
「静かにしてくださいね。誰かに見られては大変ですから」
あんたが驚かしたんだろ、と言いたくても、ルークの口はふさがれている。
ルークは恨みがましい視線でジェイドを見た。
しかし、ジェイドはそんなことは軽く受け流し、もう用はないとばかりに、あっさりとルークの側から離れた。
やけにあっさりと解放されたのはいいが、何で朝っぱらからあの状態だったのか理解できないルークはジェイドを見つめる。
「…で、なんなんだよ朝っぱらから」
「いえ、ちょっと調べごとを」
「だから、何だって」
「まぁ、左耳を何かで抑えて待ってなさい」
ルークがじっと見つめる横で、ジェイドは音機関を取り出して何やら行っている。
それが何を行っているのかは、ルークにはわからない。
ひとまず、大人しく言われたとおりに耳に手をやる。
すると、何か指先に感じる違和感と、耳たぶに軽く走る痛み。
再び視線の先に指を戻すと、指の先にほんの少しだがついているのは、自分の血液。
あ、俺って血が出るんだ。
妙なところで感動をおぼえていると、ジェイドからタオルが投げられた。
「あ、ありがと」
傷をつけたのはおそらくジェイドだが、とりあえず気遣ってくれたみたいだから礼を言っておく。
ジェイドはそれには答えず、しばらくしてようやく音機関から目を離した。
「今のあなたは完全に第七音素そのものですね」
「え?」
「振動数はこっちのルークも同じですが、あなたは血液も全て第七音素だ」
「えっと・・・要するに?」
「あなたはヒトではないということですよ」
生物が食物を摂って生きている以上、いくらレプリカでも全ての音素が一つではない。血中の音素は複数の音素が交じり合い、存在しているはずである。それがたった一つで構成されるとすれば、それは一言で言えばヒトではないものとなる。
ジェイドの言葉は、意外にもすんなりとルークの中に入ってきた。
おそらく、なんとなくわかっていたからだろう。
ローレライに過去に送ってもらい、自分が透けていると気づいたときに。
だから、血が流れる自分にも驚いた。
でも・・・わかっていても、ジェイドに言われて少し寂しかった。
それが顔に出ていたのだろうか。
ジェイドが一つため息をつき、口を開いた。
「別に、ヒトでなくてもあなたはあなたですよ。何も変わりはしない。むしろ、ヒトではないからこそ、ヒトのしがらみに囚われず望むことができる」
「・・・あんたがそういうこと言うとか・・・雨降りそう」
「どこぞの子どもが手間ばっかかけてくれますからねぇ」
「う・・・ごめん」
「この場では不適切な言葉ですね」
ジェイドの言葉に目を丸くしたルークだったが、次の瞬間には満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう」
ジェイドは軽く肩をすくめて、すぐに背を向けて部屋を出るために歩き出す。
それがジェイドの照れ隠しなのだとかつての旅の間で知っているルークは、湧き上がる笑みを隠し切れないまま、精神体となってジェイドの後を追った。
さわやかな朝の日差しを感じ、ルークは瞳を開けた。
しかし、真っ先に目に映ったのは明るい日差しでもなく、ただの天井でもなく、赤い目。
思わず叫びそうになったルークの口を、大きな手がふさいだ。
「静かにしてくださいね。誰かに見られては大変ですから」
あんたが驚かしたんだろ、と言いたくても、ルークの口はふさがれている。
ルークは恨みがましい視線でジェイドを見た。
しかし、ジェイドはそんなことは軽く受け流し、もう用はないとばかりに、あっさりとルークの側から離れた。
やけにあっさりと解放されたのはいいが、何で朝っぱらからあの状態だったのか理解できないルークはジェイドを見つめる。
「…で、なんなんだよ朝っぱらから」
「いえ、ちょっと調べごとを」
「だから、何だって」
「まぁ、左耳を何かで抑えて待ってなさい」
ルークがじっと見つめる横で、ジェイドは音機関を取り出して何やら行っている。
それが何を行っているのかは、ルークにはわからない。
ひとまず、大人しく言われたとおりに耳に手をやる。
すると、何か指先に感じる違和感と、耳たぶに軽く走る痛み。
再び視線の先に指を戻すと、指の先にほんの少しだがついているのは、自分の血液。
あ、俺って血が出るんだ。
妙なところで感動をおぼえていると、ジェイドからタオルが投げられた。
「あ、ありがと」
傷をつけたのはおそらくジェイドだが、とりあえず気遣ってくれたみたいだから礼を言っておく。
ジェイドはそれには答えず、しばらくしてようやく音機関から目を離した。
「今のあなたは完全に第七音素そのものですね」
「え?」
「振動数はこっちのルークも同じですが、あなたは血液も全て第七音素だ」
「えっと・・・要するに?」
「あなたはヒトではないということですよ」
生物が食物を摂って生きている以上、いくらレプリカでも全ての音素が一つではない。血中の音素は複数の音素が交じり合い、存在しているはずである。それがたった一つで構成されるとすれば、それは一言で言えばヒトではないものとなる。
ジェイドの言葉は、意外にもすんなりとルークの中に入ってきた。
おそらく、なんとなくわかっていたからだろう。
ローレライに過去に送ってもらい、自分が透けていると気づいたときに。
だから、血が流れる自分にも驚いた。
でも・・・わかっていても、ジェイドに言われて少し寂しかった。
それが顔に出ていたのだろうか。
ジェイドが一つため息をつき、口を開いた。
「別に、ヒトでなくてもあなたはあなたですよ。何も変わりはしない。むしろ、ヒトではないからこそ、ヒトのしがらみに囚われず望むことができる」
「・・・あんたがそういうこと言うとか・・・雨降りそう」
「どこぞの子どもが手間ばっかかけてくれますからねぇ」
「う・・・ごめん」
「この場では不適切な言葉ですね」
ジェイドの言葉に目を丸くしたルークだったが、次の瞬間には満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう」
ジェイドは軽く肩をすくめて、すぐに背を向けて部屋を出るために歩き出す。
それがジェイドの照れ隠しなのだとかつての旅の間で知っているルークは、湧き上がる笑みを隠し切れないまま、精神体となってジェイドの後を追った。
アッシュに会ったあと、ルークたちはその日はケテルブルグに宿泊することになった。
皆がホテルの中に入っていくのを見て、ルークはどうしようかと悩んでいると、ジェイドがルークを振り返った。
気味の悪いくらいの満面の笑みで手招きされる。
ルークはその姿に一抹の不安を感じながらも、逃げたら何をされるかわかったものではないので、大人しくジェイドのあとに従った。
ケテルブルグの高級ホテルは個室。
他に聞かれることがないため、安心して話ができる。
だからこそ、ジェイドは鍵を閉めるとルークに実体化するようにいった。
ルークは少し不安を感じながらも、鍵もついているし他に見られる心配もないだろうと、実体化する。
久しぶりに重力が体にかかる。
ルークは体に感じる違和感を拭おうと、軽く手足を動かした。
そのままストレッチまで始めそうなルークに、ジェイドは言葉をかける。
「いやぁ、知りませんでしたよ。まさかあなたが、アッシュのためにわざわざ時間を遡ってくるほどアッシュが好きだったとはねぇ」
「え!?なんでそれ・・・!?」
ジェイドの思いもしない言葉に、ルークは慌てて彼を見上げた。
しかし、見上げた瞬間、彼の意地悪げな笑みとぶつかり、ルークは謀られたのだと悟る。
「あんた…いっつもいっつも卑怯だぞ!」
「おや、謀られたとわかるだけの知恵はつけたんですねぇ」
「話しそらしてんじゃねぇ!」
「おや、これは失礼」
どんなに怒鳴られようとも、ジェイドはけろっとしている。
ルークは怒鳴っている自分が馬鹿らしくなって、ぐったりと力尽きた。
「・・・なんでわかったんだよ」
「あなたが今言ったからですねぇ」
「・・・・・・じゃなくて、何でそう思ったんだよ」
「それは、ロニール雪山であんなの見せられたら、普通誰でも予想はつきますよ」
ジェイドの言葉に、ルークは自分のうかつさを呪った。
アッシュに会えた嬉しさで我を忘れていた。
完全に自分の落ち度だ。
仕方ない。こうなったら開き直るしかない。
ルークはじっとジェイドを見つめる。
「で、俺の目的がそうなら・・・どうなんだよ」
「別に、どうも」
「・・・は?」
ルークに見つめられたジェイドは眼鏡の位置を戻しながらあっさりと答える。
それに拍子抜けしたのはルークのほうだ。
てっきりねちねちと何か言われるだろうと身構えていたのに、何も言われなかったので、ぽかんとした表情でジェイドを見る。
ルークのその間の抜けた表情を見て、ジェイドは説明の必要性を感じてため息をつく。
「あなたがアッシュの今後のみに執着しているのなら、それ以外はあなたの世界ではうまくいったという事でしょう。過去を大きく変えなければならないと言うのならば、あなただけには任せておけませんから、介入させてもらおうかと思いましたが、アッシュに関わることだけならあなただけでも問題ないでしょう」
「で、でもさ・・・他の奴を犠牲にしてアッシュだけ・・・なんて虫がいい話だ、とか思わないのか?」
「・・・あなたの決意は他人がどうこう言うことに左右される程度のものですか?」
「それは違う」
「なら、別に構わないでしょう」
ジェイドはそう言うが、ルークはまだ苦しげに俯く。
ジェイドはその様子を見て再びため息をついた。
目的が定まるとすさまじいまでの行動力を見せるくせに、時折こうして落ち込み卑屈になるのはこの子どもの悪いところだ。
「確かに、今まで多くの人間が死にました。しかし、それがあったからこそ今まで進めたこともあったでしょう。犠牲があっても、それは無駄ではない」
「ん・・・そうかな・・・?」
「まぁ、こういう考えも生き残ったもののエゴかもしれませんがね」
「うん・・・ジェイド、ありがとう」
完全に悩みは拭い去れないものの、微笑を浮かべたルークに、ジェイドは妙に素直で気持ち悪いですねぇ、と憎まれ口で返す。
ガイあたりが見たら、旦那はルークに甘くなったとかなんとか言われそうだが、今は二人だけしかいない。
その日、ルークは柔らかなソファに横になり、眠った。
☆・・・ジェ・・・ジェイルク?
・・・ま、いいや(ぇ)
皆がホテルの中に入っていくのを見て、ルークはどうしようかと悩んでいると、ジェイドがルークを振り返った。
気味の悪いくらいの満面の笑みで手招きされる。
ルークはその姿に一抹の不安を感じながらも、逃げたら何をされるかわかったものではないので、大人しくジェイドのあとに従った。
ケテルブルグの高級ホテルは個室。
他に聞かれることがないため、安心して話ができる。
だからこそ、ジェイドは鍵を閉めるとルークに実体化するようにいった。
ルークは少し不安を感じながらも、鍵もついているし他に見られる心配もないだろうと、実体化する。
久しぶりに重力が体にかかる。
ルークは体に感じる違和感を拭おうと、軽く手足を動かした。
そのままストレッチまで始めそうなルークに、ジェイドは言葉をかける。
「いやぁ、知りませんでしたよ。まさかあなたが、アッシュのためにわざわざ時間を遡ってくるほどアッシュが好きだったとはねぇ」
「え!?なんでそれ・・・!?」
ジェイドの思いもしない言葉に、ルークは慌てて彼を見上げた。
しかし、見上げた瞬間、彼の意地悪げな笑みとぶつかり、ルークは謀られたのだと悟る。
「あんた…いっつもいっつも卑怯だぞ!」
「おや、謀られたとわかるだけの知恵はつけたんですねぇ」
「話しそらしてんじゃねぇ!」
「おや、これは失礼」
どんなに怒鳴られようとも、ジェイドはけろっとしている。
ルークは怒鳴っている自分が馬鹿らしくなって、ぐったりと力尽きた。
「・・・なんでわかったんだよ」
「あなたが今言ったからですねぇ」
「・・・・・・じゃなくて、何でそう思ったんだよ」
「それは、ロニール雪山であんなの見せられたら、普通誰でも予想はつきますよ」
ジェイドの言葉に、ルークは自分のうかつさを呪った。
アッシュに会えた嬉しさで我を忘れていた。
完全に自分の落ち度だ。
仕方ない。こうなったら開き直るしかない。
ルークはじっとジェイドを見つめる。
「で、俺の目的がそうなら・・・どうなんだよ」
「別に、どうも」
「・・・は?」
ルークに見つめられたジェイドは眼鏡の位置を戻しながらあっさりと答える。
それに拍子抜けしたのはルークのほうだ。
てっきりねちねちと何か言われるだろうと身構えていたのに、何も言われなかったので、ぽかんとした表情でジェイドを見る。
ルークのその間の抜けた表情を見て、ジェイドは説明の必要性を感じてため息をつく。
「あなたがアッシュの今後のみに執着しているのなら、それ以外はあなたの世界ではうまくいったという事でしょう。過去を大きく変えなければならないと言うのならば、あなただけには任せておけませんから、介入させてもらおうかと思いましたが、アッシュに関わることだけならあなただけでも問題ないでしょう」
「で、でもさ・・・他の奴を犠牲にしてアッシュだけ・・・なんて虫がいい話だ、とか思わないのか?」
「・・・あなたの決意は他人がどうこう言うことに左右される程度のものですか?」
「それは違う」
「なら、別に構わないでしょう」
ジェイドはそう言うが、ルークはまだ苦しげに俯く。
ジェイドはその様子を見て再びため息をついた。
目的が定まるとすさまじいまでの行動力を見せるくせに、時折こうして落ち込み卑屈になるのはこの子どもの悪いところだ。
「確かに、今まで多くの人間が死にました。しかし、それがあったからこそ今まで進めたこともあったでしょう。犠牲があっても、それは無駄ではない」
「ん・・・そうかな・・・?」
「まぁ、こういう考えも生き残ったもののエゴかもしれませんがね」
「うん・・・ジェイド、ありがとう」
完全に悩みは拭い去れないものの、微笑を浮かべたルークに、ジェイドは妙に素直で気持ち悪いですねぇ、と憎まれ口で返す。
ガイあたりが見たら、旦那はルークに甘くなったとかなんとか言われそうだが、今は二人だけしかいない。
その日、ルークは柔らかなソファに横になり、眠った。
☆・・・ジェ・・・ジェイルク?
・・・ま、いいや(ぇ)