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TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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「では、これより会議を始めさせて頂きます」

イオンのボーイソプラノが会場に響いた。

「ではまず、ケセドニアよりあがっている、マルクト・キムラスカ間の交易における関税についてですが・・・」

会議の議題は、交易の関税について。
両国間の交易に関税を設けることで、教団の維持費としているローレライ教団にとっては、簡単に下げたりすることは出来ないものである。
しかし、世界が混沌とした外殻大地降下のあの日以来、世界を復興させることが第一と考え、教団は一時関税率を引き下げていた。
その甲斐もあってか、世界は少しは安定を保てるようになった。
そこで今度は、乱れているローレライ教団の建て直しのために、税率を以前と同じに戻そうということであった。
以前と同じとは言っても、急に税率を戻すとあっては、住民・商人たちの批判を招く。
このため、一年をかけ、徐々に税率をもとに戻していくこととなった。


「さて、これで表向きの会議内容は済んだな。じゃぁ、定例報告会と行くか」

ピオニーが悪戯をする子供のような表情でいうと、ジェイドが深々とため息をつく。
おそらく、皇帝らしい言動をしたらどうだ・・・とか思っているのだろうが、流石にこんな場で、自国の皇帝を諌めるようなことはしない。

「・・・そうですね。ではまず、ティア。ヴァンとリグレットの様子はどうですか?」

イオンの問いかけに、ティアは少し陰のある笑みを浮かべる。

「・・・兄は相変わらずです。ユリアシティから外を見て、何をするでもなくただ一日を過してます。計画が崩れてから、兄は自分の生きる目的を失ってしまったかのようです。教官が付きっ切りで身の回りの世話をしてくれるおかげで、最近は食事と散歩ぐらいはしてくれるようになりました」
「あのヴァンが・・・か。まだ、夢の世界でも漂ってるのか」

ガイが眉をひそめて呟く。
幼い頃からヴァンを兄のように慕っていたガイだからこそだろう。
ガイの呟きには、悔しさにも似た響きが混じっていた。
アッシュも同じように顔をしかめていたが、アッシュは何も言わなかった。

「・・・でも、私はこれでよかったと思ってるわ。兄さんが静かに毎日を過すことで・・・外の景色を見ることで、この世界の美しさを見直してくれていると思うから。そして、今あるこの世界を・・・少しずつでも、受け入れてくれると、私は信じてる」
「そうですわね。ティアのお兄様ですもの。それに、グランツ謡将は決して悪い方ではなかったと、私も思いますもの」
「ありがとう」

ふわりと笑うティアに、ナタリアが笑い返す。
暗い雰囲気が漂っていた、会場に少しの笑みが戻ったところで、今度はアニスが口を開いた。

「で、他の六神将とあいつはどうなんですかぁ?ローレライ教団は特に警戒されてるみたいで、ぜんっぜん情報入ってこないんですけどぉ」

六神将と“あいつ”というアニスの言葉に、びくりと体を震わせた。
ばれていないかと周りをそれとなく見回すが、誰も自分には注意を払っていないようだ。
それを確かめ、ルークはそっと息を吐いた。
そうしている間に、イオンが口を開き、アニスを諌める。

「アニス。あいつって言い方は駄目ですよ」
「でもイオン様・・・なんて呼んだらいいか、わかんないんですもん。『ルーク』じゃないって・・・言ってたし」




『ルーク』『聖なる焔の光』


その名前は、レンティスと名を変えたときに、赤い髪の青年は捨てた。
紅の髪の青年は、アッシュという名を与えられたときに、その名には戻れぬ・・・戻らぬと誓った。そのため、父母やナタリアに請われて王家に復帰した今でも、アッシュと名乗っている。
それは、表向きには、『ルーク』という名の公爵子息が、預言の象徴でもあった『聖なる焔の光』という名を捨てることで、キムラスカが預言に頼らず、自分たちの足で歩んでいくということを宣言したため・・・となっているが、本当はそうではないことをここにいる人間は知っている。



「・・・そうですね。出来ることなら、彼にもう一度会って、名前を聞きたいですね。そうしたら、今度は僕らも、彼の名前を呼ぶことが出来るのですが・・・」
「キムラスカでも、残念ながら情報はありませんわ」
「・・・視察にシェリダンへ行ったとき、大男がメジオラ高原に向かっていったのを見たという話は聞いた。おそらくラルゴだろうが、それから先はわからん」

アッシュの口から出た、ラルゴの情報に、ルークとシンクはこっそりと顔を見合わせる。
自分たちの噂が全く入っていないという事は、マルクトで捕まるまでは上手くやっていたということになる。
ならば、今後も以前と同じ方法で行けば、見つからないのではないか。
しかし、ルークたちが取っていた方法には、致命的な欠点がある。
極力、大きな街に寄ったりそこで長居することを避けてきたため、情報が得られにくいのだ。
ラルゴのことも、探してはいたのだが、実際に目撃情報を聞いたのは初めてだった。
いつの情報かまではわからないが、ここから逃げたらメジオラ高原に行ってみようと考える。
そのためには、まずはここから無事に逃げる必要がある。

そろそろ自分たちの話題が出されるに違いないと、シンクとルークは身構え、逃げる準備をする。
逃げれるとしたら、自分たちの話題が出た瞬間。
その瞬間なら、自分たちのことを知らされていないものがほとんどの、この空間は驚愕に包まれるだろう。
意地の悪いジェイドやピオニーはその反応を見るために、皆のほうに注意を向けるだろうから、こっちにはそれほど注意を向けていないはずだ。
どんなに手だれでも、思いもかけないことが起これば、一瞬の隙が生まれるものだ。

どんなわずかな隙でも逃すものかといわんばかりに、シンクとルークはじっと会場を見つめた。

「あぁ、そうそう。ちなみにディストはマルクトの軍施設で、第二のエネルギーの開発のため、馬車馬のように働かせてますから。あとは・・・」



ジェイドの赤い瞳がちらりとシンクとルークを見る。
二人はその様子をじっと見詰めた。

緊張が一瞬にして高まる。



そのとき、不意に大きな音をたてて扉が開かれた。
みなの視線がいっせいに扉に集まり、外から、慌てた様子でアスターの使用人が転がり込んできた。

「どうしたのです。呼ぶまで誰も入らないように言ったはずですが」
「あ、あ、あアスター様・・・もうしわけ・・ございません。そと・・・そと・・・そとに・・・」

使用人は妙に慌てた様子で一度背後を振り返る。すると、そのまま体を硬直させた。


「これはこれは、皆様おそろいで」


その声が響いた瞬間、困惑していたあたりの雰囲気が、急に刺々しいものへと変わった。
しかし、その雰囲気をものともせず、その人物は悠然と会場にあしを踏み入れる。

「・・・モース!」

大きな体を揺らしながら、訪れた人物。
それは、にやりと嫌な笑みを張り付かせた、大詠師モースだった。









ひとこと
・・・モースの話し方忘れました。
大人数を登場させるのは、私の技量では難しいでございまする。
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「あ、いたいた。『ルーク』!アッシュー!」

アニスが二人の姿を見つけ、手を振ると、『ルーク』はぎこちない笑みを浮かべ、アッシュはふんっとそっぽを向いた。

「なによぉ。せっかくこのアニスちゃんが心配してやったっていうのに!」
「・・・それで・・・大丈夫だったの?」

ティアの心配そうな声音に、ルークがどこかぎこちない笑顔のまま応える。

「あ、ああ!ちょっと血中のフォニムが減ってるけど、心配ないってさ!」
「まぁ!よかったですわ。・・・アッシュは・・・どうでしたの?」
「・・・問題ない」
「こいつは何一つも問題ないぐらいの健康体だってさ」
「まぁ!」
「余計なことを言うな、屑」
「おいおい、それ位にして今日は休もうぜ。みな、疲れてるだろ」

そのまま、言い争いに発展しそうな『ルーク』とアッシュの会話を、ガイがさえぎる。
ガイの言うことがもっともだと判断されたのか、皆、それに異を唱えることなくそれに従った。

「あ、『ルーク』にアッシュは少し残っていただけますか?」
「え?」
「・・・なんだ」
「いえ、私なりにあなた方の体調を知っておきたいと思いまして。これから旅を続けるにあたり、あなた方の体調を診れるのは私だけですし?」
「それはいいですわ!そうして、頂いてくださいな、アッシュ」
「な・・・!」
「そうね。『ルーク』もその方がいいと思うわ」
「では、二人は残ってくださいね」

『ルーク』とアッシュの意思を無視した形でジェイドによる診察が決定され、他のメンバーは、宿へとかえることとなった。
残された『ルーク』の顔には、明らかにまずいというような心情が滲み溢れている。
ジェイドは、その表情を見て自分の考えが間違っていないことを確信した。

「・・・悪い子ですねぇ・・・また嘘をついて」
「・・・ジェイド・・・」
「あれだけの超振動。オリジナルであるアッシュでも本来なら生き残ることすら不可能だったでしょう。いくらアッシュの助けがあったと言っても、レプリカであるあなたに何事もないなど・・・。しかし、まぁ、私もあなたの嘘に騙されていてあげます。」
「え・・・」
「ただし、無茶はやめてください。それと、私があなたの体調を定期的にチェックしますから。・・・いいですね?」
「・・・うん。ありがとう、ジェイド」

『ルーク』は疲れた様子であれど、ほっとしたように微笑んだ。

「では、アッシュ。次はあなたです」
「・・・なんだ」
「これまで感じていた体の虚脱感も、現在はなくなりましたか?」

その言葉を聞いた瞬間、アッシュははじかれたようにジェイドを見た。
驚愕に彩られていた表情が、徐々に剣呑なものとなるまで、ジェイドはじっとアッシュを見つめた。
『ルーク』には何が何やらわからない様子で、心配そうにジェイドとアッシュを交互に見ている。

「・・・そこの屑が言ってただろう。俺に問題はない・・・・・・・なさすぎるぐらいにな」
「わかりました。念のため、あなたの体調も定期的に検査します。・・・いいですね?」
「ふん・・・勝手にしろ」
「あ!まってよ、アッシュ!」

話は済んだとばかりにきびすを返すアッシュを、『ルーク』が慌てて追いかけていく。
ジェイドは二人を見送ったあと、ふぅとため息をついた。




理論上、完全同位体は大爆発で融合し、オリジナルが生き残る。
そうなる前兆として、オリジナルは身体を構成する音素が徐々に乖離し、身体機能が低下する。
シュウ医師に秘密裏に見せてもらった以前のアッシュの検査データでは、それが見られていた。
7年の時を経て、大爆発が始まろうとしていたのは確かだ。
しかし、今はその兆候がなく、アッシュの音素はどこからか補完されている。

考えられるものは一つしかない。



自分が打ち立てた理論を覆すことが出来るほどの、不確定で非常識ともいえる存在。



あの頑固で何も言わない、へらりと笑ってごまかすルークを思い出し、ジェイドは頭痛を感じてこめかみを抑えた。

そう。考えられることは、あのルークがアッシュの乖離した音素を補完しただろうということ。
しかし、意識的に行われたことではないことだけは、あのルークの様子を見ていればよくわかる。
・・・だからこそ厄介だった。


理論とも、預言ともかけ離れた存在。



ジェイドは預言とも、ヴァンの目論見とも外れていく、この世界の軌跡を見た気がした。









ひとこと
あ、ルーク出てない。
これでアシュルクと言っている自分が情けなくなってきた・・・
皆様ごめーんなさーい
今日はシンルクを更新しました。
しかし、妙なことをしでかしたせいで、たったひとつのわがまま2が上に来てますorz

まぁ・・・気にせずに掘り返してください。
目が覚めると、まだ流れの中に在った。

「えっと…」

いまいち状況がつかめず、ルークはあたりを見回す。
自分の周りには何もなく、ただ一定方向に流れがあるだけ。

「これって・・・記憶粒子か?ってことは、どっかのセフィロトかな」

なんとなくだが、この場所がつかめたところで、今度は自分の姿を見下ろしてみた。
別になんら変わりはない様に見える。
しかし・・・

「げ、俺透けてる・・・?」

自分の目の前に手をかざしてみると、手の向こうに記憶粒子の流れが見える。
一瞬慌てたルークだったが、そういえば意識体だけを過去に送るとローレライが言っていたことを思い出し、落ち着いてもう一度辺りを見回した。
すると、記憶粒子の流れに乗って何かが落ちてくるのが見えた。
それが近づいてくるにつれ、人の形をしているのが見て取れた。

「あ・・・ヴァン・・・師匠」

戦いによってだろう。乱れた服装で傷ついたヴァンは瞳を閉じたままルークとすれ違って、更に地核の奥深くへと落ちていく。
その様子で、今が過去のどの辺なのか知ることができた。
徐々に遠ざかっていくヴァンの姿を、ルークは複雑な思いで見送った。

これから師匠はローレライを取り込み、やがて再び地上に戻るのだろう。
そして、利用されたモースが多くのレプリカを作り、被験者が死ぬ。
預言を読まされたイオンが死ぬ。
瘴気の中和のために多くのレプリカも死ぬ。
でも・・・

ルークは流されていく思考を振り払うように頭を振ると、無理やりにヴァンから視線を逸らした。

自分はこのときを変えるために戻ってきたわけではない。
たった一つの望み・・・あの瞬間を変えるためだけにここにいるのだ。

ルークは決意した瞳でヴァンが落ちていった方向と、逆の方向に目を向ける。
そして、記憶粒子の流れに逆らって地上へと向かった。




セフィロト部分に到達すると、過去の自分と仲間たちが出て行くところだった。
それを少し浮いたところから、不思議な面持ちで見つめた。
するとそのとき、一瞬ジェイドがこちらを振り返った。
あの赤い瞳で見つめられ、どきりとする。
そういえば、自分は今意識体だということは知っているが、他の人間に見えるのかまではわからない。
体が透けていたからてっきり見えないものだと思っていたが、まさか・・・見えるのだろうか。
そうなると、非常にまずい。
ルークは、内心冷汗をかきながら、ジェイドの動向を見守った。
目が合っている気がするが、怖くて逸らすことができない。

「…旦那、何やってるんだ?」
「…いえ、何でもありませんよ」

どうしようかとパニックになりかけたところで、天の助けとも思えるガイの一言。
そのおかげで、見つめあいの硬直状態が解消され、ジェイドがガイたちとともに去っていく。
その様子から、やはり自分は見えていなかったのだと、ほっと息をついた。

しかし、ここで新たな問題に気づく。

「・・・見えてねぇってことは、俺どうやってアッシュを助けりゃいいんだ?」

突き当たった一つの壁。
しかし、答えはおろか、助言をくれるものすらいない。

ルークは思わず頭を抱えた。

・・・旅はまだ始まったばかり。





☆未来ルークが飛ばされたのは、崩落編の終わりです。
 その後だとローレライはヴァンに捕まるから無理かなぁと。
 てか、最初からするのが面倒・・・
 ・・・ま、こんな感じですすめます。
アルビオールはケセドニア上空に到着後、街中に降りるわけにはいかないので、町のはずれに着陸した。
うとうとと眠っていたシンクは、アルビオールがケセドニア上空に差し掛かる少し前には目覚めていたが、運悪く寝ていたところをジェイドにみられていたらしく、

「いやぁ、気持ちよく眠れていいですねぇ。私は神経が過敏になっているのでしょうか。最近は眠りが浅くて・・・」

と、遠回しに暢気に寝られていいな、と嫌味を言われたために、むっつりと不機嫌になっている。
ルークはいつもは妙に冷静でいるシンクが感情をあらわにしているのが珍しくて、内心微笑む。

よく考えれば、シンクだってレプリカで、自分と大して年齢は変わらないはずだ。
でも、あのたびの最中のシンクはどこか達観しているというか、自分の生に執着がないような様子であったから、こうしてシンクが感情を出すのはルークにとっても、うれしいことであったりする。
・・・言ったら怒られるので、決してシンク本人に言ったりはしないが。

「何ニヤニヤしてるのさ」

そんな風にぼんやり考えていたら、隣から声がかかって驚く。
あわてて横を向くと、訝しそうな目で見てる(マルクト軍の仮面で見えないが視線を感じる)シンクがいた。
馬鹿正直に考えていたことを伝えるほど

「え?いや、さ。ここに来るのも久しぶりだなぁって」
「・・・ふぅん」
「・・・なんだよ」
「別に・・・そういうことにしといてあげるよ」
「おい、お前ら。さっさと歩かなきゃ、日が暮れちまうぞ」

シンクのにやりと笑う口元を見て、顔を引きつらせたルークは、後ろを歩くピオニーの声にせかされて、足を動かす。

何時に会議が始まるのか聞かされていないが、早いところ行ってしまおう。
嫌なことはさっさと済ませてしまうに限る。





会議の場所であるアスターの屋敷に到着すると、主のアスター自らがピオニーを迎えた。

「これはこれは・・・ピオニー九世陛下。お待ちしておりました。それにガルディオス伯爵にジェイド大佐も、お久しぶりでございます。他の皆様は少し前にお着きになりましたので、皆様もどうぞこちらへ」

アスターに案内されるままに、部屋に案内される。
扉の前に着いたルークとシンクは不本意ではあるが、自らが扉を開け、自分たちより目上にあたるアスターとピオニーらを通した。
通るとき、ガイだけがルークに笑いかけたが、それに応えるわけにも行かないので、ルークは無言で頭を下げた。
そして、皆が部屋に入った後にルークとシンクも部屋に入り、ピオニーの後ろ・・・壁際に控えた。
部屋の中央には円卓が設けられており、すでにダアトとキムラスカの代表が席についていた。

その代表をみて、ルークは我知らず緊張する。
別に疚しいことがあるわけではないが、できれば・・・あまり顔を合わせたくない。

『アッシュ・・・』

キムラスカ側には、席に着いた国王とナタリア。その後ろに今日は護衛としてきたのだろう・・・アッシュの姿があった。
ダアト側はイオンとユリアシティのテオドーロ市長。その後ろにはアニスとティアの姿があった。
アスターはイオンの隣に座り、ピオニーはイオンの向かい側に座るかたちとなり、その後ろにジェイドとガイが控えた。

・・・くしくも、あのたびに関わったもの全員がそろった形となった。

ルークはその光景を見て、ぎゅっとこぶしを握る。
あの時、シンクについていった自分の選択に後悔はない。
師匠を倒したことにもだ。
しかし、胸の中で何かがざわめく。
ここにいてはいけないような、そんな気持ちが・・・

落ち着きなく、そわそわし始めたルークの袖をシンクがなだめるように引く。
ただそれだけの動作であったが、今のルークには十分だった。



あの時、自分に居場所をくれた存在は、今もここにいて居場所を与え続けてくれる。
ならば、自分はここにいることができる。
この新緑色の存在が、自分の存在する意義であるのだから。


ルークは礼を言うようにシンクの袖を引き返すと、まっすぐに円卓を見た。

部屋の中央では、今まさに会議が開催されようとしていた。








あとがき
久しぶりに書きました・・・名前が曖昧・・・。
いろいろ間違ってるかも知れないっす。
変なとこあったら、優しく指摘してやってください。
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