TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。
出版元・製作元様方には一切関係ありません。
また、突然消失の可能性があります。
嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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こんなブログサイトに足を運んでくださっている皆様には大変申し訳ないのですが、ただいま管理人はインターネット断絶状態にあります。
…ま、ただ単に引っ越してまだネットつながってないだけなんですが…。
そして、2月には今年の明暗を左右する試験があり、ちょっと更新できるか怪しいです。
9割がた…こいつ更新しねぇな…と思っといてください(オイ)。
2月を生きたまま無事に乗り越えたら更新します。
それまで脳内で妄想をねっときますので、お許しください。
最後に、コメントいただいておきながら返信できないへたれをお許しください…ネットに復帰し次第お返事させていただきます。
管理人 時峰
…ま、ただ単に引っ越してまだネットつながってないだけなんですが…。
そして、2月には今年の明暗を左右する試験があり、ちょっと更新できるか怪しいです。
9割がた…こいつ更新しねぇな…と思っといてください(オイ)。
2月を生きたまま無事に乗り越えたら更新します。
それまで脳内で妄想をねっときますので、お許しください。
最後に、コメントいただいておきながら返信できないへたれをお許しください…ネットに復帰し次第お返事させていただきます。
管理人 時峰
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「まずは、ローレライ教団の導師として、世界を救ってくださったあなた方にお礼を言わせてください。ありがとうございました」
「そんなもの、必要ないね。僕らはやりたいことをやっただけだ。世界ともお前らとも何の関係もない」
イオンの謝礼を一蹴するシンクに、イオンは苦笑する。
「でも、この世界で生きていられるのはあなた方がヴァンを止めてくれたからです。あなた方の目的はどうであれ、それは事実。それに、僕があなた方に感謝しているのも事実です。だからやはり、言わせてもらいます。ありがとうございました」
再び深々と頭を下げるイオンに、ルークは少し照れくさそうに頭をかき、シンクは不機嫌そうに視線を逸らした。
対照的な様子の二人を見比べ、イオンは笑う。
そして、柔らかな笑みを浮かべたまま二人に近づく。
そして、ルークの目の前で足を止めると、おもむろに手を差し出した。
ルークはわけがわからず、首をかしげる。
「・・・今更、と思われるかもしれませんが・・・あなたの名前を教えていただけませんか?」
「え?」
「僕はもう一度、あなたと友達になりたい。・・・だめ・・・ですか?」
どこか悲しげな表情で言う、イオンをみて、始めは面食らっていたルークだったが、照れくさそうに笑ってイオンの手をとった。
「レンティス・・・だよ。よろしくな、イオン」
「はい。こちらこそよろしくおねがいします、レンティス」
ほんわかとしたムードを流す二人を
父親のような気持ちで眺めるものが一人。
なんか面白くなさそうに見ているものが一人。
面白がっているものが一人。
親離れされたような複雑な胸中のものが一人。
かわいい・・・と思い、頬を染めているものが一人
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「おい。貴様らこれからどうする気だ」
ほんわかムードを打ち破ったのは、ローレライ教団の服は脱ぎ捨てたものの、あいかわらず髪は上げたまま、眉間に皺寄せたままのアッシュだった。
誰かから問われるだろうとは思っていたが、意外にも、アッシュからその話が振られたことに、ルークは目を丸くした。
どうする?と目でシンクに問いかけると、シンクは肩をすくめて見せるだけ。
どうやら、アッシュの問いは無視する方向らしい。
しかし、そのシンクの反応に怒らないアッシュではない。
「シンク!」
と叫び、掴みかかりそうな勢いのアッシュを、隣にいたナタリアが慌てて止める。
幼少の頃からの刷り込みか、ナタリアには逆らえないアッシュは、立ち止まったが、視線はシンクから離そうとしない。
そこへ更なる爆弾を落としたのは、いままで面白そうに成り行きを見守っていたピオニーだった。
「あ、そいつらは俺が雇うからな。かってにとるんじゃねーぞ」
「なんだと?」
「・・・陛下・・・あいつらまだ了承してないですよ、それ」
「あ?了承してなくても、話持ちかけたのは俺が先だから、優先順位はうちが一番だろ?」
「えー!そんなのなしですよう。教団だって今、人員不足してるんですからぁ。ね、イオン様」
「・・・僕も、彼らが手伝ってくれると嬉しいのですが・・・」
「ほら!イオン様もこういってますし!まだ了承のない約束なんて無効ですぅ!」
「でも・・・彼らの意見も聞くべきじゃないかしら」
「・・・そいつらに決めさせればいいじゃねぇか」
「ええ!それがいいですわ!」
「・・・だ、そうです。どうしますか、陛下?」
「俺は、俺が雇うって決めてるからな」
シンクとルーク、そしておそらくラルゴの意思をも無視して繰り広げられる話し合い。
しかし、世界を左右する話し合いはあっさり決まったのに、この話し合いは終結する様子を全く見せない。
ティアやガイといった苦労性の面々が呆れ始めた頃、ガラスの割れる音が響き渡った。
その犯人は言わずと知れた三人組。
計画:シンク、実行:ラルゴ、補佐:ルークである。
人々が話し合っている(もめている)間に、影でシンクが合図し、ラルゴに窓を割らせたのだ。
皆が音がした方向を見たときには、ラルゴは既に階下へ飛び降りたあと。
ルークとシンクは、今まさに飛び降りようとしているところだった。
「あー!!」
「待て、貴様ら!」
「悪いけど、もうあんたたちに関わる気なんてないから」
「ごめんな、イオン。俺もうちょっと、シンクと一緒に旅したいからさ」
「ほら、余計なこと言ってないで行くよ」
「わかってるって。じゃあな」
二人は身軽に窓から飛び降りる。
イオンが窓から階下を見下ろしたときには、既に三人の背は小さくなっていた。
それを見て、イオンは笑う。
「やっぱり、彼らにはああいうのが似合いますね」
「いいんですか?逃げられちゃいましたよぉ」
「いいんですよ。また、会えますし」
「・・・かわいかったなぁ」
「ティア?」
「え?な、なんでもないわ」
「・・・ジェイド。逃がしたな?」
「いえいえ、滅相もない。年をとるととっさの反応が出来なくなりましてねぇ。・・・ま、陛下。簡単に手に入っても面白くないでしょう?」
「たしかにな。じっくり捕まえるとするか」
「・・・頑張って逃げろよ」
「にげやがったな・・・」
「残念ですわね・・・でも、元気そうでよかったですわ。あなたも安心したんではなくて?」
「ふん、だれがあんな屑・・・」
「あら、だれもレンティスのことだなんて言っていませんわ」
「・・・・・・」
後に残された人々が様々な反応をしている頃、逃げた三人は町を出る船に飛び乗っていた。
「なんか、案外あっさりにげれたな」
「他はどうだか知らんが、死霊使いは明らかに見逃したな。あの男があれだけ時間のある中で、譜術を使えなかったとは思えん」
「でもさ、逃げられたんだからいいじゃん。な、シンク」
「・・・お気らくだね。」
「なんだよ・・・また旅できるんだからいいじゃん」
「追っ手がかかるかもしれないから、しばらくは大人しくして歩いたほうがいいかもね」
「え~」
「ならば二人とも、俺についてくるか?」
「あんたに?」
「俺は今、漆黒の翼のところに厄介になっている」
「へ~・・・じゃ、あいつらの隠れ家みたいなトコにいくの?」
「ああ」
「面白そうじゃん!シンク、行こう!」
「はいはい、わかったよ」
「やった」
「ならば、行くか」
「また三人で旅だな。すっげぇ楽しみ」
「・・・腐れ縁だね」
「まぁ、そういうな」
「いいじゃん、楽しいし」
「・・・ま、悪くないね」
潮風を浴びながら、三人は笑う。
二度と集まることはないと思っていた三人が再び集まって、また旅をする。
行き先は気ままに。
今度の旅の時間は、まだたっぷりあるのだから・・・
END
あとがき
え?終わり微妙?
まぁ、でも、とりあえず全員の台詞が出せて私は満足です。
でも、あんまりべたべたしたシンルクかけてないな・・・もうちょっと甘くてもよかったような・・・。
まぁ、また今度考えます。
「そんなもの、必要ないね。僕らはやりたいことをやっただけだ。世界ともお前らとも何の関係もない」
イオンの謝礼を一蹴するシンクに、イオンは苦笑する。
「でも、この世界で生きていられるのはあなた方がヴァンを止めてくれたからです。あなた方の目的はどうであれ、それは事実。それに、僕があなた方に感謝しているのも事実です。だからやはり、言わせてもらいます。ありがとうございました」
再び深々と頭を下げるイオンに、ルークは少し照れくさそうに頭をかき、シンクは不機嫌そうに視線を逸らした。
対照的な様子の二人を見比べ、イオンは笑う。
そして、柔らかな笑みを浮かべたまま二人に近づく。
そして、ルークの目の前で足を止めると、おもむろに手を差し出した。
ルークはわけがわからず、首をかしげる。
「・・・今更、と思われるかもしれませんが・・・あなたの名前を教えていただけませんか?」
「え?」
「僕はもう一度、あなたと友達になりたい。・・・だめ・・・ですか?」
どこか悲しげな表情で言う、イオンをみて、始めは面食らっていたルークだったが、照れくさそうに笑ってイオンの手をとった。
「レンティス・・・だよ。よろしくな、イオン」
「はい。こちらこそよろしくおねがいします、レンティス」
ほんわかとしたムードを流す二人を
父親のような気持ちで眺めるものが一人。
なんか面白くなさそうに見ているものが一人。
面白がっているものが一人。
親離れされたような複雑な胸中のものが一人。
かわいい・・・と思い、頬を染めているものが一人
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「おい。貴様らこれからどうする気だ」
ほんわかムードを打ち破ったのは、ローレライ教団の服は脱ぎ捨てたものの、あいかわらず髪は上げたまま、眉間に皺寄せたままのアッシュだった。
誰かから問われるだろうとは思っていたが、意外にも、アッシュからその話が振られたことに、ルークは目を丸くした。
どうする?と目でシンクに問いかけると、シンクは肩をすくめて見せるだけ。
どうやら、アッシュの問いは無視する方向らしい。
しかし、そのシンクの反応に怒らないアッシュではない。
「シンク!」
と叫び、掴みかかりそうな勢いのアッシュを、隣にいたナタリアが慌てて止める。
幼少の頃からの刷り込みか、ナタリアには逆らえないアッシュは、立ち止まったが、視線はシンクから離そうとしない。
そこへ更なる爆弾を落としたのは、いままで面白そうに成り行きを見守っていたピオニーだった。
「あ、そいつらは俺が雇うからな。かってにとるんじゃねーぞ」
「なんだと?」
「・・・陛下・・・あいつらまだ了承してないですよ、それ」
「あ?了承してなくても、話持ちかけたのは俺が先だから、優先順位はうちが一番だろ?」
「えー!そんなのなしですよう。教団だって今、人員不足してるんですからぁ。ね、イオン様」
「・・・僕も、彼らが手伝ってくれると嬉しいのですが・・・」
「ほら!イオン様もこういってますし!まだ了承のない約束なんて無効ですぅ!」
「でも・・・彼らの意見も聞くべきじゃないかしら」
「・・・そいつらに決めさせればいいじゃねぇか」
「ええ!それがいいですわ!」
「・・・だ、そうです。どうしますか、陛下?」
「俺は、俺が雇うって決めてるからな」
シンクとルーク、そしておそらくラルゴの意思をも無視して繰り広げられる話し合い。
しかし、世界を左右する話し合いはあっさり決まったのに、この話し合いは終結する様子を全く見せない。
ティアやガイといった苦労性の面々が呆れ始めた頃、ガラスの割れる音が響き渡った。
その犯人は言わずと知れた三人組。
計画:シンク、実行:ラルゴ、補佐:ルークである。
人々が話し合っている(もめている)間に、影でシンクが合図し、ラルゴに窓を割らせたのだ。
皆が音がした方向を見たときには、ラルゴは既に階下へ飛び降りたあと。
ルークとシンクは、今まさに飛び降りようとしているところだった。
「あー!!」
「待て、貴様ら!」
「悪いけど、もうあんたたちに関わる気なんてないから」
「ごめんな、イオン。俺もうちょっと、シンクと一緒に旅したいからさ」
「ほら、余計なこと言ってないで行くよ」
「わかってるって。じゃあな」
二人は身軽に窓から飛び降りる。
イオンが窓から階下を見下ろしたときには、既に三人の背は小さくなっていた。
それを見て、イオンは笑う。
「やっぱり、彼らにはああいうのが似合いますね」
「いいんですか?逃げられちゃいましたよぉ」
「いいんですよ。また、会えますし」
「・・・かわいかったなぁ」
「ティア?」
「え?な、なんでもないわ」
「・・・ジェイド。逃がしたな?」
「いえいえ、滅相もない。年をとるととっさの反応が出来なくなりましてねぇ。・・・ま、陛下。簡単に手に入っても面白くないでしょう?」
「たしかにな。じっくり捕まえるとするか」
「・・・頑張って逃げろよ」
「にげやがったな・・・」
「残念ですわね・・・でも、元気そうでよかったですわ。あなたも安心したんではなくて?」
「ふん、だれがあんな屑・・・」
「あら、だれもレンティスのことだなんて言っていませんわ」
「・・・・・・」
後に残された人々が様々な反応をしている頃、逃げた三人は町を出る船に飛び乗っていた。
「なんか、案外あっさりにげれたな」
「他はどうだか知らんが、死霊使いは明らかに見逃したな。あの男があれだけ時間のある中で、譜術を使えなかったとは思えん」
「でもさ、逃げられたんだからいいじゃん。な、シンク」
「・・・お気らくだね。」
「なんだよ・・・また旅できるんだからいいじゃん」
「追っ手がかかるかもしれないから、しばらくは大人しくして歩いたほうがいいかもね」
「え~」
「ならば二人とも、俺についてくるか?」
「あんたに?」
「俺は今、漆黒の翼のところに厄介になっている」
「へ~・・・じゃ、あいつらの隠れ家みたいなトコにいくの?」
「ああ」
「面白そうじゃん!シンク、行こう!」
「はいはい、わかったよ」
「やった」
「ならば、行くか」
「また三人で旅だな。すっげぇ楽しみ」
「・・・腐れ縁だね」
「まぁ、そういうな」
「いいじゃん、楽しいし」
「・・・ま、悪くないね」
潮風を浴びながら、三人は笑う。
二度と集まることはないと思っていた三人が再び集まって、また旅をする。
行き先は気ままに。
今度の旅の時間は、まだたっぷりあるのだから・・・
END
あとがき
え?終わり微妙?
まぁ、でも、とりあえず全員の台詞が出せて私は満足です。
でも、あんまりべたべたしたシンルクかけてないな・・・もうちょっと甘くてもよかったような・・・。
まぁ、また今度考えます。
こんな、のろのろ更新のブログサイトにおこしくださった皆様、すっかり年も明けてしまいましたが、あけましておめでとうございます。
新年早々、更新滞っており、申し訳ございません。
ただいまちょっと、ごたごたしてますので、もうちょっとしたら再会しようかと思ってます。
・・・別に、サボってるわけではないですよ?
ただちょっと、運命の物語1&2をやったりはしてますが・・・
今年は連載の完結を目標に頑張りまーす。
新年早々、更新滞っており、申し訳ございません。
ただいまちょっと、ごたごたしてますので、もうちょっとしたら再会しようかと思ってます。
・・・別に、サボってるわけではないですよ?
ただちょっと、運命の物語1&2をやったりはしてますが・・・
今年は連載の完結を目標に頑張りまーす。
管理人は帰省のため、7日までネット環境から消えます。
記事の投稿は携帯からも可能ですので、時間が許せば小話の続きは書いていきたいと思います。
しかし、話を書いても、記事の編集が携帯からでは出来ないので、目録には反映されませんので、御了承ください。
あと、同時期はコメント・メルフォへのお返事もできなくなります。
申し訳ありません。
では、皆様、風邪等に気をつけてお過ごしください。
記事の投稿は携帯からも可能ですので、時間が許せば小話の続きは書いていきたいと思います。
しかし、話を書いても、記事の編集が携帯からでは出来ないので、目録には反映されませんので、御了承ください。
あと、同時期はコメント・メルフォへのお返事もできなくなります。
申し訳ありません。
では、皆様、風邪等に気をつけてお過ごしください。
「失礼する」
フードを目深にかぶった大男が発した低い声。
それだけで、男が誰であるのか悟ったシンクは、深々とため息をついた。
僕とレンティスだけでもここから逃げるのは厄介なのに・・・あんたまで首突っ込んでこないでよね。
シンクの心の声など知りもしないだろうが、面倒ごとを増やしてくれた相手を、睨みつけてやった。
一方、ルークのほうは入ってきた大男に目を向けて、首をかしげた。
あの体躯、あの声・・・
どっかできいたことがあるような・・・・・・
「あ」
ルークは思い出したといわんばかりに、ぽん、と手を叩くと嬉しそうに微笑んだ。
「ラルゴ」
その一言は、大男が踏み込んだせいで騒がしかったはずの室内に、妙に良く響いた。
しかし、その声を耳にして、一同が視線を集めたのは大男ではなく、その言葉を発した、一見してはただのマルクト兵である、ルークだ。
自分に注目が集まったのを目にしたルークが、異様な雰囲気に一歩ひく。
そのとき、イオンは信じられないとばかりに大きな目を見開いて、立ち上がった。
「あなたは・・・まさか・・・」
完全にばれた。
どうしようというように、ルークはシンクのほうに顔を向けるが、シンクは再び深々とため息をついて、モースに突きつけた刃はそのままに、軽く肩をすくめて見せるだけ。
動揺を露にするルークを見て、耐えられないとばかりに、大男が肩を震わせた。
大男はおもむろにフードを取り去ると、まだ笑いに細められた瞳でルークを見た。
「久しぶりだな、レンティス。また再び会えて何よりだ」
「ラルゴ・・・もういいよ、レンティス。そのあたまの、とっちゃって」
自分に集まる視線に戸惑いながらも、ルークはマルクト軍の冑を外した。
ふわりと、朱色の髪が舞い、窓から差し込んだ光をはじいた。
「久しぶり、ラルゴ。またあんたと会えて、俺も嬉しい」
そう言って、笑うその姿は、ここにいる誰もが長い間探してきた者の姿だった。
アッシュやイオンらは何か言いたげな視線で、ルークを見つめる。
しかし、シンクにとってはルークにいらぬちょっかいをかけるアッシュらは邪魔なことこの上ない。
不機嫌な様子を隠そうともせず、シンクはラルゴに声をかける。
「で、あんたはこんなとこまで何しに来たのさ」
「あぁ、忘れるところだった」
ラルゴは引きずっていた男を軽々と投げる。
投げられた男は綺麗な弧を描き、皆が囲んでいた円卓の中央に叩きつけられた。
男はつぶれたような声を上げ、弱弱しく何度も咳き込んだ。
イオンを庇うようにして立っていたアニスが、円卓の中央に落とされた男を見て、大声を上げた。
「あー!!イオン様、こいつモースの子飼いの奴ですよぉ」
その声に、モースの目が驚愕に染まる。
そして、その人物が誰であるのかを悟ったモースは、見る見る青くなった。
なぜならば、その男は自分がイオンがレプリカであると公表するために放った男であったからだ。
自分の計画が完全に阻止されたのを知り、モースは愕然とする。
そこへ、追い討ちをかけるように、ラルゴの声が降りかかった。
「モース。貴様が情報をまくよう依頼をしようとした暗闇の夢からの伝言だ」
「え・・・?」
「暗闇の夢だって!?」
驚くガイたちを尻目に、ラルゴは言葉を続ける。
「何をどれだけもらおうと、要求を受け入れることは、絶対にしない・・・だそうだ。頼む相手を間違ったな、モース。お前は墓穴を掘った。もう手遅れだ。」
「なに・・・?」
「窓の外を見てみろ」
窓の外、といわれ。一番窓際近くにいたルークが窓を開け、外をのぞいた。
すると、目にはいったのは大勢の人だかり。
ここまで聞こえてくる喧騒が、外で何が行われているのかを容易に伝えてくる。
『ユリアの預言には世界の滅亡が詠まれていた。それにもかかわらず、大詠師モースはそれを押し通そうとしたんだ!導師イオンは、それを阻み、世界を滅亡の道から外したんだ!その救世主たる導師イオンを、モースは害して、再び世界を滅亡の道に戻そうとしている!こんなことが許されていいと思うのかい!?』
『許されるわけがねぇ!』
『そうだ!』
『モースをこのままにしておけるか!』
『導師をお救いするんだ』
すさまじい人、喧騒。
それを聞き、モースは更に顔を青くしやがてがっくりと膝をついた。
イオンは、民衆の心を受け止め、静かに瞳を閉じた。
この騒ぎを鎮めるために、しばらくは忙しさに翻弄されるだろう。
しかし、民衆が自分たち自身で行動を起こし、未来を掴む様に向かっていっているのならば、これから先、大丈夫なような気がしていた。
やがて、瞳を開けたイオンは、ひた、とモースを見つめて口を開いた。
「モース、あなたたちの身を拘束させてもらいます。身の処遇は話し合いを行い、追って伝えます」
「連れて行きなさい」
ティアの声が響くと、部屋の入り口で待機していた神託の盾兵士がモースや円卓上に投げられたモースの側近を運び出していく。
モースへの報復を不完全なまま奪い取られてしまった、シンクは少し苛立たしげにモースを見送ったが、ルークが自分の横に立ったことを機に、肩の力を抜いた。
モースの件は一応かたがついたが、シンクやルークにとっての問題はここからだ。
問題が片付き、自分たちの存在がばれてしまった以上、次の追及の手は自分たちに伸びてくるだろう。
上手く逃げ出さなくては、この先、拘束され続ける可能性もある。なにせ、シンク、ラルゴ、ルークの三人はヴァンの策略に従い、多くの血を流した経験がある。世間的に見れば、立派な犯罪者である。
罪は罪ではあるが、そのためにおとなしく拘束される気など、シンクには毛頭ない。
シンクは、ルークとついでにラルゴにも視線をやり、すきあれば逃げるということを示唆する。
ルークもラルゴもそれを了承したと、わずかに頷くことで返した。
そして、イオンたちのほうに視線を戻すと、イオンが今まさに口を開こうとしているところだった・・・。
フードを目深にかぶった大男が発した低い声。
それだけで、男が誰であるのか悟ったシンクは、深々とため息をついた。
僕とレンティスだけでもここから逃げるのは厄介なのに・・・あんたまで首突っ込んでこないでよね。
シンクの心の声など知りもしないだろうが、面倒ごとを増やしてくれた相手を、睨みつけてやった。
一方、ルークのほうは入ってきた大男に目を向けて、首をかしげた。
あの体躯、あの声・・・
どっかできいたことがあるような・・・・・・
「あ」
ルークは思い出したといわんばかりに、ぽん、と手を叩くと嬉しそうに微笑んだ。
「ラルゴ」
その一言は、大男が踏み込んだせいで騒がしかったはずの室内に、妙に良く響いた。
しかし、その声を耳にして、一同が視線を集めたのは大男ではなく、その言葉を発した、一見してはただのマルクト兵である、ルークだ。
自分に注目が集まったのを目にしたルークが、異様な雰囲気に一歩ひく。
そのとき、イオンは信じられないとばかりに大きな目を見開いて、立ち上がった。
「あなたは・・・まさか・・・」
完全にばれた。
どうしようというように、ルークはシンクのほうに顔を向けるが、シンクは再び深々とため息をついて、モースに突きつけた刃はそのままに、軽く肩をすくめて見せるだけ。
動揺を露にするルークを見て、耐えられないとばかりに、大男が肩を震わせた。
大男はおもむろにフードを取り去ると、まだ笑いに細められた瞳でルークを見た。
「久しぶりだな、レンティス。また再び会えて何よりだ」
「ラルゴ・・・もういいよ、レンティス。そのあたまの、とっちゃって」
自分に集まる視線に戸惑いながらも、ルークはマルクト軍の冑を外した。
ふわりと、朱色の髪が舞い、窓から差し込んだ光をはじいた。
「久しぶり、ラルゴ。またあんたと会えて、俺も嬉しい」
そう言って、笑うその姿は、ここにいる誰もが長い間探してきた者の姿だった。
アッシュやイオンらは何か言いたげな視線で、ルークを見つめる。
しかし、シンクにとってはルークにいらぬちょっかいをかけるアッシュらは邪魔なことこの上ない。
不機嫌な様子を隠そうともせず、シンクはラルゴに声をかける。
「で、あんたはこんなとこまで何しに来たのさ」
「あぁ、忘れるところだった」
ラルゴは引きずっていた男を軽々と投げる。
投げられた男は綺麗な弧を描き、皆が囲んでいた円卓の中央に叩きつけられた。
男はつぶれたような声を上げ、弱弱しく何度も咳き込んだ。
イオンを庇うようにして立っていたアニスが、円卓の中央に落とされた男を見て、大声を上げた。
「あー!!イオン様、こいつモースの子飼いの奴ですよぉ」
その声に、モースの目が驚愕に染まる。
そして、その人物が誰であるのかを悟ったモースは、見る見る青くなった。
なぜならば、その男は自分がイオンがレプリカであると公表するために放った男であったからだ。
自分の計画が完全に阻止されたのを知り、モースは愕然とする。
そこへ、追い討ちをかけるように、ラルゴの声が降りかかった。
「モース。貴様が情報をまくよう依頼をしようとした暗闇の夢からの伝言だ」
「え・・・?」
「暗闇の夢だって!?」
驚くガイたちを尻目に、ラルゴは言葉を続ける。
「何をどれだけもらおうと、要求を受け入れることは、絶対にしない・・・だそうだ。頼む相手を間違ったな、モース。お前は墓穴を掘った。もう手遅れだ。」
「なに・・・?」
「窓の外を見てみろ」
窓の外、といわれ。一番窓際近くにいたルークが窓を開け、外をのぞいた。
すると、目にはいったのは大勢の人だかり。
ここまで聞こえてくる喧騒が、外で何が行われているのかを容易に伝えてくる。
『ユリアの預言には世界の滅亡が詠まれていた。それにもかかわらず、大詠師モースはそれを押し通そうとしたんだ!導師イオンは、それを阻み、世界を滅亡の道から外したんだ!その救世主たる導師イオンを、モースは害して、再び世界を滅亡の道に戻そうとしている!こんなことが許されていいと思うのかい!?』
『許されるわけがねぇ!』
『そうだ!』
『モースをこのままにしておけるか!』
『導師をお救いするんだ』
すさまじい人、喧騒。
それを聞き、モースは更に顔を青くしやがてがっくりと膝をついた。
イオンは、民衆の心を受け止め、静かに瞳を閉じた。
この騒ぎを鎮めるために、しばらくは忙しさに翻弄されるだろう。
しかし、民衆が自分たち自身で行動を起こし、未来を掴む様に向かっていっているのならば、これから先、大丈夫なような気がしていた。
やがて、瞳を開けたイオンは、ひた、とモースを見つめて口を開いた。
「モース、あなたたちの身を拘束させてもらいます。身の処遇は話し合いを行い、追って伝えます」
「連れて行きなさい」
ティアの声が響くと、部屋の入り口で待機していた神託の盾兵士がモースや円卓上に投げられたモースの側近を運び出していく。
モースへの報復を不完全なまま奪い取られてしまった、シンクは少し苛立たしげにモースを見送ったが、ルークが自分の横に立ったことを機に、肩の力を抜いた。
モースの件は一応かたがついたが、シンクやルークにとっての問題はここからだ。
問題が片付き、自分たちの存在がばれてしまった以上、次の追及の手は自分たちに伸びてくるだろう。
上手く逃げ出さなくては、この先、拘束され続ける可能性もある。なにせ、シンク、ラルゴ、ルークの三人はヴァンの策略に従い、多くの血を流した経験がある。世間的に見れば、立派な犯罪者である。
罪は罪ではあるが、そのためにおとなしく拘束される気など、シンクには毛頭ない。
シンクは、ルークとついでにラルゴにも視線をやり、すきあれば逃げるということを示唆する。
ルークもラルゴもそれを了承したと、わずかに頷くことで返した。
そして、イオンたちのほうに視線を戻すと、イオンが今まさに口を開こうとしているところだった・・・。