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TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
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ユリアロードから外殻大地に来たティアとミュウは逸る心を抑えて、アラミス湧水洞を歩いていた。

「ご主人様…いないですの…」
「そうね…だいぶ離されてしまったのかもしれないわ」
「みゅうぅぅ」

しょぼくれるミュウを宥めながら、ティアは出口を目指して歩み続けた。
しかしそのとき、何者かの気配を感じてとっさに歩みを止める。

「誰!?」
「その声…ティアか?」

姿を見せた相手の姿に、ティアは目を見開く。

「ガイ…!あなた、アッシュと一緒に行ったんじゃなかったの?」
「ルークが気になってな…。ティア、ルークは?」
「それが…」

ルークがいなくなったこと。
アクゼリュスの件…そしてホドの崩落すらも預言に読まれていたことだということ。
ヴァンは預言を恨み、この世界を滅ぼすつもりなのではないかということ。

ティアの話を聞けば聞くほど、ガイの顔は険しくなっていく。

「それが本当だとしたら…何としてもヴァンを止める必要があるな」
「ええ」
「クソ…ッ!とにかく、ここを出よう」

無理なモンスターとの戦闘は避け、ひたすらに出口を目指す。
しかし、悪いことは重なるもので…

「ガイ!!」
「ジェイドに…アッシュ!?」
「ナタリアとイオン様がモースに軟禁されました!!」
「このままでは戦争が始まるぞ!」

四人の間に衝撃が走った。
世界の歯車はあらゆるものを巻き込み…回り続けていた。



一方、ルークはシンクから渡された服に袖を通していた。
シンクの持ってきた服は赤を基本とした服で袖は半袖。
前に来ていた服のように、上着の裾が後ろ部分だけ長く、半分に切込みが入っていた。
手袋をはめ、慣らすように手を握ったり開いたりしながら自分の姿を確認していると、自分も着替えるといって奥に言っていたシンクが帰ってきた。
その姿を見て、ルークは一瞬目を丸くしたが、次の瞬間には微笑んだ。

「…何?」

どこか気恥ずかしげに顔を背けるシンクの服装は、ルークのデザインと同じ。
色はシンクは主に白を基本としていて、パンツは黒。装飾のような縁取りは緑だった。

笑うルークと、顔を背けているシンク。
ラルゴは自分の髭を触りながらその二人を交互に見つめた。
お互いにレプリカだからとか、そういう意味ではなくこの二人は気が合うようだ。

「で、ラルゴ。アンタは何のようなのさ」

ぼんやりと物思いに耽っていたラルゴは、シンクの言葉に我にかえる。

「おっとそうだった。イオン様がキムラスカのナタリア姫とともにモースに捕らえられている。イオン様を連れ出そうにもモースが首を縦に振らなくてな」
「それで、ここに足止めってわけ?」
「ああ」
「ナタリア…?」

驚きに目を見開いているルークを振り返り、シンクは補足して説明する。

「アグゼリュス崩壊に巻き込まれて君たちは死んだことになってるよ。キムラスカはそれを理由に宣戦布告する気らしいね。だから、戦争を起こしたいモースは唯一戦争を止められるイオンとナタリアを監禁してるってわけ」
「それじゃあ、戦争は…」
「このままだと確実に起こる。だが、総長の目的はそこではない」
「え?」

ラルゴの言葉にルークは驚きの表情を浮かべる。
師匠は…彼らは戦争を起こそうとしているのではなかったのか。
そのために、自分を利用してアクゼリュスを滅ぼしたのではなかったのか。
ルークの明らかにわからないというようなしかめ面に、ラルゴは苦笑を浮かべる。

「…詳しくはまだ話すことはできん。知りたいなら総長に会ってから訊けばいい」
「……師匠……」
「とにかく、まずは導師を連れ出す必要があるね」
「そうなのだが、モースが意外にも用心深くてな。手が出せん」
「ちっ…あのジジイ」

悩んでいる二人には悪いが、いずれ師匠と会わなくてはならないかと思うと、ルークはどんどん気が重くなっていく。
しかし、そんな物思いなど軽く吹き飛ばすような悲鳴と怒声が、突如として聞こえてきた。

「なにやら騒がしいな」
「ラルゴ。導師とナタリアが捕らわれてるって言った?」
「ああ、そうだが……まさか」
「アッシュが裏切った。奴ならここに詳しい…取り返しに来たのかもしれないね」
「ならば、行ってみるしかないだろう」
「そうだね」
「…俺は?」

部屋を出て行く準備をする二人を、ルークは不安げな瞳で見上げた。
顔色が青白い。
アクゼリュスでのこと、そのときのかつて仲間であったものたちの突き刺すような言葉、レプリカと知らされ存在を否定されたこと。
それらが思い出されたのだろう。
ほんの先日のことだ。忘れることも割り切ることもできるわけがない。

「ここで待ってなよ」
「でも!」
「心配しなくても帰ってくるよ。それに、まだ会いたくないでしょ?」
「……」

シンクの言葉に、ルークは唇をかむ。
確かに会いたくはなかった。
決心が鈍りそうだからとか、そういうわけではなく、再び否定されるのが怖いから…。
俯いたルークの頭を大きな手が乱暴にかきまわす。
驚いて顔を上げると、ラルゴが背を向けて部屋から出て行くところ。
シンクもその後を追って出て行く。

「大人しく待ってなよ…レンティス」

閉まったドアを、少し恨めしげに見つめる。



シンクの隣にずっといられるくらい、強くなりたいと思った。




☆このルークはシンクにぞっこんです(ぇ)
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「ティアさん!ティアさん!たいへんですのー!!」

小さな水色の生き物が慌てた様子でユリアシティの部屋を走り回っていた。
手には大事そうに何かを抱えている。
呼ばれたティアはセレニアの花畑の真ん中で、走り回るミュウを呼び止めた。

「どうしたの、ミュウ。私はここよ」
「ティアさん!」

ミュウは人間であったならば今にも泣き出しそうな声で、ティアに駆け寄った。
そして、大事そうに抱えていたものを見せながら、必死に訴える。

「ご主人様が…ご主人様がいないんですの!」
「え…?」

ティアは信じられないとばかりに目を見開く。
その目には、ミュウの手の中から零れ落ちる、赤い髪が映っていた。



「ルーク!」

半ば叫ぶようにして自分の部屋に入ると、部屋には誰もおらず、彼が愛用している剣もなかった。
あるのはミュウの手に持ちきれなかった彼の髪のみ。
シーツのしわが、先程まで人がいたという事実は伝えてくるのに、彼がどこへ行ったのか教えるものは何一つとしてなかった。

「ミュウ、何か気づかなかったの?」
「みゅうぅぅ…眠ってて起きたらもうご主人様、いなくなってたんですの…」
「責めてるわけじゃないわ。そんなに落ち込まないで。もしかしたらユリアシティの中にいるかもしれない。探してみましょう」
「はいですの!」

二人はルークを探すために部屋を出る。
しかし、いくら探してもルークの姿はなく、行き先の手がかりすらなかった。
タルタロスも外殻大地に帰った今、この魔界から外に出れる方法は唯一つ。
ティアはテオドーロの元に走った。

「おじい様!」
「どうした、ティア。騒々しい」
「彼が…ルークが消えました。私は、もう一度外殻大地に行きます」
「行ってどうするつもりだ?」
「わかりません…ただ、嫌な予感がするんです。」
「案ずるな、ティア。全てはユリアの預言に導かれている」
「どういうことですか・・・?」

そして、ティアは知った。
アグゼリュスでのことが全て預言通りのことであったことを。
そして思い出した。
ヴァンの言葉を。
彼が預言を憎んでいることを。
彼の目的が…アグゼリュスの崩壊だけではないことを。

「もう一度、外殻大地に行きます」
「ティア!」

ティアはミュウをつれ、テオドーロの制止を振り切ってユリアロードに走った。
急がねば大変なことになる。
今度こそ、兄を止める…
固い決意を胸に、ティアは再び外殻大地へと飛んだ。



「シンク、どこに行くんだ?」

アラミス湧水洞を出たルークとシンクの二人は草原を歩いていた。

「ダアトに行くよ」
「え、でも…」
「情報を集めるにはまずはあそこに行ったほうが都合がいいんだ。心配しなくても、ヴァンに会うことはないよ」
「うん…」

曖昧に頷くルークに、シンクはため息をつく。
利用され捨てられた直後だ。戸惑っても仕方がないが、ここでもたもたしているわけにも行かない。
シンクはルークの手を握る。
すると、驚いたような瞳と目が合った。

「行くよ」
「…ああ!」

嬉しそうに笑うルークを見て、シンクもうっすら微笑んだ。

こいつといると面白い。



ルークにフード付きの外套を着せ、ダアトのオラクル本部に入った。
シンクのやることにわざわざ口を挟んでくるものはそういないが、見つかると面倒なので足早に自分にあてがわれた部屋へと向かっていく。
幸い、厄介な人物に見つかることなく自室へたどり着けたのだが、シンクの部屋にはなぜか先客がいた。

「遅かったな、シンク。どこへ行っていた?」
「…ラルゴ」

ラルゴという言葉に、シンクの後ろにいたルークは体をびくつかせる。
その様子に気づいたラルゴは、首をひねった。

「シンク、誰だそいつは」
「あぁ…ルーク、顔を見せなよ」
「ルーク?」

不安を感じながらも、シンクの言葉に従って頭のフードを取る。
目が合ったラルゴは、普段のいかつい顔からは想像できないほど驚いた顔をしていた。
怒鳴られたり侮蔑の言葉を吐かれたりすることを覚悟して大人しく待ってみるけれど、いっこうにその気配がない。
恐る恐る再びラルゴを見ると、なぜか手招きをされた。
意味がわからなくて、助けを求めるようにシンクを見るけれど、シンクは何も言ってくれない。
仕方なく、ラルゴに近づくとなぜかラルゴが座っていた椅子に座らされた。
全く意図がつかめずラルゴを見上げると、ラルゴは一つため息をついた。

「…髪を切ってやる。このままではまずいだろう」
「あ。」

そういえば、剣で無造作に切ったままであった。
気にしていなかったが、それはすごいことになっているだろう。
ルークが大人しくなったところで、ラルゴははさみを取り出すとルークの髪を整え始めた。

「…あんた、でかいくせに器用だよね」
「お前は機敏だが不器用だな」
「ほっといてよ」

二人の会話を、ルークは意外な思いで聞いた。
今までは敵であっただけに、嫌な奴とか悪い奴とかそういう先入観で見ていたが、やはり彼らも一人の人間であるのだ。
そんなことを考えている間に終わったらしく、仕上げとばかりに大きな手で髪をかき回された。
髪だらけになった外套を取り去り、すっきりした頭を撫でるとラルゴを見上げた。

「あの…ありがとう。」
「いや」
「…あんた、何も聞かないのか?」

普通ならば、どうしてここにいるかとか真っ先に聞くだろうにラルゴは何一つとして聞かない。
逆にどうも居心地が悪く、ルークは思い切ってラルゴに尋ねた。

「別に、過去を詮索するつもりはない。お前がシンクとここにいるのなら、そういうことなのだろう」
「う…うん」
「なら問題はないだろう。敵ならば容赦しないが、そうでないものまで手をかけはしない。…それよりも、その名前と格好のままではまずいだろうな」
「そうだね。服は調達してくるから待っててよ。名前は…そうだな、レンティスなんてどう?」
「レンティス…俺の名前?」
「嫌なら変えるけど」
「いい!ありがとう、シンク」

ルークじゃない、自分の名前。
初めて、“自分自身”につけられた名前にルークは満面の笑みを浮かべた。

「じゃ…じゃぁ、僕は服を取ってくるから」

そそくさと部屋を出て行くシンクと、にやけたままのルークことレンティスをラルゴは面白そうに見つめた。



☆ラルゴはお父さん的です。
 シンクはなにやらツンデレ・・・?
気づいたら暗闇の中だった。

見回しても光はなく
声を張り上げても音は響かず
走ってもどこにも行けない

そこは無だった


走って走って走って・・・
やがて疲れ果ててその場に倒れ伏した。


どれくらいそうしていただろうか。
突然、足首を捕まれる感覚に、ルークは飛び起きた。

目を凝らしてみると、自分を掴んでいるのは闇の手。
それが闇に彼を引き込もうと、足を引いていた。

のどの奥で引きつったような悲鳴を上げてルークは必死に足を動かした。
しかし、どれだけ暴れても蹴飛ばしても手は離れない。
その上、手は次から次へと出てきてルークの体を拘束していった。

手も、足も、首も、腰も
全て黒い手からしがみつかれ、身動きができない


嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ


助けて
誰か助けて


名前を叫ぼうとしたとき、気づいた。

自分が独りだということを。

既に皆旅立ち、自分は置いて行かれたのだということを。

そして・・・

自分には助けを求める権利すらないことを


レプリカ
偽者
大量殺人者



思い出した過去が、ルークを苦しめた。
無意識のうちに、涙が溢れる。

黒い手はルークが抵抗をやめたのをいいことに、彼を闇へと飲み込み始めた。
体が半ば以上埋まっても、ルークは動かない。
ただ、涙だけが彼の頬を濡らし続けていた。


『ねぇ、起きないの?』
誰?
『迎えに来てあげたよ。君と僕は同じだからね』
同じ?
『さっさと起きないなら、置いていくよ』
嫌だ!
もう置いていかれるのは嫌だ!!
誰でもいい・・・待って!置いていかないで!

必死に手を伸ばすと、黒い手はいつの間にかなく、かわりに光がルークを包んだ。




目を開けて、はじめに目にしたのは光。そして、鮮やかな緑。
数度瞬きして目を慣らして見ると、そこには見たことのある人物。

「ようやくお目覚め?」
「シ・・・ンク」

渇いた喉から搾り出すようにしてその名前を呼ぶと、目の前の人物が笑ったような気配がした。

「迎えに来てあげたよ、レプリカルーク」

レプリカルークと呼ばれた際に感じた痛みを押し殺し、ルークはシンクに尋ねた。

「・・・何で?」
「君は僕と同じだから。必要とされてないレプリカ。」
「・・・え?」

状況が飲み込めないでいるルークに、シンクは仮面を外して見せた。
露になった顔に、ルークは息を呑む。
その反応に満足したのか、シンクは再び仮面をつけると話を続けた。

「わかった?僕らは意味を持たずして生まれたレプリカ同士だ。ねぇ、僕らを産んだこの世界に一泡吹かせてやりたくない?」
「・・・世界なんてどうでもいい。ただ・・・」


「居場所がほしい」


悲しみに満ちた翡翠の瞳がシンクを捉えた。
その瞳に、シンクは生まれて初めて心が動かされるのを感じた。

「僕をあげるよ。もともと意味のない命だ。君の居場所にでも意味にでも使いなよ」
「・・・ホントに?」
「その代わり、僕にも君を頂戴」
「いいよ、やる。お前をくれるなら、俺もお前にやる」
「・・・決まったね。じゃぁ、行こうか」

口元にうっすら笑みを浮かべるシンクを、ルークは不思議そうに見つめる。

「どこに?」
「とりあえずここから離れる。こんなとこ、いたくないでしょ?」
「わかった」

ゆっくり寝台から離れると、自分の近くにミュウが眠っていたのに気づいた。
なじっても、痛めつけても自分の側にいた聖獣。

ゴメンな・・・ありがとう。

ルークは自分の剣でばっさりと髪を断ち切ると、それをミュウの側に置いて立ち去った。

不自然に断ち切られた髪が揺れる背を見送るものはおらず、後には長い焔の糸のみが残された。



・・・もう、戻れない。



☆シンルク捏造小説です。
 なぜかシンルク。・・・私の趣味です。はい。
屑の手料理
 ED後に二人は一緒に目覚めて、帰るために二人で旅している設定。
 ほのぼのラブを目指しました。


とりかえっこ
ED後ファブレ家に同居設定の二人。
ルークが自分とアッシュが似ているかに疑問を持って、ある実験を行います。
微妙なアシュルク。

酒癖:ルークはキス魔ED後ファブレ家に帰ってきた時。
祝宴にて酒を飲んだルークが・・・
一応アシュルク。

アビスマンネタ
・・・もう、説明も出来ないような、お遊び小ネタです。
攻略本のアビスマン設定見て、とっさに思いついたネタ。
微妙な内容ですが、興味ある方はどぞ。

*たったひとつのわがまま
アシュルクのED後パロディ。
アッシュとともに帰るために、アッシュの死なない未来を作りに、ルークが過去に戻る話。
役に立たない設定はこちら

         10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20  21 22 ・・・



*手に入れた居場所
この話はアクゼリュス後より分岐する捏造アビスです。
シンルクで、ルークは別の名前を名乗ったりしてます。
それでもいいって方のみ、ご覧下さい。

         10
11 12 13 14 15 16 (完結)

番外編
         10 11 12 (完結)

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