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TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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盗まれた水道魔導器をもったやつらが、ここに逃げ込んでいるかも・・・という情報を得てやってきたが、そこにいたのは紅の絆傭兵団ではなく、魔狩りの剣のメンバー。
そして、奥に進んでいった先に見たのは、探し求めた魔導器ではなく、もっと別のもの。

「うわぁ!!これ・・・魔物!?こんなおっきいの見たことないよ!!」

おびえて後ろに下がるカロル。
その前に進み出たフレンは、その存在を冷静に眺めた。

「あれは・・・?」
「あれはあの魔物を封じ込めるために使われてる封印魔導器ね。あのこはアイツを捕まえるためだけに使われてる。ちょっとやそっとじゃびくともしないわ」
「では、あの魔導器がある限り、あの魔物が暴れることはないんですね」
「たぶんね」

ひとまず、ほっとした一同だったが、暴れないからと言ってここに長くいたいものではない。
出口のほうまで逃げているカロルが、声をかける。

「みんな・・・早く帰ろうよ~。」
「そうですね。ここには下町の魔導器はなさそうですし。エステリーゼ様、戻りましょう」

フレンがエステルを促して外へ出ようとしたとき、急に足が止まった。
いや、止めざるを得なかった。

突然あふれ出したエアル。
とてつもない濃い濃度のそれはかよわき人間という存在を蝕むには十分すぎる量だった。

なすすべもなく、その場に膝をつく。
上を見ると、魔導器に詳しくないものでも一目見たらその異常さがわかるだろう、怪しい光を放つ魔導器の姿。

「なによ・・・あの子・・・過剰にエアルを放出してる・・・?とめないと・・・」

リタが魔導器のほうへ向かおうとするが、思うように動くことができない。
閉じ込められている魔物も、暴れだし、地面が揺れる。

エアルにむしばまれてこのまま目覚めなくなるのが先か
魔導器を破壊した魔物に殺されるのが先か



せめて・・・エステリーゼ様だけでも・・・っ!!



そん時、頭上を通り抜けたのは突風。
何が起こったかわからぬ者らに降り注ぐ魔導器のかけら。

異常なエアルからは解放されたが、依然濃いエアルが漂い、体は思うように動かず。
反面、自由を取り戻した魔物が起こす地響き。
背に冷たい汗が流れる。


あの魔物に挑んで勝てる見込みなどない。


だが、魔物の興味はフレンたちには一切向けられず。
その瞳はまっすぐ上を見つめていた。

その視線の先を追うと、いつからいたのか。
光が差し込むその先にす、と立つ一人の人間。
黒い髪、黒い服、逆光で顔は見えないが、まとう雰囲気は異質。


「人のあふれ返る世で、使命を果たすのは大変そうだな、グシオス」




グシオス?



誰に話しかけているのか。
戸惑うフレンをよそに、会話のような投げかけは続く。


「・・・まぁな。久々の世界を見て回ってたとこだ。・・・ん?あぁ、礼にはおよばねぇよ。俺が勝手にやったことだ。・・・あとは・・・そうだな。これもついでだ」

ふわりと、やわらかな風が頬をなでる。
心地よいそれに思わず瞳を閉じ・・・開いたときにはあれほど濃かったエアルは消え、残ったのは清浄とも思える空気。




「てめぇ!!何でこんなとこに居やがる!」

静寂を破るようにひびきわたった声。
ちょうどフレンたちがいる方とは反対側。
そこに、魔狩りの剣の面々がいた。
敵意をあらわに今にも飛びかかりそうな勢いのティソンに、黒衣の青年は軽く手を挙げる。

「よぉ」
「今日こそ決着付けやがれぇ!!!」
「今はそういう気分じゃねぇんだよ」
「てめぇの事情なんか知るかぁっ!」
「俺もお前の事情なんかしらねぇよ・・・っと」

とびかかってきたティソンをひらりとよけ、その腹に蹴りを入れる。
まるで人形のように飛ばされていくティソンをちらりと見やり、青年は身を翻し夜の闇に溶けた。



それが初めての出会い

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