TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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ハルルへの道のり。
途中の森をぬけ、挙動不信な少年と出会ったあと、ようやく目的地のハルルについた。
しかし、どういったわけか華は枯れ、目的のフレンもいはしない。
エステルは早速、町の人々の治療に走り回っている。
皇族でありながらあのまっすぐな性格に育ったことは珍しい・・・とユーリは思う。
たいがい、貴族というものは自分の私利私欲に走り、いかにうまく立ち回るかなどの悪知恵を働かせているものだ。
・・・いや、逆に皇族だからそんな知恵働かせずにすむし、まっすぐ育ったのか?
だが、これじゃ後々利用されて大変そうだ。
とか、余計なことを考えつつユーリは足を進ませる。
ハルルの樹の根元までやってくると、樹が枯れつつあるのが見て取れた。
「・・・これはどうしたんだ?」
「魔物に襲われた折に、傷ついてしまい・・・」
村長が下を向いたまま涙を堪えるように言う。
だが・・・
「そんな魔物如きにどうこうされそうな樹には見えないがな」
別に幹に大きな傷がついているわけでもなく、枝が折れてるわけでもない。
別に枯れる原因となるような大きな傷は見て取れないが・・・
自分の養い親なら、すぐにわかるのだろうが、とユーリが考えていると、人影に気づいたエステルが声を上げる。
「あ、カロル」
エステルが声をかけた方向をみると、とぼとぼと意気消沈したカロルが見える。
「あ・・・どうしたの?」
「樹が枯れた原因を調べてるんです」
「なんだ・・・そのこと・・・」
何か知っていそうなカロルの返答に、ユーリは彼に詰め寄る。
「何か知ってるのか?」
「土の色が違うでしょ?魔物の血をすっちゃって、そのせいで樹が枯れてるんだ」
言われたとおりに地面を見てみると、確かに地面の色がまだらに変わっている。
「なるほど。で、解決法も知ってるんだな?」
「・・・・・・・・パナシーアボトルで直ると思うんだけど」
その言葉に、森で出会った彼がエッグベアがどうこう言っていたことを思い出す。
「ああ、だからエッグベアの爪か。よし、いくかカロル先生」
そう言ってぽんと肩を叩くと、カロルが驚いたようにユーリを見つめる。
「え?」
「クオイの森にいるんだろ?エッグベア。俺はどれがエッグベアかまではわかんないからな。一緒に行こうぜ、カロル先生」
「で、でも・・・本当になおるかわかんないんだよ!?」
「別に、間違っててもいいんだよ。だれも治す方法なんてわかんねぇんだ。なら、だめでもともとってな。カロル先生は可能性を見つけたんだ。試すべきだろ?」
「そうですよ、カロル。試してみましょう!」
「う・・・うん」
元気を取り戻したカロルは、そんなに言われちゃ仕方ないよなー、などいいながら先を歩み始める。
「・・・認められたいお年頃ってね」
「?ユーリ、何か言いました?」
「何でもねーよ。いくか、エステル」
「はい」
カロルを追うように二人も歩き始める。
目的地はクオイの森。
「ユーリって合成に詳しいの?」
「あ?」
クオイの森へと戻る最中。
ユーリは興味津々といった感じのカロルとエステルに詰め寄られ、首をかしげた。
「魔物の一部やその地域で取れる物を素材としてアイテムや武器を作ることを合成とよぶ、です」
「普通、パナシーアボトルって聞いただけでエッグベアの爪が必要なんて出てくる人いないよ」
「あー・・・」
たしかに、店でアイテムを合成してもらうのに、その必要素材を何も見ずにいえる人物なんていないだろう。
合成辞典を見ながら・・・なら簡単だろうが。
「昔、人に教わったんだよ。長期の旅でアイテムに困っても何とかできるようにってな」
「え、じゃあユーリって合成もできちゃったりするの?」
「簡単な薬類なら作り方教わったけどな」
「すごいや!僕にも教えてよ!」
「俺教えるの苦手なんだよ。」
「えー!?」
それから、教える教えないなどの押し問答が続き・・・いつのまにやら森の奥までやってきていた。
カロルの臭い大作戦で臭いカロルをおとりにしつつ、更に森を歩く。
「ねぇ・・・そんなに後ろ歩かないでよ」
「ごめんなさい・・・カロル」
「クゥン」
「・・・だってさ」
においが半端じゃない。
正直、ちかよるのもちょっと・・・な匂いだが、それを言うとカロルが泣き出しかねないので黙って歩くが、カロルにはお気に召さない。
「ユーリまで後ろ歩かないでよ!」
「しんがりは大事だろ?」
「うぅ・・・」
「あ、ほらカロル後ろ」
「・・・そんなこといわれても騙されないんだか・・・・・・・うわぁぁぁあぁ!」
振り返ると熊。
カロルの大声に、熊の咆哮。
・・・耳が痛い
しかし、カロルの悲鳴のおかげか・・・エッグベアは更に腕を広げ威嚇の姿勢をとる。
要するにすきだらけ。
そこを見逃すユーリではない。
なにせ、鍛えられたのだから・・・・・・・
「よっ・・・と」
隙を狙っての強烈な一撃。
フェイタルストライク。
どしんと地響きを立てて倒れこんだ体に近づき、戦利品を獲る。
楽勝。
驚いているカロルとエステルに、にやりと笑ってみせる。
後は帰るだけ。
アイテムを作るところを見たいと訴えるカロルとエステルを、ひとつしか材料がないのに、失敗したらどうすると脅すようにして納得させ、ハルルで作ってもらったパナシーアボトル。
それを、町人が固唾を呑んで見守る中、カロルが地面に振りまいた。
地面の黒ずみは取れたようだが・・・
花は咲かない
「・・・やはり、駄目だったのか?」
「もう終わりだ・・・」
「華は咲かないのか・・・」
聞こえてくる人々の嘆き。
カロルは両手で耳をふさぐ。
「やっぱり、僕じゃ駄目なんだ。こんな方法で、樹が治るわけなかったんだ!」
「・・・そんな・・・」
エステルは、諦めきれないといった表情で樹を見あげる。
だって、蕾はある。
樹も枯れているのは一部の枝のみ。
・・・それなのに、華が咲かないなんて、ない。
カロルが考えてくれた解決策、間違ってるなんてない。
ただ、少し足りないだけ。
なら、私が・・・私の癒しで・・・!
「エステル?」
ユーリがエステルを見ると、彼女の周りから光が溢れていくのが見えた。
「お願い・・・・・・咲いて」
広く広がっていく眩い光。
それに呼応するように、花は咲き、枝葉が広がる。
奇跡
そう、人々は讃えるだろう。
だが・・・・・・本当に・・・?
ユーリは自分の背が熱くなるのを感じて、肩を抑える。
蹲りたくなるほどの熱。
しかし、それはユーリを害するものではないことを、何よりもうユーリ自身が知っている。
その熱が収まったとき、自分の頭に浮かんだのは・・・
「そうか・・・満月の子」
その言葉の意味、歴史、そして、エステルがその満月の子であるという事実。
それらの情報が激流のようにユーリに流れ込んだ。
「なるほど・・・な」
ユーリは息をついて姿勢を正す。
幸いにも、みな華に夢中で、ユーリの変化に気付いたものは誰もいなかった。
ユーリは複雑な表情で華を見あげる。
満開の華・・・これすら、過剰なエアルの乱れによるものなのか・・・。
世界を救う傍ら、世界を少なからず変異させる。
おそらく、彼女は知らないだろう。
昔に忘れ去られた事実だ。
「・・・どうすっかなぁ・・・」
ため息をついて空を見上げる。
満開に咲いたハルルの花は、憎らしいほど綺麗だった。
人々の笑顔も・・・
誰もが悲しむような結果なら、断ずるのは簡単なのに。
途中の森をぬけ、挙動不信な少年と出会ったあと、ようやく目的地のハルルについた。
しかし、どういったわけか華は枯れ、目的のフレンもいはしない。
エステルは早速、町の人々の治療に走り回っている。
皇族でありながらあのまっすぐな性格に育ったことは珍しい・・・とユーリは思う。
たいがい、貴族というものは自分の私利私欲に走り、いかにうまく立ち回るかなどの悪知恵を働かせているものだ。
・・・いや、逆に皇族だからそんな知恵働かせずにすむし、まっすぐ育ったのか?
だが、これじゃ後々利用されて大変そうだ。
とか、余計なことを考えつつユーリは足を進ませる。
ハルルの樹の根元までやってくると、樹が枯れつつあるのが見て取れた。
「・・・これはどうしたんだ?」
「魔物に襲われた折に、傷ついてしまい・・・」
村長が下を向いたまま涙を堪えるように言う。
だが・・・
「そんな魔物如きにどうこうされそうな樹には見えないがな」
別に幹に大きな傷がついているわけでもなく、枝が折れてるわけでもない。
別に枯れる原因となるような大きな傷は見て取れないが・・・
自分の養い親なら、すぐにわかるのだろうが、とユーリが考えていると、人影に気づいたエステルが声を上げる。
「あ、カロル」
エステルが声をかけた方向をみると、とぼとぼと意気消沈したカロルが見える。
「あ・・・どうしたの?」
「樹が枯れた原因を調べてるんです」
「なんだ・・・そのこと・・・」
何か知っていそうなカロルの返答に、ユーリは彼に詰め寄る。
「何か知ってるのか?」
「土の色が違うでしょ?魔物の血をすっちゃって、そのせいで樹が枯れてるんだ」
言われたとおりに地面を見てみると、確かに地面の色がまだらに変わっている。
「なるほど。で、解決法も知ってるんだな?」
「・・・・・・・・パナシーアボトルで直ると思うんだけど」
その言葉に、森で出会った彼がエッグベアがどうこう言っていたことを思い出す。
「ああ、だからエッグベアの爪か。よし、いくかカロル先生」
そう言ってぽんと肩を叩くと、カロルが驚いたようにユーリを見つめる。
「え?」
「クオイの森にいるんだろ?エッグベア。俺はどれがエッグベアかまではわかんないからな。一緒に行こうぜ、カロル先生」
「で、でも・・・本当になおるかわかんないんだよ!?」
「別に、間違っててもいいんだよ。だれも治す方法なんてわかんねぇんだ。なら、だめでもともとってな。カロル先生は可能性を見つけたんだ。試すべきだろ?」
「そうですよ、カロル。試してみましょう!」
「う・・・うん」
元気を取り戻したカロルは、そんなに言われちゃ仕方ないよなー、などいいながら先を歩み始める。
「・・・認められたいお年頃ってね」
「?ユーリ、何か言いました?」
「何でもねーよ。いくか、エステル」
「はい」
カロルを追うように二人も歩き始める。
目的地はクオイの森。
「ユーリって合成に詳しいの?」
「あ?」
クオイの森へと戻る最中。
ユーリは興味津々といった感じのカロルとエステルに詰め寄られ、首をかしげた。
「魔物の一部やその地域で取れる物を素材としてアイテムや武器を作ることを合成とよぶ、です」
「普通、パナシーアボトルって聞いただけでエッグベアの爪が必要なんて出てくる人いないよ」
「あー・・・」
たしかに、店でアイテムを合成してもらうのに、その必要素材を何も見ずにいえる人物なんていないだろう。
合成辞典を見ながら・・・なら簡単だろうが。
「昔、人に教わったんだよ。長期の旅でアイテムに困っても何とかできるようにってな」
「え、じゃあユーリって合成もできちゃったりするの?」
「簡単な薬類なら作り方教わったけどな」
「すごいや!僕にも教えてよ!」
「俺教えるの苦手なんだよ。」
「えー!?」
それから、教える教えないなどの押し問答が続き・・・いつのまにやら森の奥までやってきていた。
カロルの臭い大作戦で臭いカロルをおとりにしつつ、更に森を歩く。
「ねぇ・・・そんなに後ろ歩かないでよ」
「ごめんなさい・・・カロル」
「クゥン」
「・・・だってさ」
においが半端じゃない。
正直、ちかよるのもちょっと・・・な匂いだが、それを言うとカロルが泣き出しかねないので黙って歩くが、カロルにはお気に召さない。
「ユーリまで後ろ歩かないでよ!」
「しんがりは大事だろ?」
「うぅ・・・」
「あ、ほらカロル後ろ」
「・・・そんなこといわれても騙されないんだか・・・・・・・うわぁぁぁあぁ!」
振り返ると熊。
カロルの大声に、熊の咆哮。
・・・耳が痛い
しかし、カロルの悲鳴のおかげか・・・エッグベアは更に腕を広げ威嚇の姿勢をとる。
要するにすきだらけ。
そこを見逃すユーリではない。
なにせ、鍛えられたのだから・・・・・・・
「よっ・・・と」
隙を狙っての強烈な一撃。
フェイタルストライク。
どしんと地響きを立てて倒れこんだ体に近づき、戦利品を獲る。
楽勝。
驚いているカロルとエステルに、にやりと笑ってみせる。
後は帰るだけ。
アイテムを作るところを見たいと訴えるカロルとエステルを、ひとつしか材料がないのに、失敗したらどうすると脅すようにして納得させ、ハルルで作ってもらったパナシーアボトル。
それを、町人が固唾を呑んで見守る中、カロルが地面に振りまいた。
地面の黒ずみは取れたようだが・・・
花は咲かない
「・・・やはり、駄目だったのか?」
「もう終わりだ・・・」
「華は咲かないのか・・・」
聞こえてくる人々の嘆き。
カロルは両手で耳をふさぐ。
「やっぱり、僕じゃ駄目なんだ。こんな方法で、樹が治るわけなかったんだ!」
「・・・そんな・・・」
エステルは、諦めきれないといった表情で樹を見あげる。
だって、蕾はある。
樹も枯れているのは一部の枝のみ。
・・・それなのに、華が咲かないなんて、ない。
カロルが考えてくれた解決策、間違ってるなんてない。
ただ、少し足りないだけ。
なら、私が・・・私の癒しで・・・!
「エステル?」
ユーリがエステルを見ると、彼女の周りから光が溢れていくのが見えた。
「お願い・・・・・・咲いて」
広く広がっていく眩い光。
それに呼応するように、花は咲き、枝葉が広がる。
奇跡
そう、人々は讃えるだろう。
だが・・・・・・本当に・・・?
ユーリは自分の背が熱くなるのを感じて、肩を抑える。
蹲りたくなるほどの熱。
しかし、それはユーリを害するものではないことを、何よりもうユーリ自身が知っている。
その熱が収まったとき、自分の頭に浮かんだのは・・・
「そうか・・・満月の子」
その言葉の意味、歴史、そして、エステルがその満月の子であるという事実。
それらの情報が激流のようにユーリに流れ込んだ。
「なるほど・・・な」
ユーリは息をついて姿勢を正す。
幸いにも、みな華に夢中で、ユーリの変化に気付いたものは誰もいなかった。
ユーリは複雑な表情で華を見あげる。
満開の華・・・これすら、過剰なエアルの乱れによるものなのか・・・。
世界を救う傍ら、世界を少なからず変異させる。
おそらく、彼女は知らないだろう。
昔に忘れ去られた事実だ。
「・・・どうすっかなぁ・・・」
ため息をついて空を見上げる。
満開に咲いたハルルの花は、憎らしいほど綺麗だった。
人々の笑顔も・・・
誰もが悲しむような結果なら、断ずるのは簡単なのに。
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