TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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眩い光がおさまったあと、あとに残ったのは中央に倒れたふたりと、消えかけのマリーレプリカ。
彼女も約束を確認すると、空気に溶け込むようにはかなく散っていった。
取り戻された美しい空。
しかし、中央で倒れている二人が動かないことが、仲間たちを不安に駆り立てた。
「『ルーク』!!」
「アッシュ!!」
悲鳴にも似た声を上げて駆け寄ろうとすると、中央で倒れていた二人が動いた。
「あ・・・れ?俺・・・生きてる・・・?」
「『ルーク』!」
ティアが慌てて『ルーク』のもとに駆け寄る。
アッシュの元にはナタリアが。
その様子を、ルークは少しはなれた上空から眺めていた。
ルークの手にはまだ宝珠が握られている。
宝珠があの場に合ったままでは、いくらアッシュの超振動があっても、正気を消し去るのは負担がかかるとおもっての行動だったが、どうやらうまくいったようだ。
問題は、この宝珠をどうやって『ルーク』に渡すかだ。
ルークはそろそろと、『ルーク』に近づいていった。
「ティア・・・ごめん」
「馬鹿!・・・心配したのよ・・・」
「うん。ごめん」
「・・・ばか」
俯いたままティアと話しているかつての自分の背後に立ち、こっそりとその手に宝珠を置こうとしたとき・・・
なぜか目が合うはずのない人物と目が合った。
ルークの・・・いや、『ルーク』のすぐ隣にいたアッシュ。
その彼が驚きに目を見張って、ルークを凝視している。
見えているはずはないと思いながらも、慌てて『ルーク』の手に宝珠を置き、上空へと逃げる。
だが、アッシュの視線はルークを捉えて離さず、捉えようと手まで伸ばしてくる始末。
これには、流石にルークも焦る。
『何で!?何で見えてるんだよ!』
幸いにというべきか、見えていても触れるものではなかったらしく、アッシュに捕われることはなかったが、直後に怒声が響いた。
「貴様、何者だ!!」
「アッシュ?」
何もない中空を見つめ、険しい表情のまま声を上げるアッシュに、側のナタリアは戸惑ったような声を上げる。
それはガイたちも同じで、特に『ルーク』は突然自分の手に現われた宝珠との二重の驚きで、状況が把握しきれていない。
ただ一人、ジェイドだけが静かにその様子を眺めていた。
『何でいきなり・・・さっきの超振動のせいか?でも、『俺』には見えてないみたいだし・・・』
アッシュのほうを伺うと、ナタリアから心配そうな目で見られている。
まぁ、アレだけの大仕事あとに変なこと口走り始めたら、誰でも心配はするだろう。
見えるのは(ジェイドをのぞけば)アッシュだけ。
しかも、見えるだけで触れるわけじゃない。
しばらくアッシュとのにらみ合いを続けた後、ルークは決断した。
『・・・逃げよ』
それからの行動は早かった。
一目散にレムの塔を飛んで降りる。
アッシュも追いかけようとしている様子が視線の端で見えたが、いくらリフトを使っても、追いつけるわけもなく、見失うことは必至だ。
ルークの予想通り、アッシュはルークの姿を見失って、レムの塔入り口で立ち止まった。
アッシュを追いかけたのだろう。その後ろにはルークたちもいる。
ルークはその様子を物陰から見つめた。
これでアッシュが別行動になれば、自分はまた悠々と機をみて行動することが出来る。
だが、なかなか事は思ったようには行かないものだ。
「アッシュ、どうしたんだよ」
「・・・・・・」
「アッシュ!」
黙ったままのアッシュに、『ルーク』が声をかける。
しかし、アッシュは無言であたりを見回すだけで、反応を返さない。
焦れた『ルーク』がもう一度声をかけようとしたそのとき、アッシュが『ルーク』に声をかけた。
「・・・おい屑。」
「・・・何?」
「しばらく、俺もお前たちと行動を共にする。・・・いいな?」
「え!?」
その言葉に驚いたのは仲間たちだけではない。こっそり様子を伺っていたルークも驚き、焦る。
『何で!?ってか、やばい・・・!』
焦るルークとは裏腹に、『ルーク』は驚きながらも、嬉しそうに笑っている。
「じゃ、アッシュもこれから一緒だな!」
「頼もしいですわ!」
「なら、ココを出るぞ。いつまでもぐずぐずしてるわけにはいかねぇからな」
「うん!」
歩き始める一行を、ルークは呆然と見送る。
これからのことを思って、頭を抱えたくなるルークだった。
いい加減なレムの塔編終了です(ぁ)
そろそろ終わらせたいですが・・・終わりませんねぇ・・・
彼女も約束を確認すると、空気に溶け込むようにはかなく散っていった。
取り戻された美しい空。
しかし、中央で倒れている二人が動かないことが、仲間たちを不安に駆り立てた。
「『ルーク』!!」
「アッシュ!!」
悲鳴にも似た声を上げて駆け寄ろうとすると、中央で倒れていた二人が動いた。
「あ・・・れ?俺・・・生きてる・・・?」
「『ルーク』!」
ティアが慌てて『ルーク』のもとに駆け寄る。
アッシュの元にはナタリアが。
その様子を、ルークは少しはなれた上空から眺めていた。
ルークの手にはまだ宝珠が握られている。
宝珠があの場に合ったままでは、いくらアッシュの超振動があっても、正気を消し去るのは負担がかかるとおもっての行動だったが、どうやらうまくいったようだ。
問題は、この宝珠をどうやって『ルーク』に渡すかだ。
ルークはそろそろと、『ルーク』に近づいていった。
「ティア・・・ごめん」
「馬鹿!・・・心配したのよ・・・」
「うん。ごめん」
「・・・ばか」
俯いたままティアと話しているかつての自分の背後に立ち、こっそりとその手に宝珠を置こうとしたとき・・・
なぜか目が合うはずのない人物と目が合った。
ルークの・・・いや、『ルーク』のすぐ隣にいたアッシュ。
その彼が驚きに目を見張って、ルークを凝視している。
見えているはずはないと思いながらも、慌てて『ルーク』の手に宝珠を置き、上空へと逃げる。
だが、アッシュの視線はルークを捉えて離さず、捉えようと手まで伸ばしてくる始末。
これには、流石にルークも焦る。
『何で!?何で見えてるんだよ!』
幸いにというべきか、見えていても触れるものではなかったらしく、アッシュに捕われることはなかったが、直後に怒声が響いた。
「貴様、何者だ!!」
「アッシュ?」
何もない中空を見つめ、険しい表情のまま声を上げるアッシュに、側のナタリアは戸惑ったような声を上げる。
それはガイたちも同じで、特に『ルーク』は突然自分の手に現われた宝珠との二重の驚きで、状況が把握しきれていない。
ただ一人、ジェイドだけが静かにその様子を眺めていた。
『何でいきなり・・・さっきの超振動のせいか?でも、『俺』には見えてないみたいだし・・・』
アッシュのほうを伺うと、ナタリアから心配そうな目で見られている。
まぁ、アレだけの大仕事あとに変なこと口走り始めたら、誰でも心配はするだろう。
見えるのは(ジェイドをのぞけば)アッシュだけ。
しかも、見えるだけで触れるわけじゃない。
しばらくアッシュとのにらみ合いを続けた後、ルークは決断した。
『・・・逃げよ』
それからの行動は早かった。
一目散にレムの塔を飛んで降りる。
アッシュも追いかけようとしている様子が視線の端で見えたが、いくらリフトを使っても、追いつけるわけもなく、見失うことは必至だ。
ルークの予想通り、アッシュはルークの姿を見失って、レムの塔入り口で立ち止まった。
アッシュを追いかけたのだろう。その後ろにはルークたちもいる。
ルークはその様子を物陰から見つめた。
これでアッシュが別行動になれば、自分はまた悠々と機をみて行動することが出来る。
だが、なかなか事は思ったようには行かないものだ。
「アッシュ、どうしたんだよ」
「・・・・・・」
「アッシュ!」
黙ったままのアッシュに、『ルーク』が声をかける。
しかし、アッシュは無言であたりを見回すだけで、反応を返さない。
焦れた『ルーク』がもう一度声をかけようとしたそのとき、アッシュが『ルーク』に声をかけた。
「・・・おい屑。」
「・・・何?」
「しばらく、俺もお前たちと行動を共にする。・・・いいな?」
「え!?」
その言葉に驚いたのは仲間たちだけではない。こっそり様子を伺っていたルークも驚き、焦る。
『何で!?ってか、やばい・・・!』
焦るルークとは裏腹に、『ルーク』は驚きながらも、嬉しそうに笑っている。
「じゃ、アッシュもこれから一緒だな!」
「頼もしいですわ!」
「なら、ココを出るぞ。いつまでもぐずぐずしてるわけにはいかねぇからな」
「うん!」
歩き始める一行を、ルークは呆然と見送る。
これからのことを思って、頭を抱えたくなるルークだった。
いい加減なレムの塔編終了です(ぁ)
そろそろ終わらせたいですが・・・終わりませんねぇ・・・
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『…帰ってきたな』
リフトを用いて頂上まで上がってきた『ルーク』たちを、ルークは少し浮いた上空から見下ろした。
かつての自分の固い表情を、ルークは黙って見つめる。
この後おこるたった数分の出来事は、この世界の全てをになっている。
失敗は許されない。
ルークは自分の持つローレライの宝珠を固く握り締めた。
「まだいたのか。ここは俺がやるといっただろう、屑!」
「アッシュ!」
自分の意識の中に沈みかけていたルークは、突然の怒鳴り声に我に返った。
「さっさとここから消えろ!てめぇもレプリカだ。巻き込まれて消えるぞ」
「ここは俺がやる!アッシュこそ・・・」
言い合う二人を深刻な顔で見つめる仲間たち。
しかし、ルークは場違いながらそれを見て笑みをこぼした。
改めて聞いていると、アッシュは優しい。
自分は死のうとしているのに、憎んでるはずのレプリカを逃がそうとしている。
俺―レプリカ―に全部押し付けてもよかったのにな。
アッシュは絶対に人に押し付けたりしない。
自分の行いの責任は自分で果たす覚悟と自分の命をもってしても、物事をやりとおす覚悟。
王にふさわしい孤高の魂。
・・・だから、俺はお前だけには生きてほしいと思ったんだよ、アッシュ。
俺はレプリカで、お前と同じにはなれないけど
お前の魂を少しでも分け与えられて生まれてきたものだから
だから俺は今度こそお前を生かすよ。
・・・俺の命を懸けても。
見つめるルークの視線の先で、アッシュから剣を奪い取った『ルーク』が地面に剣を突き立てた。
「みんなの命を、俺に下さい!・・・・俺も・・・・消えるから!!」
「ルーク!!」
視界の端で飛び出そうとしたティアがガイに止められる。
それを見た『ルーク』がありがとうと呟いた。
皆が苦しげな顔で見つめる中、剣を中心に音素が渦を巻く。
時が来た
ルークが動く。
空を駆け、ジェイドの横を通り過ぎる。
『・・・止めないでくれよ、ジェイド』
声にならないメッセージは、確実にジェイドに伝わったようで、彼が少し驚いた表情を見せる。
それにルークは笑いかけると、『ルーク』の持つローレライの剣に手をかけた。
「何だ…?音素が散っていく…?」
『ルーク』とローレライの剣のおかげで集まっていた音素が急激に離れ始める。
「宝珠か・・・!宝珠の拡散能力が邪魔してやがるんだ。くそ・・・あの屑が宝珠を持っているのに気付かなかっただけか!」
アッシュがジェイドの拘束を振りほどいて、ルークのもとに走る。
ジェイドはそれには構わず、どこか驚いた表情のまま、ある一点を見つめていた。
宝珠を持ったルークがアッシュが来るのを笑顔で見つめたあと、す、と二人から離れる姿・・・。
そしてその一瞬の後に、あたりは眩いばかりの光に包まれた。
・・・相変わらず進まないorz
リフトを用いて頂上まで上がってきた『ルーク』たちを、ルークは少し浮いた上空から見下ろした。
かつての自分の固い表情を、ルークは黙って見つめる。
この後おこるたった数分の出来事は、この世界の全てをになっている。
失敗は許されない。
ルークは自分の持つローレライの宝珠を固く握り締めた。
「まだいたのか。ここは俺がやるといっただろう、屑!」
「アッシュ!」
自分の意識の中に沈みかけていたルークは、突然の怒鳴り声に我に返った。
「さっさとここから消えろ!てめぇもレプリカだ。巻き込まれて消えるぞ」
「ここは俺がやる!アッシュこそ・・・」
言い合う二人を深刻な顔で見つめる仲間たち。
しかし、ルークは場違いながらそれを見て笑みをこぼした。
改めて聞いていると、アッシュは優しい。
自分は死のうとしているのに、憎んでるはずのレプリカを逃がそうとしている。
俺―レプリカ―に全部押し付けてもよかったのにな。
アッシュは絶対に人に押し付けたりしない。
自分の行いの責任は自分で果たす覚悟と自分の命をもってしても、物事をやりとおす覚悟。
王にふさわしい孤高の魂。
・・・だから、俺はお前だけには生きてほしいと思ったんだよ、アッシュ。
俺はレプリカで、お前と同じにはなれないけど
お前の魂を少しでも分け与えられて生まれてきたものだから
だから俺は今度こそお前を生かすよ。
・・・俺の命を懸けても。
見つめるルークの視線の先で、アッシュから剣を奪い取った『ルーク』が地面に剣を突き立てた。
「みんなの命を、俺に下さい!・・・・俺も・・・・消えるから!!」
「ルーク!!」
視界の端で飛び出そうとしたティアがガイに止められる。
それを見た『ルーク』がありがとうと呟いた。
皆が苦しげな顔で見つめる中、剣を中心に音素が渦を巻く。
時が来た
ルークが動く。
空を駆け、ジェイドの横を通り過ぎる。
『・・・止めないでくれよ、ジェイド』
声にならないメッセージは、確実にジェイドに伝わったようで、彼が少し驚いた表情を見せる。
それにルークは笑いかけると、『ルーク』の持つローレライの剣に手をかけた。
「何だ…?音素が散っていく…?」
『ルーク』とローレライの剣のおかげで集まっていた音素が急激に離れ始める。
「宝珠か・・・!宝珠の拡散能力が邪魔してやがるんだ。くそ・・・あの屑が宝珠を持っているのに気付かなかっただけか!」
アッシュがジェイドの拘束を振りほどいて、ルークのもとに走る。
ジェイドはそれには構わず、どこか驚いた表情のまま、ある一点を見つめていた。
宝珠を持ったルークがアッシュが来るのを笑顔で見つめたあと、す、と二人から離れる姿・・・。
そしてその一瞬の後に、あたりは眩いばかりの光に包まれた。
・・・相変わらず進まないorz
ただいま私生活多忙につき、ブログから失踪中です。
このまま撤去と言うことは(おそらく)ないので、お越しくださっている方には申し訳ないですが、あたたかく見守って下さるととてもうれしいです。
こっからひとりごと
…さいきんは吸血鬼ものと戦国ものにはまりまして、そのうちアビスで吸血鬼を書いたり、某六爪流の奥州筆頭をジャンルに加えたりしたいかと思ったりしてますが…どうでしょう?(きくな)
てか、某六爪流筆頭好きな方いませんかー…私は大好きですぅ…筆頭とか兄貴とか日輪とか熱血とか…(何気主張)
このまま撤去と言うことは(おそらく)ないので、お越しくださっている方には申し訳ないですが、あたたかく見守って下さるととてもうれしいです。
こっからひとりごと
…さいきんは吸血鬼ものと戦国ものにはまりまして、そのうちアビスで吸血鬼を書いたり、某六爪流の奥州筆頭をジャンルに加えたりしたいかと思ったりしてますが…どうでしょう?(きくな)
てか、某六爪流筆頭好きな方いませんかー…私は大好きですぅ…筆頭とか兄貴とか日輪とか熱血とか…(何気主張)
「で、一体三カ国での話し合いってのはいつなのさ」
マルクトに半ば強制的に滞在させられて6日目。
毎日、朝食前のブウサギの散歩から初まり、ブウサギの散歩に終わる一日にいらだったシンクが、目の前で優雅に食事を行うピオニーを睨みつけながら尋ねた。
三カ国協議に行きたいわけではないのだが、これ以上ここにとどまるのも嫌になってきたらしい。
ルークのほうはガイやジェイド、ピオニーとも何気に仲良くやっているので、シンクほど苦痛に感じてはいないのだが、シンクが嫌そうなので、彼の言うことを止めはしない。
シンクの苛立ちは伝わっているのかいないのか・・・ピオニーはいつもの笑みを崩さずあっさりといった。
「心配しなくても、これを食べ終わったら行く。なんだ、シンク。そんなに行きたかったのか?」
「別にそういうわけじゃな・・・」
相変わらずの人をからかっているような態度のピオニーに対して苛立ちながら反論しようとしていたシンクが、言葉を中途半端なところでとめて固まった。
そして、今聞いた言葉が信じられないというような様子で、ピオニーを見つめた。
それは横で聞いていたルークも同じことで、口までもっていきかけたフォークをそのままに、目を丸くしてピオニーを見つめている。
「どうした、間抜けな顔して」
「あの・・・ピオニー陛下」
「何だ?」
「今、食事に終わったら会議に行くって言いました?」
「そう言っただろ?」
「冗談じゃ・・・」
「ない」
明らかに自分たちの反応を見て楽しんでいる様子のピオニーを見て、驚いて固まっていたシンクがわなわなと震え始める。
その様子をルークは「シンクってここ来てから短気になったなぁ」などと人事のように見ていた。
それを見かねたのは一番の苦労性だといっていい伯爵様。
申し訳なさそうに苦笑を浮かべて頭を掻きながら、シンクとルークに話しかける。
「いや、悪かった。延期になるやら何やらでごたごたしてて・・・」
「それで最近決まった挙句に、このマルクト皇帝陛下から口止めでもされたんでしょ」
「あー・・・・・・・ははは・・・」
断定口調で言うシンクに、曖昧に笑って返すガイ。
その反応が暗に肯定を示しているのは誰の眼から見ても明らかだ。
「まぁ、そう怒るなシンク。楽しめただろ?」
「全く」
「そうか、それはよかった。そんじゃ、これからアルビオールで向かうわけだが、お前らにはこれを着てもらう。・・・ジェイド」
「はいはい」
ジェイドがおもむろにルークとシンクに手渡したのは何の変哲もない、マルクと軍の軍服。もちろん、あの顔も隠せる兜つきだ。
「これ着て行くのか?」
「そう。まだほかのやつらはお前らが見つかったと知らないからな。今でも必死に探してるだろ。そこでいきなり顔見せてやれ。驚くぞ」
「「・・・・・・」」
ピオニー陛下の生き生きした表情。
ルースとシンクはお互いの顔を見合わせて深々とため息をついた。
そして、再確認したのだ。
陛下とはこのような人間なのだと。
怒るのも馬鹿らしくなったシンクは、もう全てを無視し、我慢して早く終わらせることを決意たのだった。
・・・陛下のキャラが違う気がします
マルクトに半ば強制的に滞在させられて6日目。
毎日、朝食前のブウサギの散歩から初まり、ブウサギの散歩に終わる一日にいらだったシンクが、目の前で優雅に食事を行うピオニーを睨みつけながら尋ねた。
三カ国協議に行きたいわけではないのだが、これ以上ここにとどまるのも嫌になってきたらしい。
ルークのほうはガイやジェイド、ピオニーとも何気に仲良くやっているので、シンクほど苦痛に感じてはいないのだが、シンクが嫌そうなので、彼の言うことを止めはしない。
シンクの苛立ちは伝わっているのかいないのか・・・ピオニーはいつもの笑みを崩さずあっさりといった。
「心配しなくても、これを食べ終わったら行く。なんだ、シンク。そんなに行きたかったのか?」
「別にそういうわけじゃな・・・」
相変わらずの人をからかっているような態度のピオニーに対して苛立ちながら反論しようとしていたシンクが、言葉を中途半端なところでとめて固まった。
そして、今聞いた言葉が信じられないというような様子で、ピオニーを見つめた。
それは横で聞いていたルークも同じことで、口までもっていきかけたフォークをそのままに、目を丸くしてピオニーを見つめている。
「どうした、間抜けな顔して」
「あの・・・ピオニー陛下」
「何だ?」
「今、食事に終わったら会議に行くって言いました?」
「そう言っただろ?」
「冗談じゃ・・・」
「ない」
明らかに自分たちの反応を見て楽しんでいる様子のピオニーを見て、驚いて固まっていたシンクがわなわなと震え始める。
その様子をルークは「シンクってここ来てから短気になったなぁ」などと人事のように見ていた。
それを見かねたのは一番の苦労性だといっていい伯爵様。
申し訳なさそうに苦笑を浮かべて頭を掻きながら、シンクとルークに話しかける。
「いや、悪かった。延期になるやら何やらでごたごたしてて・・・」
「それで最近決まった挙句に、このマルクト皇帝陛下から口止めでもされたんでしょ」
「あー・・・・・・・ははは・・・」
断定口調で言うシンクに、曖昧に笑って返すガイ。
その反応が暗に肯定を示しているのは誰の眼から見ても明らかだ。
「まぁ、そう怒るなシンク。楽しめただろ?」
「全く」
「そうか、それはよかった。そんじゃ、これからアルビオールで向かうわけだが、お前らにはこれを着てもらう。・・・ジェイド」
「はいはい」
ジェイドがおもむろにルークとシンクに手渡したのは何の変哲もない、マルクと軍の軍服。もちろん、あの顔も隠せる兜つきだ。
「これ着て行くのか?」
「そう。まだほかのやつらはお前らが見つかったと知らないからな。今でも必死に探してるだろ。そこでいきなり顔見せてやれ。驚くぞ」
「「・・・・・・」」
ピオニー陛下の生き生きした表情。
ルースとシンクはお互いの顔を見合わせて深々とため息をついた。
そして、再確認したのだ。
陛下とはこのような人間なのだと。
怒るのも馬鹿らしくなったシンクは、もう全てを無視し、我慢して早く終わらせることを決意たのだった。
・・・陛下のキャラが違う気がします
急ぐ必要はない。
心残りのないように…
たとえ心変わりして姿を消したとしても、探して追いかけるようなことはしない。
そんなこと言われたって、逃げられるわけないじゃないか。
障気にみんな苦しんでる。
俺かアッシュしかどうにかできないなら、どちらかがどうにかするしかない。
なら…俺はアッシュに生きていてほしいと思うんだ。
オリジナルだからとか、ナタリアのためだとか、アッシュへの引け目だとか…それは全くない訳じゃない。
でも、そんなことじゃなくて…
俺がアッシュに生きていてほしいと思うんだ。
何でそんな風に思うのかわからないけど…
ガイたちに感じる気持ちとも父上や母上たちに感じる気持ちとも違う。
…うまく伝えられないけど、たぶんアッシュのことが好きなんだなって思う。
屑とかしかいわれないし、会う度顔しかめられるし…アッシュにとっては俺なんて目障りな存在でしかないんだなって思うけど、これで俺が消えたら…
アッシュは俺のこと忘れないだろ?
こんなこと言ったらまた怒られるかな。
「『ルーク』…」
悲しげな声でティアが『ルーク』の名を呼ぶ。
それに『ルーク』が泣きそうな笑顔を向けると、ティアも顔をゆがめ、それを堪えるように彼女は俯いた。
ガイも厳しい顔つきのまま軽く俯いているし、アニスとナタリアもすっかり落ち込んでいる。
唯一、ジェイドのみがいつもの涼しげな表情を崩してはいなかった。
しかし、そんな表情をしていても、実は彼がいらついているのが長く旅している中でわかったこと。
『ルーク』は自分の決心を受け止めてくれた仲間たちに感謝する。
死にたくない・・・でも、これが一番いいんだ。
そう自分に言い聞かせながら、レムの塔の最上階を目指した。
突発的に過去の『ルーク』サイドで書いてみました。
これがルークがアッシュへの気持ちを自覚したときって事で。
しかし、遅々として進みませんね・・・
心残りのないように…
たとえ心変わりして姿を消したとしても、探して追いかけるようなことはしない。
そんなこと言われたって、逃げられるわけないじゃないか。
障気にみんな苦しんでる。
俺かアッシュしかどうにかできないなら、どちらかがどうにかするしかない。
なら…俺はアッシュに生きていてほしいと思うんだ。
オリジナルだからとか、ナタリアのためだとか、アッシュへの引け目だとか…それは全くない訳じゃない。
でも、そんなことじゃなくて…
俺がアッシュに生きていてほしいと思うんだ。
何でそんな風に思うのかわからないけど…
ガイたちに感じる気持ちとも父上や母上たちに感じる気持ちとも違う。
…うまく伝えられないけど、たぶんアッシュのことが好きなんだなって思う。
屑とかしかいわれないし、会う度顔しかめられるし…アッシュにとっては俺なんて目障りな存在でしかないんだなって思うけど、これで俺が消えたら…
アッシュは俺のこと忘れないだろ?
こんなこと言ったらまた怒られるかな。
「『ルーク』…」
悲しげな声でティアが『ルーク』の名を呼ぶ。
それに『ルーク』が泣きそうな笑顔を向けると、ティアも顔をゆがめ、それを堪えるように彼女は俯いた。
ガイも厳しい顔つきのまま軽く俯いているし、アニスとナタリアもすっかり落ち込んでいる。
唯一、ジェイドのみがいつもの涼しげな表情を崩してはいなかった。
しかし、そんな表情をしていても、実は彼がいらついているのが長く旅している中でわかったこと。
『ルーク』は自分の決心を受け止めてくれた仲間たちに感謝する。
死にたくない・・・でも、これが一番いいんだ。
そう自分に言い聞かせながら、レムの塔の最上階を目指した。
突発的に過去の『ルーク』サイドで書いてみました。
これがルークがアッシュへの気持ちを自覚したときって事で。
しかし、遅々として進みませんね・・・