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TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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ルークはレムの塔の中ほどあたりに浮いたまま、呆然していた。
手には、願っても消えないローレライの宝珠。

「あぁぁああああ・・・どうしよう。このまま戻ってもジェイドにばれるし、アッシュのとこにもいけないし」

悩んでみるが、いいことは浮かばない。
どんどん時間だけが経過していく。
そのとき、爆発音がし大きなものがレムの塔からどこかに飛んでいくのが見えた。
多分、ディストだろう。
ゴキブリ並みの生命力を誇る彼なら、たとえ多少歴史が変わっても無事に生き残ってくれるだろう。

・・・よし、ほっとこう。

問題はここからだ。
今からダアトに向かうはずだが、自分が近くにいすぎると宝珠が剣に反応してしまい、アッシュにばれる。
かといって、宝珠をどこかにおいてはいけないし・・・。

「・・・やっぱここで待つしかない・・・か」

ダアトで起こることが気になるが、こればかりはどうしようもない。
下を見ると、ちょうど昔の自分が慌ててアッシュを追いかけていくところ。
ルークはため息を一つつくと、祈るような思いでそれを見送った。




・・・あのルークは追ってきてないみたいですね。

アルビオールの中、そして、ダアトの中をくるりと見渡した。
相変わらず、彼の行動は読めない。

科学者として、未来から来たという存在に興味がないと言うことはないが、未来についてなど、今の自分が聞いていいことでもないし、踏み込んでもいいような話でもない。
だからこそ、監視と言う名目で側においてみておくことにしたのだが、結局わかったことは、あのルークはきわめてローレライと酷似した存在であることと、アッシュのためにやってきたらしいということのみ。
アッシュのためといっても、それが具体的に何で、いつなのかとかいうことはわからない。

ジェイドは深々とため息をつく。
どうも、あの子どもを前にすると心をかき乱される自分がいる。

私らしくもない・・・。

ジェイドはゆっくりと顔を上げて、三人の権力者のほうを見た。
今、これからのことへの意見交換が行われている。
そして、その中心はアッシュが提示した瘴気の中和、レプリカの保護案。
それに事情を知る自分たちが事情を説明すれば、おそらくこの案が可決されるだろう。
そして、それには自分は残酷な一言をここで告げる必要がある。



『俺は、後悔してないぜ。ジェイド』



あの子どもが言った言葉。
おそらく、彼の知るかつての自分も絶対にこの言葉は告げる。
それは、ジェイドが持つ知識、考案した理論から推測される最善の結果だ。
彼や仲間たちには残酷でも、世界にはもっとも望ましい結果。

そう確信しているからこそ、自分は告げる。


残すなら、レプリカではなくオリジナルだ、と。


後押しとなるのは自分への自信と、彼の言葉。
彼の言葉を利用するような自分の思考に苦笑を浮かべながらも、ジェイドは口を開いた。
この混乱した場に更なる一石を投じるために。


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ただの独り言なので、興味ある方だけどーぞ。
というか、ただの自己満足なので、楽しくはないと思います(ぁ)

「……で、何これ」
「何って・・・ブウサギだよ」
「それは見ればわかるよ。なんでこんなものがここにいるのかって聞いてるの」

着替えを済ませて下に降りてきた二人が目にしたのは、たくさんのブウサギに囲まれて苦笑いを浮かべるガイの姿。
シンクはガイとブウサギとを交互に見つめて、眉をひそめた。

「こいつらはな…陛下のペットだ」
「ペット?」
「そう。ピオニー陛下は無類のブウサギ好きだ」
「ふーん。やっぱ、あの人って変わってるな」
「変人でしょ」
「おいおいお前ら・・・人前でそんなこと言うなよ?相手は一国の主なんだから」

二人の率直すぎる意見を一応は諌めるガイだったが、そう言いながらも苦笑いを浮かべているところを見ると、彼自身もピオニーを変わっていると認識しているのだろう。
ルークはブウサギの前にしゃがみこむと、彼らをじっと見つめた。

「なぁ・・・こいつらって何て名前なんだ?」
「・・・え?いや・・・名前は・・・」

ルークが何気なく呟いたその言葉に、ガイの動きが一瞬止まった。

「なんか、高級そうな首輪ついてるし、ないってことはないよな?」
「それとも、世話してるのに見分けつかないとか?」

ルークとシンクの二人に見つめられ、ガイは頭をかく。
名前はあるし、自分はしっかり見分けもついているが・・・ほんとうにそれを教えてしまってもいいものか。
しかし、どうせいつかはばれるだろう。
ガイは一つため息をつくと、一匹一匹を指差し始めた。

「あっちにいるのがアスラン。んで、そこにいるのがネフリー」
「「ネフリー?」」
「そう。お前らが陛下に捕まったときに探してたのはこいつだよ」
「俺たちって・・・」
「ブウサギが原因で捕まったみたいだね」

複雑そうな表情でネフリーを見つめる二人に、苦笑を浮かべながらガイは説明を続ける。

「んで、こっちにいるのがサフィール」
「サフィール?」
「その横がジェイド」
「ジェイド!?」
「一番右が・・・・・・ルーク」
「「・・・・・・」」

沈黙が流れるところに、むなしくブウサギの声だけが響く。

「やっぱりあの人って・・・」
「変人だね」
「てか、よくジェイドが許してるなー」
「旦那も陛下には勝てないからな」

「誰が俺に勝てないって?」
「陛下?!」

突然かかった声に慌てて後ろを向くと、ブウサギを小脇に抱えたピオニーが楽しそうな表情でたっていた。
ガイはピオニーの抱えているブウサギを見て、顔を引きつらせた。

「陛下・・・また、増やすんですか」
「ん?ああ。可愛いだろう?」

確かに、今いるブウサギたちよりも一回り小さくて可愛いといえば可愛いが、既にこんなにいるのに、もう増やしてなんて欲しくないというのが本音である。
しかし、ガイの願いとは裏腹に、そのブウサギにはしっかり首輪までついている。
・・・どうやら、飼うことは決定らしい。

「今朝、エンゲーブのやつが連れてきてな。ガイラルディア、こいつの世話も頼むぞ」
「・・・わかりました」
「んで、こいつの名前はシンクだ」

空気が凍るというのはこういうときだろうか。
聞いてはいけない事を聞いてしまった。

「えっと・・・名前が何て?」
「シンクだ。いい名前だろ?」

悪気があるのかないのか、笑みを浮かべながら言うピオニーに、シンクの殺気だった視線が送られる。

「緑のは何を怒っている?」
「いや・・・陛下。流石に一緒の名前付けられれば怒りますって」
「なんだ。緑のもシンクって言うのか。なんせ俺は緑のの名前を聞いていないからなぁ。偶然だ偶然」


・・・うそくせぇ。


確かに、シンクとルークは自分たちから名は名乗っていないが、自分たちの名前をピオニーが知らないはずがない。
明らかに確信犯である。

ルークがピオニーは変な人だと認識を強めている横で、シンクがおもむろに構えを取った。
今にも秘奥義でも放ちそうなシンクを、ルークが慌てて背後から抱きつくことでとめる。

「おとなしく離して、遠くで見てなよレンティス」
「放せないって!落ち着けよシンク!まずいって」

何とか落ち着けようとするルークをよそに、ピオニーはブウサギのシンクを抱えあげる。

「これから可愛がってやるからな~。シンク」

そして、ブウサギにキス。


「・・・とりあえず、目を覚まさせてあげるよ」
「ちょ、シンク!落ち着けって!」

その後、何とか部屋にシンクを連れ戻したが、部屋の壁には拳がめり込んだあとがしっかりと刻まれることになった・・・。
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