TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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※ユーリは始祖の隷長
「ゆぅぅぅりぃぃぃぃぃいいいい」
狭い洞窟内。
やってきた戦闘狂の声が響き渡る。
反響して大変なことになっているのだが、声を発している当人は全く気にしないのだからその被害を被るのは洞窟内にいる始祖の隷長だけとなる。
残念ながら聴力が他の種より良いために、これだけで精神的ダメージは甚大だ。
うんざりといった感じで、閉じていた瞳を開く。
『また来たのか』
「俺と勝負しろ、ユーリ!」
前髪だけ色の違うピンクの髪。
両手には赤い剣。
人間ではあるが、イカレているという部類であるというのは久しく洞窟から出ていない始祖の隷長でもわかった。
名をザギという。
一方、対するのは黒竜。
名をユーリ。
硬質な鱗はこの世界で最強の強度を誇るとされる。
頭からのびる角は銀。
長い首の後ろにある鬣も銀。
背にある翼は黒い鳥のような翼が一対、蝙蝠のような皮膜の翼が一対。
闇の中にあってぼんやりと光る瞳は紫であった。
その巨大な体躯は美しく強靭で、これが空を駆けることがあれば、人は羨望と畏怖の瞳で彼を見上げるだろう。
しかし、その体が空を駆けることは今はない。
忌まわしき封印の結界が、彼の存在を封じ込めているのだ。
綻びにてところどころ穴が開いてはいるが・・・。
ユーリはほころびた結界の穴から尾のみを出し、ザギの眼前に振り下ろす。
ずぅん、という重い地響き。
たかが尾の一振りでも、食らってしまえば人など人とまりもない。
しかし、それを見たザギは不満そうに口を尖らす。
「またしっぽかぁ?」
『その尻尾に勝てるようになったら首を出してやるよ』
「つまらないぞ、ゆぅりぃ」
『文句があるなら帰れ』
ばさりと切り捨てるように言われ、ザギは仕方なく尻尾に向かって切りかかる。
自在に動く尾は時になぎ払い、振り下ろし、ザギを翻弄する。
しかし、その尾の持ち主は地に寝そべったまま。
見るものがいれば、猫が猫じゃらしにじゃれている様を想像するかもしれない。
・・・下手をすると命をとりかねない猫じゃらしであるが。
どれほどそうしていただろうか。
飛び上がったザギの体に、ユーリの尾が直撃。
ザギの体は壁に叩きつけられた。
それによって崩れた土砂がザギの体を覆い、静寂が訪れる。
しかし、それもつかの間。
ガラガラと土砂の山が崩れ、中から埃まみれのザギが現われた。
驚いたことに、ほぼ無傷。
ユーリは、こいつは本当に人間か、と内心疑いの眼を向ける。
「ははははは!楽しい!楽しいぞ、ユーリ!」
『馬鹿か』
「俺はまだ強くなる!またくる!また来るからな!逃げるなよ、ゆぅりいいいいい!」
戦闘狂は走り去り、再び訪れた静寂。
ユーリはひとつあくびをして、目を閉じた。
先ほどの戦闘でまた結界の綻びは広がった。
本当ならばこんな結界など、ユーリの力を持ってすればガラスよりももろいものであるのだ。
だが、ユーリはそれをせず、ここで眠るだけ。
することといえば、食事と睡眠と、尻尾の運動。
ユーリはまた来るであろう戦闘狂の姿を一瞬浮かべ、くすりと笑う。
いわないが、尻尾の運動は気に入っているのだ。
「ゆぅぅぅりぃぃぃぃぃいいいい」
狭い洞窟内。
やってきた戦闘狂の声が響き渡る。
反響して大変なことになっているのだが、声を発している当人は全く気にしないのだからその被害を被るのは洞窟内にいる始祖の隷長だけとなる。
残念ながら聴力が他の種より良いために、これだけで精神的ダメージは甚大だ。
うんざりといった感じで、閉じていた瞳を開く。
『また来たのか』
「俺と勝負しろ、ユーリ!」
前髪だけ色の違うピンクの髪。
両手には赤い剣。
人間ではあるが、イカレているという部類であるというのは久しく洞窟から出ていない始祖の隷長でもわかった。
名をザギという。
一方、対するのは黒竜。
名をユーリ。
硬質な鱗はこの世界で最強の強度を誇るとされる。
頭からのびる角は銀。
長い首の後ろにある鬣も銀。
背にある翼は黒い鳥のような翼が一対、蝙蝠のような皮膜の翼が一対。
闇の中にあってぼんやりと光る瞳は紫であった。
その巨大な体躯は美しく強靭で、これが空を駆けることがあれば、人は羨望と畏怖の瞳で彼を見上げるだろう。
しかし、その体が空を駆けることは今はない。
忌まわしき封印の結界が、彼の存在を封じ込めているのだ。
綻びにてところどころ穴が開いてはいるが・・・。
ユーリはほころびた結界の穴から尾のみを出し、ザギの眼前に振り下ろす。
ずぅん、という重い地響き。
たかが尾の一振りでも、食らってしまえば人など人とまりもない。
しかし、それを見たザギは不満そうに口を尖らす。
「またしっぽかぁ?」
『その尻尾に勝てるようになったら首を出してやるよ』
「つまらないぞ、ゆぅりぃ」
『文句があるなら帰れ』
ばさりと切り捨てるように言われ、ザギは仕方なく尻尾に向かって切りかかる。
自在に動く尾は時になぎ払い、振り下ろし、ザギを翻弄する。
しかし、その尾の持ち主は地に寝そべったまま。
見るものがいれば、猫が猫じゃらしにじゃれている様を想像するかもしれない。
・・・下手をすると命をとりかねない猫じゃらしであるが。
どれほどそうしていただろうか。
飛び上がったザギの体に、ユーリの尾が直撃。
ザギの体は壁に叩きつけられた。
それによって崩れた土砂がザギの体を覆い、静寂が訪れる。
しかし、それもつかの間。
ガラガラと土砂の山が崩れ、中から埃まみれのザギが現われた。
驚いたことに、ほぼ無傷。
ユーリは、こいつは本当に人間か、と内心疑いの眼を向ける。
「ははははは!楽しい!楽しいぞ、ユーリ!」
『馬鹿か』
「俺はまだ強くなる!またくる!また来るからな!逃げるなよ、ゆぅりいいいいい!」
戦闘狂は走り去り、再び訪れた静寂。
ユーリはひとつあくびをして、目を閉じた。
先ほどの戦闘でまた結界の綻びは広がった。
本当ならばこんな結界など、ユーリの力を持ってすればガラスよりももろいものであるのだ。
だが、ユーリはそれをせず、ここで眠るだけ。
することといえば、食事と睡眠と、尻尾の運動。
ユーリはまた来るであろう戦闘狂の姿を一瞬浮かべ、くすりと笑う。
いわないが、尻尾の運動は気に入っているのだ。
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