忍者ブログ
TOAに関する妄想文だったり、日記だったりを書いていきます。ネタバレ有り。いわゆる"女性向け"の文章表現多々。 出版元・製作元様方には一切関係ありません。 また、突然消失の可能性があります。 嫌いな方は他のところに逃げてくださいね。
[3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

有無をいわさないジェイドの圧力により、ルークはかつての自分たちの旅に再びついていくことになった。
もちろん、他人には見えない精神体の姿で。
ルークにしてみれば、しばらくついていけばアッシュには会えるはずだからついていくこと自体には問題はないのだが、唯一の難点はいかにジェイドをごまかすかという点。
いや、すでにジェイドからは疑われているため、正しくはいかに目的を隠し通すか、だ。
ルークはふわふわとジェイド達から少し離れたところを移動しながら考える。
しかし、旅の最中だって一度としてジェイドに隠し事などし通せたことなどないのだから、いい考えなど浮かぶわけもない。
ここは、見えるのがジェイドだけでよかったと思うべきかもしれない。

…ガイにまで見えてたら即行で白状させられるしなぁ…

そんなことをつらつらと考えているといつの間にかジェイド達から距離があいていた。
慌てて元の位置までもどると、最後尾を歩いていたジェイドが横目でルークをみた。
何を言われるかと一瞬身構えたルークだったが、周りに仲間達がいるせいか、ジェイドは何も言わない。
それに、ルークはほっと胸をなで下ろした。



イオンの遺した預言をもとに訪れたベルケンドではかつての自分達にとっては衝撃の…ルークにとっては過去はまだ変わっていないという事を再確認する事実が突きつけられた。

レプリカ情報を抜かれたせいで亡くなってしまったであろう人々。
そして、障気の中和にはローレライの鍵のような、力を増幅する媒介と一万人もの犠牲が必要だという事。

いくらジェイドに無理だと言われていても、当時のルークは諦めきれなかった。
それで障気が中和できるなら…それしか方法がないなら…と幾度も考えていた。

「一万人の命…」
「…これだから物分かりの悪い子どもは嫌なんですよ」

そう呟きながらうつむいているかつてのルークに苛ついたジェイドが離れていく。
それをルークは複雑な思いで見つめた。
この時は自分なりにに必死に考えていたつもりだった。
それでも、自分を気遣ってくれているジェイドの意見もきいて、話し合っていたらレムの塔での結果は少しは変わっていたかもしれない…

そこまで考えて、ルークは首を振った。
自分は覚悟を決めて彼らの命をもらったのだ。いまさら、悔やむことなど許されない。
だからもう、後悔なんかしない。

ルークはかつての自分から目をそらすと、歩いて先に行ってしまったジェイドを追いかけた。
ルークを監視すると言ったのはジェイドだから、近くに行った方がいいと思っての行動だったのだが、ルークが近くにきたことに気づいたジェイドは意外そうにルークを見つめた。

『…何だよ。自分がついてこいっていったんだろ』
「いえ、あなたがルークなら勝手にふらふらして、素直についてくるとは思ってなかったので」

ジェイドには聞こえないことを承知で言ったにもかかわらず、答えが返ってきてルークは驚いた。
その様子を見てジェイドは笑みを浮かべて小さな声でルークに話す。

「読唇術ですよ。姿だけは見えますからね」
『あんた…ホント万能だよな…』

ルークは内心呆れながらジェイドを見る。
ジェイドのほうはそれを知ってか知らずか、いつもの笑みを浮かべたまま。
しかし突然、その笑みが消える。

「…あなたが本当に未来からきたのなら…その時この世界の結末はどうなっているのでしょうね」

ジェイドにしては珍しい…いや、初めての弱気ともとれる発言。
ルークはそれを意外だが、このときジェイドも不安であったのだとどこかほっとした気持ちで聞いた。

『…俺が教えることは簡単だけど、それは預言に縛られた世界と変わらない。それに…俺が今の世界に干渉したらどうなるか…あんたにはわかるだろ?』
「…そうですね、変なことを言いました。忘れてください」
『でもさ…俺、後悔はしてないぜ。ジェイド』

話を終えて仲間の元にいこうとしたジェイドに、ルークはそういって笑いかける。
それを見たジェイドはめがねの位置をもどしながら、呟いた。

「あなたも少しは利口になったんですねぇ。昔はなーんにも考えられない子どもだったのに」
『…わるかったな』
「ほめてるんですよ。未来が過去に及ぼす影響・その危険性を知っているし、過去という異常な状況下で狼狽えていない。…あなたが本当にいきなり飛ばされてきたのだとしたら上出来ですねぇ。」

ルークを見たジェイドの顔にはいつものくえない笑み。
そしてその意味深な言葉にルークはひきつった笑みを浮かべ、やがて大きなため息をつく。

すでに隠し通す自信がなくなってきたルークだった。
PR
*攻略本より…アビスマンはイビルマン(?)という組織と戦う正義の使者でアビスシルバーはレッドの兄でイビルマンに洗脳されているのだそうです。そこで…思いついた極短ネタ



目の前に現れた巨大な怪物。
それをようやくねじ伏せ、アビスレッドことルークは敵の親玉がいるとされる屋敷の奥へと足を踏み入れた。
しかし、そこにいるのは赤い髪をした一人の青年。
長い髪が廃墟に流れ込んだ風に揺られ、たなびく。
その光景に目を奪われていたが、ここが敵の拠点の一つだという事を思い出し、身構えた。

「お前…何者だ!」

その声に、目の前の赤い髪の青年がゆっくり振り返る。
その姿を見たとき、ルークは息をのんだ。
忘れるはずもない…その顔は自分と同じ…かけがえのない半身。

「アッシュ兄さん!」

叫んだルークの声が聞こえていないはずはないだろうに、青年は眉一つ動かさない。

「探してたんだ!今までどこにいたんだよ、兄さん!」
「…動くな」
「兄さん?」

走りよろうとするルークに青年は剣を抜く。
なぜ自分に剣が突きつけられるのかわからないルークは困惑した瞳で兄をみた。
しかし、ルークの声には応えず、青年は剣を自分の目の前に掲げた。
光が青年の体を包み込み、次の瞬間には自分たちアビスマンとよく似た格好をした人物がたっていた。
そしてその人物はルークに剣を突きつけて言う。

「貴様がいる限り俺は俺でいられない。俺が存在するために貴様には消えてもらう」
「なに…いってるんだよ、アッシュ兄さん!」

目の前には自分に敵意を剥き出しにしている人物。
同じ姿でも不器用だが優しかった兄とは別人のよう。
しかし、ルークにはわかった。
どんなに変わっていても目の前にいる人物は確かに自分の兄なのだと。
しかし、だからこそ兄の変わりようが信じられなかった。

「アッシュ兄さん!」
「薄汚い口で俺を呼ぶな、屑。俺は閣下の忠実な右腕、アビスシルバーだ」

その言葉とともに、アッシュはルークにきりかかる。
悲しい戦いが幕を開けた…。



かつての記憶などないかのように猛攻を仕掛けてくるアビスシルバー。
その力と彼が自分の兄だという事実に、手も足もでないレッド。
必死の叫びもシルバーにはもう届かないのか…。

次回、アビスマン…「兄弟」

目を覚まして、兄さん!





…あほです。
そして続きません。
二年ぶりにファブレ公爵家の息子らが帰ってきた。
そんな報告を受けたキムラスカ・ランバルディア王国はわき返った。
二人の墓前で行われていた成人の儀は、二人の姿を認めたとたん、宴と化した。
帰ってきたばかりの二人は休ませるべきという意見もでたが、それを上回る歓声にかき消された。
それほどまでに、二人の英雄の帰還は望まれていたのだ。

アッシュとルークは始め、感激した母親に泣きつかれ、解放されたのは2時間後だった。

「お疲れだな、ルーク」
「ガイ!」

人混みから逃れつつ、ふらふらと歩いていたルークはこちらに向かって手を挙げているガイに気づいて駆け寄った。
隣ではジェイドが優雅にワインを口にしている。

「ジェイドって酒好きだよな」
「まぁ、嗜む程度には好きですね」
「旦那はいい年だし、酒ぐらいはな~」

そういって笑ったガイだったが、直後にジェイドから名前を呼ばれ、笑みを向けられると顔をひきつらせた。
ルークはさわらぬ神にたたりなしとばかりに、そこにはふれずに話を逸らした。

「俺も何か飲みたいんだけど、なんかない?」

しかしくるりと見回してみても飲み物はなく、メイドもいない。
すると、ジェイドがおもむろに自分の持っていたグラスを差し出した。

「旦那、それ酒だろ?」
「そうですが、中身はともかく、ルークも外見は20になりましたし、いいんじゃないですか?」
「マジ!?飲んでいいのか?」

止めようとしたがいの手もむなしく、目を輝かせたルークのてにグラスがわたった。
ジェイドが面白そうな顔で見守る中、ルークはグラスの酒を一気にあおった。



いやに後ろが騒がしい。
ナタリアと話をしていたアッシュはうらやましいだとかかわいいだとかの声が聞こえてくる方に視線をやった。

「…なっ!」
「あらあら」

アッシュの視線を追ってその様子を見たナタリアもアッシュと同様に声を上げる。
そこにはガイの頬に口付け、次にジェイドの頬に口づけているルークの姿。
しかもこちらに気づいたらしいジェイドがアッシュに向かって意地悪げな笑みを向けた後、見せつけるようにルークの唇に口づけた。
ルークは全く抵抗しない。

「屑が!!」

一気に頭に血が昇ったらしいアッシュはどすどすという音がしそうな歩みでルークたちに近づくと、いまだにくっついているルークとジェイドを引き剥がした。

「なにしてやがる!」
「何といわれましてもねぇ。久方ぶりの再会を喜び合ってたんですよ」
「…ガイ。テメェもなんで止めねぇ」
「いやぁ…ははは」

剣があったならばすでに抜いていそうなアッシュの勢いに、ガイは笑ってごまかす。
アッシュの視線が剣呑なものとなったとき、今までおとなしくしていたルークがとろんとした瞳をアッシュに向けた。

「あれ…?あっしゅだー…」
「うるせぇ屑!だいたいテメェが…」

永遠と続きそうだったアッシュの小言は、ルークがアッシュに突如口付けたことで止まった。
驚愕に目を見開くアッシュに、ルークがさらに口付ける。
そのとき、ようやく正気に返ったアッシュがルークをひきはがした。
しかし、ルークは引きはがされてもなおアッシュにしがみつく。

「なんだこれは!?」
「ルークは酒癖が悪いみたいですねぇ」
「酒だと!?」

そのときになってようやく、アッシュはルークが酔っていることに気がついた。
頭に血が昇りすぎて、肝心なところに気づいていなかったらしい。
情けないやら腹立たしいやらで爆発寸前のアッシュに、何も気づいていない様子のルークはにっこりと笑みを向けた。

「あっしゅー」
「なんだ!!」
「だいすきー」

予想もしなかった言葉にアッシュの顔がみるみる赤くなる。

「よかったですねー、アッシュ」
「ば、馬鹿か!こいつを部屋に押し込んでくる!」

どんどん遠ざかる二人をみながら、ジェイドはさも愉快というように笑みを浮かべ、ガイはそれを苦笑で見送った。



結局その後アッシュは戻っては来ず、翌日ルークの部屋にてアッシュの服を握って眠るルークとその隣で眠るアッシュの姿があった。





☆酒癖ルークはキス魔(笑)もちろんルークの記憶はない方向で。
ダアトへと帰ってから交わされたのは、イオンを想う者同士の辛い戦いの約束。
その光景を見て、ルークは瞳を閉じた。

・・・いずれアッシュと俺が行う戦いのように、闘うことがどうしても必要になることだってある。
・・・多分、退けないんだ。
頭では闘わなくてもいいんだって思ってても、感情がついてこないことだってある。
それを整理するための闘いだってあるし、自分の感情を貫き通すためにする闘いだってある。

・・・わかっているけど、それでも誰かが死ぬのは・・・悲しいよ。




どこかへ行ってしまったアニスを、過去の俺が捜しに行く。
俺は行かない。
今、アニスを慰めるのは今の俺の役目じゃなくて、過去の俺の役目だから。
・・・今の俺には、他にやることがある。


そっとダアトを出て行こうと、ルークは教会の扉へ向かった。

「おや、どちらへいかれるんですか?」

突然背後よりかけられた、馴染み深い声に慌てて振り返る。
すると、ジェイドが“ルーク”をまっすぐに見ていた。
周りを見渡してみるが、誰もいない。
自分を見下ろしてみるが、もちろん今は透けている。
他の人には見えている様子はない。
もう一度確認するようにジェイドを見ると、あなたですよと言わんばかりに不信感いっぱいの目でこちらを見つめている。
もちろん、顔だけはくえない笑みをつくって・・・。

ルークは逃げようかと考えたが、そんなことをするとどうなるかわかったものではない。
流石に、見えない触れないと言うことは確認できても、この体で譜術が効かないかと言うことまでは確認できていなかった。
ルークは大きくため息をついてうなだれた。
その様子を見て、抵抗の意思がないことがわかったのかジェイドは手招きをすると人気のないところまで誘い込む。
そして、あたりに誰もいないことを確認すると、口を開いた。

「ではまず、あなたが何者なのかを教えていただきましょうか?」

その冷ややかな言葉に、ルークは覚悟を決めると透けていた体を実体化させた。
今まで感じていなかった重力が体にかかる。

「・・・あんた、やっぱり俺が見えてたんだな。最初っから言ってくれればいいのによ」
「生憎と、どこの誰ともわからない輩に、藪からぼうに声をかけたりする神経は持ち合わせていないもので」
「そうだな。あんたはそーいう奴だったよ」
「それで?あなたは何者で、何のために我々についてきているのですか?」

冷たい視線が向けられる。
それが、今自分のしていることを咎められているようで、心が痛んだ。
しかし、わがままを通すために、なじられることも承知で戻ってきたのだ。
ルークはまっすぐにジェイドを見つめ返した。

「俺はルークだよ、ジェイド。・・・っていっても、現在のじゃないけどな」
「目的は?」
「・・・あれ?あんた本当に俺がルークって信じるのか?」

ルークと名乗った瞬間、否定の言葉が出ると思っていたのに、意外にも何もいわれず、ルークは拍子抜けする。
しかし、ジェイドはいつもどおり笑みを浮かべたまま答えた。

「信じる信じないはともかく、今の私にはそれを否定するだけの材料がありませんから」

要するに、簡単に信じられないが、否定もできないから追求しなかったということである。

「それで、あなたの目的は?どうして我々についてきていたんですかねぇ」

答え:アッシュを死なせないため。自分の意思を伝える方法をジェイドに聞こうと思っていたから。

ひとつはイオンのおかげで既に解決しているし、もう一つはジェイドに言ってしまうといろいろとばれそうで言えない。
ルークは背に嫌な汗が流れるのを感じた。
そして出てきた苦肉の策が・・・

「き・・・気がついたらここにいて、どうしようかって・・・」

苦しい。
ジェイドの笑顔が怖い。

どんなきりかえしが来るのかと、内心びくびくしながらジェイドを見つめると、あからさまなため息が降って来た。

「強情なところはそっくりのようですねぇ」

誰にとは言わないが、それが誰を指しているのかはルークにもわかる。

だって本人だし。

「仕方がありません。あなたにはもうしばらく、ついてきてもらいましょう」
「は?」
「監視するなら近くにいられたほうが都合がいいので」

戸惑うルークに、ジェイドが付け加える。

「逃げたら・・・どうなるかわかってますね?」

有無を言わさないその言葉に、ルークはがっくりとうなだれた。






☆中途半端ですがここでいったんきります。
 さて・・・この先どうなることやら。私もわかりません(爆)
バチカルにてナタリアと合流し、それからダアトへと向かうかつての自分たちの後ろを、ルークはふわふわとついて行った。
ジェイドに話しかけてみようとか思っていたが、慌しいこの状況と、このあとに起こる出来事が頭をかすめてルークはどうもそういうことができずにいた。

今の自分は未来の情報を有した第七音素と変わらない。
ただ情報を持っているだけで、自分からは何もできない、ただのかたまり。
だから、瘴気に当てられて倒れるティアの姿に手をかすこともできない。
ただ何もできないままふわふわとしている自分が歯がゆくて、ルークは幾度目かになるため息をついた。

未来から戻ってきても、自分の無力さばかりを痛感している気がする。
ローレライはこうなることをわかっていたのだろうか。
わかっていて、あえて自分を過去に戻したのだろうか。

どんどん鬱になって行く思考を引き戻したのは、イオンの部屋に慌しく入ってきたアニスの声だった。

「イオン様!大変なんです、早く来てください!」
『あ・・・』

慌しく出て行くイオンと、取り残されたかつての自分たち。
でも、ルークはこれが何の前触れか知っていた。
だからこそ、取り残されたかつての自分をおいて、アニスたちについて部屋を出て行った。
転送譜陣から発生した光に便乗して下へ向かう。
すると、アニスは既に待ちぶせていたリグレットらの横をすり抜けて、例のセフィロトへとつなぐ通路を走っていた。
自分の手を引いて走るアニスと待ち伏せているリグレットとを、イオンが不安げに交互に見つめる。
しかし、アニスの尋常でない様子を感じ取ったのか、激しい抵抗などせずただ手を引かれるままにイオンは走った。

ようやく足を止めることを許されたのは、隠し通路のある資料室までついてから。
アニスはここでモースを待つのだろう。
アニスとイオンしかいない空間に、異様な沈黙が流れる。

「アニス…どうして…」

アニスは決してイオンを見ようとはしない。けれど、イオンから声がかかった瞬間、その小さな体がびくりと震えた。
拳がきつく握られ、震えている。
ルークには、今のアニスの気持ちが痛いほどよくわかった。

どちらも大切なのに、どちらかを守るためにはどちらかを犠牲にしなくてはならない。
その痛いほどの苦悩。

戸惑い気味であったイオンだが、しばらくして入ってきたモースの姿を見ると、震えるアニスの姿をもう一度見て、全てを悟ったかのように瞳を閉じた。

「ご苦労だったなアニス。では、導師イオン、その先に進んで頂きましょう」
「イ…オン…さま」
「何も言わなくていいんですよ、アニス」

優しくイオンが笑うのを、アニスは潤んだ目で見つめていた。
そこへ、遅ればせながらかつての自分たちが到着する。
アニスのことも心配だが、先にモースに連れて行かれるイオンが気になって、自分も先に転送譜陣に入った。

・・・何もできないことはわかっているけれど、これを逃げないで見届けるのは、わがままを通すことを決めた自分の義務だと思うから・・・。



ザレッホ火山にやってきたイオンはすぐさま、譜石の前につれてこられた。
アニスもそのあとすぐに到着する。
その様子を見たモースは、厳しい口調で言った。

「譜陣の機能は停止したのだろうな?」
「はい・・・。モース様、約束です!パパとママを返して!」
「まだだ。導師に預言を詠ませてからだ。逃げられてはかなわんからな」
「そんな…!」

今にも泣きそうな様子のアニスに、イオンはいつもと同じように優しく微笑む。

「大丈夫ですよ。・・・モース、預言を詠めばオリバーたちを解放するのですね?」
「預言さえわかれば、そんな役に立たない奴に用はない」
「・・・わかりました」

イオンは静かに譜石へと手をかざす。
その姿にアニスは耐えられなくなって叫んだ。

「イオン様!それをしたら、イオン様が!!」
「いいんですよ、アニス。これで僕は、彼らを助けることができる」
「イオン・・・様?」

イオンはこんな状況にもかかわらず、嬉しそうに微笑んだ。
やがて、集中したイオンの口から淀みなくユリアの預言が読まれ始める。
アニスは見るに耐えないのか、涙を堪えて俯いた。
けれど、ルークはじっとその姿を見つめ続けた。
かつて自分たちを助けようとした、仲間の姿を。
その姿を目に焼き付けるように。

やがて、イオンの息があがり、預言を詠む声に疲れが見えてくる。
しかし、モースは止めないし、イオンもやめない。

本当は叫びたかった。
小さな体を支えてあげたかった。
けれどルークはそれを耐え、イオンを見つめ続ける。
やがて来たかつての自分が、倒れるイオンを支えるまで…。

「ルーク・・・これが・・・僕の見た預言・・・」
「イオン!しっかりしろよ!」
「・・・っ・・・ティア・・・手を・・・あなたの瘴気は・・・・僕がもらっていきます・・・」

光が・・・音素が乖離していく中、それでもイオンは笑っている。


なぁ、お前は本当に俺たちを最後まで助けてくれてたんだな。
最後くらい、泣いたっていいのに。
お前だって、死ぬの怖かっただろ・・・?
なのに、俺たちを助けられるからって、何もかも背負い込んで笑って・・・


イオンの姿を見て、堪えていた涙がルークの頬をつたった。


俺、最悪だ。
わがまま通して過去を変えるために戻ってきて、変えすぎると危険だからって理由を盾にして、またお前を助けないんだ。
一度目は間に合わなくても、今回は助けられたかもしれないのに。
俺は自分のわがままで、またお前を犠牲にするんだ。


『ごめん・・・イオンっ』

決して声にはならない声。
それでも、アニスへと向いていたはずのイオンの目が、その声に導かれるようにして自分を捕らえた。
驚愕に目を見開く。
すると、やっぱりイオンは微笑んだ。

「なかないで・・・僕の・・・大切な・・・」

最後までは聞き取れない。
それでも、イオンを形作っていた音素の欠片が近づいてきたのが見えた。
ルークはそれに思わず手を伸ばす。
手が触れるか、触れないかというとき、透けていた自分の手が実体を持った。
驚いて手を見ると、その手はまたいつものとおり半透明なものに戻る。

夢かとも思われる一瞬。
しかし、その一瞬をルークは体で覚えていた。


イオン・・・おまえ・・・ほんとに・・・


ルークの頬をまた新たな涙がつたう。
誰にも見られることのない涙は、静かに流れ空気に溶け込んだ。







☆すみません、イオン様のとこうろ覚えですorz
 しかも、アニスに向けられたであろう言葉を、勝手にルークに向けられた言葉にしてしまいました。
 そしてさらに、わかりにくいですが、イオンのおかげでルークは自由に実体化する方法を体得しました。
 これでようやくまともに誰かと会話できそうです。
忍者ブログ * [PR]