忍者ブログ
TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
[19]  [20]  [21]  [22]  [23]  [24]  [25]  [26]  [27]  [28
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

アビスにはまって早数ヶ月。
思えば当初はアビスを買う友人をふ~んって感じで見ておりました。
ところが、プレイするのを横で見ていてルークに一目ぼれ。
何だこのクソ可愛いやつわvって感じでした。
まだアクゼリュス前だったのに、可愛かった・・・それからどんどか可愛くなり、しかもネットで美しいアシュルクサイト様を発見し、もう我慢できず購入。
それから猛スピードで一周。グレードためまくって、経験値10倍、料理引継ぎ、称号引継ぎ、術技引継ぎ、ADスキル引継ぎ、獲得ガルド二倍、Cコア引継ぎ、FSチャンバー引継ぎ、使用回数引継ぎ・・・などなどを購入して二周目突入。
アビスマンでレムの塔に行ったり(友人にふざけるなと怒られました)ネビリム先生をアンノウンで倒すためにレベル上げ(今186くらい)したり・・・でも結局まだ倒してないんですがね、アンノウンネビリム。
でも、そんなにしても、アビスマンボイスがルークの「正義の使者、アビスレッド参上!」しか聞いたことがない。
なんて出にくいんだ、アビスマンボイス!アビスシルバー出したかったのに出ないから諦めましたよ・・・。

・・・ま、そんなこんなではまったアビスで、とうとうブログを開設してしまいました。
手始めに前に友人に(無理やり)送りつけてたシンルクをおいてみたり、でも、アシュルクだし・・・と思ってアシュルクを書いてみたものの・・・数すくねぇよ、おい。
やばいかなぁ・・・とかおもっていたら、サーチ登録した途端に回り始めるカウンター!!
うわぁん、すいません皆様ー!赤毛サーチ登録したくせにアシュルク少ないんですー作品も少ないんですーごーめーんなさーい。
沢山いらっしゃった方の何人が、こんだけかよけっ、とか思って帰られたかと思うと、申し訳なさすぎて自ら穴に入り埋まりたい気分です。
うぅ・・・ちまちま頑張ります。
PR
「どーしようかなぁ・・・」

ルークはふわふわとケセドニア上空を浮遊しながら、途方にくれていた。
アブソーブゲートにたどり着いてから、急いでラジエイトゲートに向かってアッシュを探してみた。
自分の姿が見えなくても、ひとまずアッシュにくっついていたほうがいいと考えたからだったのだが、肝心のアッシュは一足先にゲートを出てしまっていたようで、いなかった。
それから、アッシュを探してベルケンドやらダアトやらいろいろとめぐってみたが、アッシュはいない。
その上、その過程で自分の声は誰にも聞こえないし、姿も見えない。物ももてないということを再認識してしまった。
ふわふわと浮いて移動できるから、海でも山でも関係なく移動してアッシュを探せるのはいいのだが、今みたいに誰にも見えない聞こえないの存在ではせっかく過去まで来た意味がない。
下手をすれば、もう一度アッシュが死ぬ瞬間を見なくてはいけない・・・。

そこまで考えが及んで、ルークは身震いした。

だめだ。そんなことは絶対に。

何とかしなければと思うが、ローレライはヴァンに捕まっているせいか連絡が取れない。
ならば、何とかしてくれそうな奴を探すしかない。
そのとき、浮かんだのはあの時目があった気がしたジェイド。

「ジェイドなら、何とかしてくれっかなぁ…」

頭いいし。いろいろ知ってるし。

「よし!だめもとで行ってみるか!」

ルークは体勢を立て直すと急いでグランコクマへと向かった。




グランコクマにつくと、何やら慌しく兵士たちが出入りしている。
首をかしげてその様子を見ていると、見慣れた顔が城の方から歩いてくるのが見えた。

「あれは・・・」

フリングス将軍を両脇から抱えて歩くかつての自分とガイ。
そしてジェイドやティアたちの姿もある。
彼らは、やがて教会に入っていった。
その光景に、ルークは見覚えがある。

そっか・・・あのときのだ。

レプリカの兵士たちがマルクト軍を襲い、フリングス将軍が亡くなったあのときの・・・。
かつての自分の姿を追って、ルークも教会の中に入った。
フリングスは今まさに生に終わりを告げようとしている。

「もう少し・・・この世界で生きてみたかった・・・」

彼の言葉は再びルークの心に響いた。

そして、過去の自分たちが教会から立ち去ったあとも、静かにそこで祈りを捧げた。
過去の自分たちは前へ進むのに必死で、彼に祈りを捧げることはできなかったから。
例えそれが生きているものの自己満足なのだとしても・・・ここで命を終えた彼が少しでも安らかであるように・・・。

しばしそうしたあと、ルークは瞳を開けた。
いつまでもこうしてはいられない。
自分が変えたい時は刻一刻と迫ってきているのだ。
それまでに、自分は何としてもこの触れないし何も伝えられないという状況を打破しなくてはいけない。

ルークはふわりと身を翻すと、外へ出て行ったジェイドらを追った。

次はバチカル・・・そして・・・ダアトだ。




☆未だにルークは一人旅です。
 その上、アシュルクなのにアッシュは影も形もない;
 さ・・・最終的にはアシュルクですから!!
地核の中は予想以上に優しく、ルークたちを包み込んだ。
しかし、シンクはもう意識がないのか、何も言わない。
ルークは朦朧とする意識の中、シンクの体だけをしっかりと抱きかかえていた。

…ルーク…我が片割れよ…我が声に応えよ…
…だれ?
…ルーク…
おれ、ルークじゃない
“聖なる焔の光”よりも我に近きもの。第七音素の子。我をこの永遠回帰の牢獄から解放してくれ…
…おれ、もう動けないんだ
そこから手を伸ばすだけでよい。力を貸して欲しい…

声はどこか懐かしい感じのする声で、悪い感じはしない。
朦朧とした意識の中、ルークは言われるがままわずかに左手を動かした。
右手ではシンクを離さない様に掴んだままで。
すると、左手に何か硬い感触があった。気力を振り絞って目を開けると、そこには見たことのない剣がある。

…なんだ…これ…
そのまま手を…手を伸ばせ…我を解放してくれ…

ルークはゆっくりとだが手を伸ばす。
そして、その先の剣が淡く光り、そこから譜陣が広がるのが見えた。
それからしばらくして譜陣は消え、ルークは今度こそ役目は終わったのだと、音素の流れに身を任せ、瞳を閉じた。
しかし、声はなおもルークに呼びかける。

我が魂の片割れよ…礼を言う。これで、音譜帯に返ることができる…。
…そっか。あんたは自分の居場所に帰るんだな
おまえは帰らずとも良いのか?
いいんだ。俺の居場所はシンクのとこだから…だからいいんだ。
よいのか?今なら戻してやることもできる
…うん。もう一人は嫌だし。

全く帰りたくないといえば嘘になる。
ガイたちに酷いことも言った。本当はガイが自分をルークの身代わりとしてなんて見てないってわかってたのに。
ラルゴともあの時が最期になった。
もう一度あって、話したい、謝りたいという気持ちがある。
でも、一番の望みはもう叶わないから。
だから、もう戻らなくていいんだ。

…もうちょっと…一緒にいたかったな…シンク…

希薄になっていくルークの存在に、声の主…ローレライは言った。

我の見た未来をわずかにも曲げたおまえたちに敬意を払おう。
おまえの本当の望みを、我はかなえよう……


あたりは眩い光に包まれた。



アルビオールで脱出した一同はアクゼリュス崩落跡を暗い表情で見つめていた。
地核の振動停止作戦は上手くいったはずなのに、目の前で消えた存在が悲しかった。
彼らの残した言葉が、彼らの苦しみと自分たちの罪を表しているようで、痛かった。

…もっと話し合えば、分かり合うことはできたのか?ルーク…

どうしてあの時置いていってしまったんだろう。
アクゼリュスの崩落もレプリカという事実も、一番苦しんだのはあいつだったはずなのに。

後悔しても仕方がないことだとわかっているのに、頭ではそればかり考える。
みな遠からず、同じようなことを考えているのだろう。
誰も言葉を発さず、その表情は苦痛に満ちていた。
そのとき、魔界の景色が一変し、紫の大気が消え去った。
そして次の瞬間には、崩落跡から大きな光の筋がすさまじい速さで天に伸る。

「…ッ…何だあれは!?」
「第七音素だわ…それも大量の!」
「…ローレライ…?」

アッシュが呟いた言葉に、一同は呆然とそれを見上げる。
美しい金の光の帯は雲をもつきぬけ、空へと消えてゆく。
同時に、外殻大地がいっせいに降下を始めた。

「何で!?どうして!?」
「わかりません…ですが、あれがローレライだとしたら、ユリアとの契約が無効になったのかもしれません。外殻大地もプラネットストームも、ユリアがローレライと契約することでできたと言われていますから…」
「じゃぁ、イオン様!外殻大地落ちちゃうんですかぁ!?」

慌てるアニスをよそに、イオンは落ち着いた笑みを見せる。
そして、変化するこの世界を目に焼き付けようとするかのように、ただじっと窓の外を見ていた。

大地の振動がおさまり、再び外を見ると、少しも変わらぬ青い空。
念のため、アブソーブゲート上空へと行ってみると、本当にプラネットストームは停止しているようで記憶粒子の噴出は見られなかった。
変わっていないようで、大きく変化した世界。

「…馬鹿な…こんなこと…認めない…」

いつの間に意識を取り戻したのか、ヴァンが痛む傷を抑えながら立ち上がった。

「兄さん、やめて。もう終わったのよ…世界は変わったんだわ」
「ありえない…外れたというのか、ユリアの預言が。惑星の記憶が…」
「どうして認めないの?預言に縛られない世界が兄さんの望みだったのでしょう?ユリアの預言は外れ、世界からやがて預言はなくなるわ。これからは人が自分で未来を拓くのよ」
「馬鹿な…世界は惑星の記憶に縛られてなどいなかったのか……?」

信じられないというようにヴァンは呆然と呟く。

「俺はあんたの言う惑星の記憶がどんなもんなのかしらねぇ。だが、あんたの知ってることと、今この世界の現実の違いが真実じゃねぇのか?」

アッシュの言葉に、ヴァンは自嘲気味に笑うと崩れ落ちるようにシートに座った。

「預言は未来の選択肢の一つ……預言に縛られない世界……」


あなたたちが、創ってくれたんですか?シンク、ルーク…


「イオン様、泣いてるんですか?」
「え?」

イオンはその時自分の目から涙がこぼれている事に気づいた。
手のひらに落ちた涙を見て、イオンは薄く笑みを浮かべる。

悲しいけれど、そればかりではない。心にあるのは未来への希望。
そのためにはまず世界の人々にこの現実を説明し、理解を得なくてはいけない。

「行きましょう。世界を立て直すのが僕たちの仕事です」

その言葉に、暗い面持ちだった皆が頷くのを見て、イオンは笑みを浮かべた。




「…なんか、すげぇ疲れた」
「仕方ないじゃないか。武器もお金も何も持ってなかったんだし」
「いいよなぁ…闘うとき素手だった奴は」
「自分がなくしたんでしょ」
「ちがうって!なかったんだ!!」
「はいはい」
「くっそー…」

広々とした平野を歩く、赤と緑。
時折、モンスターを相手にしては戦利品を得て、ようやく生活できるくらいは貯まったところ。

「なぁ…これからどうする?」
「さぁ。行くとこもないね」
「じゃぁさ、しばらく世界を回ってみようぜ!」
「今更?もう十分回ったでしょ」
「いいじゃん!おまえだって全部知ってるわけじゃないだろ?」
「まぁ、そりゃそうだけど…」

戸惑う緑の手を赤が強引にひく。

「じゃ、行こうぜ!シンク!!」
「もう…わかったよ、レンティス」


END



☆これでおしまいです。
 え?ローレライが万能すぎる?
 いやぁ・・・未知の存在ですからこれくらいいいかなと。
 決して話をこじつけるために使ったたりなんてしてませんよ(嘘)
 ・・・はいすみません。水○黄門の印籠ばりにローレライを使いました。
 困ったときのローレライ頼み。
 こんなのですがたのしんでくれてたらいいなぁ。
「メシュティアリカ…」

最愛の妹の声に、ヴァンの注意が一瞬だがシンクたちからそれた。
その一瞬の隙を突いて、短刀を構えたシンクが間合いをつめ、首に狙いを定めた。
だが、ヴァンもとっさの判断で首を逸らす。

甲板に赤が散った。

「ぐ…シンク!」

致命傷を避けたヴァンは傷を抑えながらも、シンクの体を跳ね飛ばした。
シンクはヴァンに飛ばされた勢いで、甲板の柵に体を打ち付ける。
その様子を見て、ルークが駆け寄ろうとするが、ヴァンが自分に剣を向けたためそれも叶わない。

「ルーク…おまえ、どうして…」

ガイが呆然と呟く声が聞こえたが、ルークは何も答えない。
ただ、まっすぐにヴァンを見据えていた。

「あなたが乗り込んでくるとは…よほど地核を静止されたら困るんですねぇ」
「勘違いしないでもらおうか、死霊使い殿。私は私の計画を邪魔する不穏分子を抹消するためにここにいる。地核の静止など私の計画の前では些細な事に過ぎない」
「計画…外殻大地を落とし、再びフォミクリーで世界を作ることがですか?」

ジェイドの言葉に、皆が息を呑む。

「ふ…気づかれていたか。なら話は早い。この計画に手をかしていただけるなら、貴殿の命も保障しよう…バルフォア博士。この世界を救うためには他に道はない」
「お断りです。たとえあなたが言うように、その計画で世界が救われるのだとしても、そのような世界、何の意味もない」
「残念だ。…アッシュ、お前ももう十分だろう。いい加減に戻って来い」

目を向けられたアッシュはヴァンを睨みつけた。

「あんたこそ、もう十分だろう。本当にそんな計画が通ると思っているのか!?」
「通るのではない。通すのだ。我々が動かなければ世界は変わらない!」
「いい加減目を覚ませ、ヴァン!アンタが正しいなら、どうしてシンクがアンタから離れた!?」

アッシュの叫びに、ヴァンは笑みを浮かべる。

「何を言う、アッシュ。それはお前とは違う、駒だ。捨てられるところだったのを使えるから拾ってやった。使えなくなれば再び捨てるだけだ」
「はっ…言ってくれるね。誰も拾ってくれなんていってないよ。いっそ、あの時捨ててくれれば…いや、作られないほうが良かった。こんな意味のない生を受けるぐらいならさぁ!!」

立ち上がり、ヴァンを睨みつけたシンクの顔を見て、アッシュたちは息を呑んだ。

「嘘…イオン様と同じ…?」
「兄さん!これはどういうこと!?」

混乱のなか、アニスの後ろにいたイオンだけがゆっくりと足を踏み出した。

「やはり…あなたは僕と同じ…」
「はっ…違うね。お前と僕は違う。出来損ないの…捨てられるだけの僕とはね」
「そんな…」

ショックを受けるイオンに、アニスが寄り添う。
シンクはルークに視線をやりながら、言葉をつむいだ。

「決着をつけようよ、ヴァン。アンタが望む世界と僕の見たい世界。どちらが許されるかさ」
「まだやるか…無駄なことを」
「アンタにつけた傷…別に致命傷を外しても良かったんだよ。ただ、傷さえつけられればね」
「!…まさか!」
「劣化したとはいえ、導師と同じ第七音素の力その身で味わうといいよ」

シンクの言葉とともに、ヴァンの首筋の傷を中心に紋章が浮かび上がる。
その瞬間、ヴァンは苦悶の声を上げ、剣を取り落とした。
しかし、強い精神力かヴァンの第七音素の力か…ヴァンは意識を失わず必死にあがく。
だが、シンクの目的はヴァンを操ることではない。ただ一時、動きを止められればいいのだ。

「レンティス!」

シンクの声とともに、赤い影がヴァンの元へ走り、剣がヴァンめがけて振り下ろされた。

「が…っ」
「…さようなら、師匠」

肩から斜めに切られ、血を流して倒れるヴァンに、ティアが駆け寄る。
治癒術をかけようと手を伸ばすが、その手は迷うように止まった。
それを見たナタリアが、今度はヴァンに駆け寄る。

「何をなさっているのです!」
「でも…命を取り留めれば、兄さんはまた…」
「それでも、このままここで死なせてしまっても良いのですか!?例え敵でも失われていい命などありませんわ!」

そう言って治癒術をかけ始めるナタリアに促されるように、ティアも治癒術をかけ始めた。

一方、ヴァンとの戦闘で疲弊した上、術まで使ったシンクは力尽きたように手すりにもたれかかった。
そのシンクに、ルークは慌てて駆け寄る。

「…結局、あなたが望んだ世界とはなんだったのですか?」

戦闘態勢はとりつつも、成り行きを見守っていたジェイドがシンクに問いかける。
ワイヨン鏡窟でみたことと、ルークが言った謎かけとも取れる言葉で、ヴァンの目的には見当がついていた。
しかし、なぜシンクがヴァンを裏切ったのか、なぜルークを引き入れたのか、それはわからなかった。
ジェイドの問いに、シンクは自嘲の笑みを浮かべた。

「この世界に僕が望むものなんてないよ」
「じゃぁ、テメェは何のために動いた!」
「…ただ、預言預言いうこの世界を崩してやりたかっただけさ。預言のせいで僕は生まれた。なら、その預言をなくすことでこの世界に復讐してやりたかった。混乱する世界を見たかった。…ま、それももうどうでもいいけどね」
「…どういうことだ?」
「教えないよ」

あっさりというシンクに、アッシュは怒りの声を上げるが、シンクはそれを無視して自分の手を見つめた。


…限界かな…


「悪いけど、後は他の奴に聞いてよ。ラルゴでもヴァンでも…僕にはもう時間がないからね」

時間がないとは何を指すのか、ルークも不思議そうにシンクを見るが、その瞬間目を見開き動きを止めた。

「シンク…なんですけてんの?」
「…音素の乖離…ですか」

ジェイドの呟きに、アッシュは言葉を失う。
ヴァンのもとにいたアッシュだからこそ、それが何を示すのか瞬時に理解した。
しかし、ルークにはわからない。

「悪いけど、君は向こうに戻りなよ。居場所、あるみたいだし」
「何で…何でそんなこというんだよ。シンク、俺の居場所になるって言ったじゃん」
「悪いけど、僕は何も残せない」
「何で!?」
「レプリカは死ねば全て音素になって消える。何も残らないからね」
「それって…」

呆然とするルークの目に映ったのは、シンクの体から放たれる淡い光。
理解した瞬間、口から出たのは否定の言葉だった。

「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ!」
「どうしようもないよ、現実さ。僕はもうもたない」
「嫌だ!シンクが俺のもので、俺はシンクのだって言った!シンクが消えるなら俺も消える!俺がシンクのだって言うなら、連れて行けよ!!」
「ルーク、お前何言ってるんだよ」
「俺はルークじゃない!!」

ガイがルークを落ち着かせようと声をかけるが、ルークはそう叫び涙をたたえた瞳でガイを見た。

「俺は“ルーク”じゃない!なのに、何でルークって呼ぶんだ!シンクだけが俺に名前をくれた。違うって認めてくれた!俺はレンティスだ!!」

そう力の限り叫ぶと、ルークはシンクの体にすがりついた。

「お願い…置いていかないで…もう、おいていかれるのは嫌だよ…」

力なくうなだれるルークをシンクは立たせると、おぼつかない足取りで甲板の端まで歩いた。

「おい…何をする気だ」

アッシュが声をかけるが、シンクは答えない。
ただ、ルークに本当にいいの?とだけ聞く。
それにルークが頷くのを見て、笑みを浮かべた。

「…もらっていくから」

そういうのと同時に、二人の体が落ちる。
ガイが追いすがるように駆け寄るが、その手には何もつかめなかった。

「ルークー!!!!」

ただ、叫びだけが近くの中に飲み込まれて消えた。




☆シンルク心中(ぇ)
 いや、ちゃんとハッピーエンドですよ?
 次こそ万能ローレライ様の出番!
地核への降下位置までは少ない人数でのタルタロスの操縦。
もう少しで地核の降下が始まろうかというとき、タルタロスの警報がなった。

「チッ…乗り込んでやがったか」
「どうするんですか、大佐ぁ!」
「もうすぐ降下ポイントです。今相手にしている暇はありません。降下後に撃退しますよ」

そういうと、タルタロスは譜術障壁を発動して降下を始めた。
皆、その間だけは緊張した面持ちで、ただ振動が落ち着くのを待った。

やがて、静かにタルタロスの降下が止まり、一同はようやく座っていた席から離れる。

「…ついたようですね。ゆっくりしている暇はありません。いきますよ」

無駄な時間は一秒もない。
脱出が遅れれば、自分たちは地核に飲み込まれ、外には帰れなくなる。
脱出のためにまず必要なのは、侵入者の排除。
おそらく、六神将のうちの誰かだろう…。
そう思って、戦闘準備を整えた一同の目に映ったのは、想像していなかった現実だった。

「兄さん!?」
「ルーク!!」
「それにシンクも…。なに…どうなってるの?」

目の前で繰り広げられているのは、傷を負いながらもヴァンと闘うルークとシンクの姿だった。



神託の盾兵の襲撃直前。
ぎりぎりのところで港にもぐりこんだシンクとルークは、一般人を装って声を上げた。
神託の盾がタルタロスを奪いにきた、と。
その声に目を覚ました人々は次々と建物から出てきて、入り口を封鎖していく。
その人々の働きを見届けると、ルークたちは一足先にタルタロスへと乗り込んだ。

「大丈夫かな…シェリダンの人たち…」
「相手は民間人だ。無理に抵抗しなければ酷いことにはならないさ」
「…抵抗したら…?」
「ヴァンなら斬るね」
「…ッ」
「レンティス。今僕らが行っても無駄だ。わかってるね?」
「わかってる…だけど…!」

苦しげに顔をゆがめ、拳を握るルークの肩を、シンクは軽く叩く。
今は、耐えるしかないのだ。

実際にはそんなに長くはないのだろうが、随分長い間そうしているかのように感じた。
慌しい足音が聞こえ、船が動き出す感覚。
やっとかとシンクは呟き、ゆっくりと立ち上がった。

「行くのか?」
「ちょっと見てくるだけだよ。地核降下前にあいつらに見つかると面倒だからね」
「…俺も行っていい?」
「いいけど、すぐに戻るよ?」
「いい。一緒に行く」

扉の隙間から辺りをうかがい、慎重に進む。
そして、外の様子を伺うために甲板へでたときだった。

「やはりお前たちも乗っていたか。なにをする気か知らんが、無駄なことを…」
「ヴァン!!」

とっさに身構える二人を尻目に、ヴァンは悠然とそこに立つ。
剣に手をおくことすらしない。
その様子は自分の優位を疑っていないように見えて、シンクをいらだたせた。

「アンタこそ、何しにきたのさ。アンタが帰れなくなったら、計画も何もおしまいでしょ?」
「ふ…そんなことはありえない。もし万が一私が帰らなくとも、私の意志はリグレットが引き継ぐだろう。何も変わらぬ」
「随分な自信だね。ここにこうして、アンタの計画を狂わせた奴がいるのに?」

シンクが示したのが誰かわかったのか、ヴァンの瞳がようやくルークを捉える。

「…師匠…」
「誰かと思えば…レプリカか。シンク。お前は勘違いをしているようだな。これが生き残ったのはこれの力ではない。アッシュがメシュティアリカを連れてきたためだ。これが生き残ったのは譜歌があればこそ。そいつは生き残ったとて何の役にも立たぬ」

ヴァンの言葉にルークの顔が泣き出しそうに歪むが、それを堪え必死に前を向く。
それを目にしたシンクはルークを庇うように、ヴァンに向かって一歩踏み出した。

「本当に役立たずかどうか、試してみなよ」
「シンク…お前はもう少し利口だと思っていたが…残念だ」

ヴァンの手がようやく腰の剣にかかり、すらりとその刀身を見せた。

「そう簡単にはやられないさ!」
「シンク!!」

ヴァンが剣を構える前に、シンクがその俊敏な動きで間合いを詰める。
その一見無謀とも見える行動に、ルークが叫んだ。

「…愚かな…そう簡単にやれるものか!」

ヴァンの剣が動き、その衝撃波があたりを薙ぎ払う。
シンクは間一髪のところで中空に身を躍らせ、それをかわしていた。

「空では身動きが取れまい」
「ちっ」

剣が振り下ろされようとするとき、ヴァンの懐に、ルークが飛び込んだ。
ヴァンはシンクへの攻撃を中断し、地面を蹴って後退する。

「…師匠。あなたが何を思って俺を作って、捨てたか…俺はわからない。もうあなたに必要とされなくてもいい。ただ、シンクを傷つけるのは許さない」
「ふ…随分と手懐けたものだな。やはり、レプリカはレプリカ同士、群れるのがいいか」
「ふん。いつまでその余裕が続くか…試してあげるよ!」

二人同時に、ヴァンに斬りかかる。
しかし、ヴァンは冷静にそれを見極め、攻撃をかわし時には攻めに転じる。
シンクとルークも、片方がヴァンを真っ向から迎え撃ち、もう片方が奇襲をかけるといったことも行うが、ヴァンに致命傷になるような傷は負わすことができなかった。

双方ともに決定的な一撃は与えられぬまま、彼らを乗せたタルタロスは地核へと到達した。

肩で息をしながらも、ルークはヴァンをきっと睨むようにして見つめる。
予想以上に長く続く攻防は、体力を奪っていた。
それはシンクも同じようで、つけていた仮面もどこかへ行ってしまっている。
しかし、ヴァンのほうは汗は滲み、わずかに息も乱れているものの、まだまだ余裕の表情は崩していなかった。
膠着状態となったその場に、新たな風が吹き込んだのはその時だった。

「兄さん!?」



☆戦闘って苦手です。
忍者ブログ * [PR]